光と影を熟知したモノクロームの映像美、タル・ベーラの最新作『倫敦から来た男』が11月より公開

現存する最高の映画作家の1人、タル・ベーラ監督の最新作『倫敦から来た男』が、11月よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

海辺で静かに生きる鉄道員のマロワン。毎晩「ガラスの檻」のような制御室から、漆黒の港と駅を見降ろしている。或る晩、彼は偶然にも「倫敦から来た男」ブラウンの犯した殺人を目撃してしまう。そして、マロワンは、殺された男が持っていた大金入りのトランクを、海中から見つけ出してしまう。その時から、ゆっくり、ゆっくりと破滅がやってくる。

タル・ベーラは、7時間半にも及ぶ大作『サタンタンゴ』や、驚愕すべき傑作『ヴェルクマイスター・ハーモニー』で観客を熱狂させ、ブラッド・ピット、ジム・ジャームッシュ、ガス・ヴァン・サントら著名な映画人から尊敬を集める。原作は、総発行部数が5億冊を超えると言われる「メグレ警部」シリーズの生みの親、ジョルジュ・シムノン。75年の時を経ても「これは私たちの物語だ」と監督を魅了した作品だ。

光と影を熟知したモノクロームの映像美、空間の概念を揺るがすカメラワーク、登場人物の心情をも見透かすような長回し撮影。細野晴臣や想田和弘も絶賛する、完璧な技巧と独自の哲学で構築された「本物の映画」が、ついにそのベールを脱ぐ。

『倫敦から来た男』

2009年11月、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

監督:タル・ベーラ
原作:ジョルジュ・シムノン
キャスト:
ミロスラヴ・クロボット
ティルダ・スウィントン
ボーク・エリカ

配給:ビターズ・エンド

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