アメリカ最初期のパンク・ロック・バンド、ジャームスの退廃的な音楽性を描いた伝記映画が公開

1970年代末、ロサンゼルスで活動したアメリカ最初期のパンク・ロック・バンド「GERMS(ジャームス)」。このグループのカリスマボーカルであるダービー・クラッシュの破天荒な人生を描いた伝記ロック映画『ジャームス 狂気の秘密』が、12月5日よりシアターN渋谷にてレイトショー公開される。

ジャームスは、活動期間わずか3年、オリジナルフルアルバム1枚をリリースしただけのバンド。しかし、音楽界に与えた影響力は絶大で、80年代以降のハードコア/パンク・シーンからNIRVANAを頂点としたグランジ/オルタナ・シーン、そしてメロコアへと続くアメリカン・パンクの原型を作る重要な仕事を成し遂げた。

デヴィッド・ボウイやQUEENに憧れ、ろくに演奏もできないままスタートしたジャームス。本作は、ライブで食べ物を撒き散らし、会場を破壊するといった狂気の振る舞いをそのまま詰め込んだ音源の数々や、ヘロインのオーバードーズにより散ったダービー・クラッシュの破滅的なキャラクターなど、ジャームスのパンクソウルを存分に描く。「真のアメリカン・パンク」と評される彼らの芸術性を、過不足なく伝える作品となっている。

映画の制作は困難を極めたが、X、FEAR、WHITE FLAG、BLACK FLAGなどLAパンク界の重要バンドたちが、全面的にバックアップ。さらにダービー・クラッシュを除くメンバーが実に25年ぶりに再会し、アドバイザーとして参加するなどして作品にリアリティを与え、奇跡の完成に漕ぎつけた。

SEX PISTOLSのシド・ヴィシャスとは異なるもうひとつのパンクアイコン、ジャームス。そのどうしようもなく退廃的な音楽性を体感し、未知のエネルギーを手中にしておきたい。

『ジャームス 狂気の秘密』

2009年12月5日(土)よりシアターN渋谷にてロードショー
監督・脚本:ロジャー・グロスマン
原案:ミシェル・ベアー・ギャファリ、ロジャー・グロスマン
製作:スティーブン・ネメス、ケヴィン・マン&マシュー・ペルニシアロ、トッド・トレイナ
出演:
シェーン・ウェスト
ビジョウ・フィリップス
リック・ゴンザレス
ノア・セガン

提供・配給 キングレコード

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