アピチャッポン・ウィーラセタクン個展、タイの東北の村を舞台に描く光と闇と歴史

タイの美術家・映画監督アピチャッポン・ウィーラセタクンの個展『NATIVE LAND』が、4月17日まで東京・谷中のSCAI THE BATHHOUSEで開催されている。

アピチャッポン・ウィーラセタクンは、映画監督としてカンヌを始めとした様々な映画祭での受賞歴を持つほか、アートの分野でも多くの国際展へ出展するなど、国際的に高い評価を得ているアーティスト。2008年に発表した映像インスタレーション『Unknown Forces』では、カーネギー・インターナショナルにて今後の活躍が期待される若い才能に向けて新設された『Fine Prize』の第一号受賞者に選ばれている。

同展は、60~80年代に共産主義者の拠点と疑われ、タイ国軍から不当な統治、暴行、殺戮を受けた悲しい過去を持つ村、ナブアを舞台に制作された映像作品『ナブアの亡霊』を中心に構成される。同作で描かれるのは、蛍光灯の明かりに頼りなく照らされた夜の野原で、炎のボールでサッカーに興じる10代の青年たち。そこに交差する光と闇の中に、記憶、歴史、伝説やその消滅を感じずにはいられないだろう。

アピチャッポン・ウィーラセタクン個展
『NATIVE LAND』

2010年3月12日(金)~4月17日(土)
会場:SCAI THE BATHHOUSE(東京・谷中)
時間:12:00~19:00
料金:無料
休館日:日、月曜、祝日

(画像:アピチャッポン・ウィーラセタクン ナブアの亡霊 2009 ©Apichatpong Weerasethakul)

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