波乱の生涯送った異色作家に迫る映画『天皇ごっこ 見沢知廉・たった一人の革命』

作家・見沢知廉を題材とした映画『天皇ごっこ 見沢知廉・たった一人の革命』が、10月29日から東京の新宿K's cinemaで公開される。

1959年に東京に生まれた見沢知廉は、早稲田高等部在学中に演壇で教育批判と破壊行為を行い退学。暴走族、新左翼と立場を変え、1980年には三島事件から感銘を受けて新右翼へ転向を遂げる。その後、1982年にスパイ粛正事件で逮捕され、殺人罪で懲役12年を言い渡された。1995年には、獄中で執筆した小説『天皇ごっこ』を発表。出所後に出版した獄中手記『囚人狂時代』がベストセラーになるが、2005年に自宅マンションから投身自殺している。

同作の監督は、昭和天皇をコラージュした連作『遠近を抱えて』で物議を醸した美術家・大浦信行。撮影は、若松孝二監督の『キャタピラー』『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』などを手がけた辻智彦が担当。関係者たちの言葉から紡がれる心象風景を織り交ぜながら、異色作家の実像に迫った作品となっている。

出演者には、舞台女優のあべあゆみ、見沢の母・高橋京子、見沢の親友だった設楽秀行をはじめ、鈴木邦男、森垣秀介、針谷大輔、蜷川正大、中島岳志といった思想家・活動家が名を連ねる。また、かつて社会に溶け込めずにいた時に「生きづらいんだったら革命家になるしかない、お前にはその資格がある」と見沢に激励された、作家でプレカリアート活動家の雨宮処凛も出演する。

『天皇ごっこ 見沢知廉・たった一人の革命』

2011年10月29日より新宿K's cinemaで公開
監督・脚本・編集:大浦信行
撮影:辻智彦
出演:
あべあゆみ
設楽秀行
鈴木邦男
森垣秀介
針谷大輔
雨宮処凛
蜷川正大
中島岳志
高橋京子
配給:太秦

(画像:©『天皇ごっこ』製作委員会)

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