世界最古の写真技法「ダゲレオタイプ」、修復品と現代作を通して感じる温故知新

世界初の写真技法「ダゲレオタイプ」の過去と現在を紹介する『ダゲレオタイプ 修復と表現』展が、7月9日から神奈川・川崎市市民ミュージアムで開催される。

「ダゲレオタイプ」は、170年前にフランスで発明が公表された世界で最も古い写真技法。ダゲールが発明したこの技法は、ガラスやフィルムといった透明なものでなく、鏡のような金属板に像を作るため、焼増しが不可能な世界で1点だけの作品となる点が特徴だ。銀メッキを施した銅板を感光材として使うことから、日本語では「銀板写真」とも呼ばれている。

同展では、過去に制作されたダゲレオタイプの修復と、現代のダゲレオタイプを2部構成で紹介。1部では、写真修復家・三木麻里による、同館所蔵の『世界で最初に写された日本人の肖像』の修復作と、若手写真家・新井卓と三木が共同で制作したダゲレオタイプのレプリカ作品を展示する。2部では、新井が近年撮影した3シリーズ作品、『夜々の鏡(よよのかがみ)/Mirrors in Our Nights』『Daily D-Type Project(日々の銀板写真プロジェクト)』『Portraits of Us(私たちの肖像)』が発表される。

また、会期中には展示作家2人による対談や、写真古典技法ワークショップなどのイベントが開催される、同展で展示する修復されたダゲレオタイプのオリジナル原版が9月10日の1日限定で展示されるとのこと。デジタル写真が主流の現在、写真の古典技法見直しその新たな可能性を感じることができるだろう。

『ダゲレオタイプ 修復と表現』展

2011年7月9日(土)~10月10日(月・祝)
会場:神奈川県 川崎市市民ミュージアム アートギャラリー2
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(祝日を除く)および7月19日、9月20日
料金:無料

『三木真里・新井卓 対談』

2011年7月16日(土)15:00~16:00
会場:神奈川県 川崎市市民ミュージアム3F ミニホール
定員:30名(予約不要・当日先着)
料金:無料

『写真古典技法ワークショップ』

サイアノタイプ・青色の写真
2011年8月13日(土)、9月3日(土)全2回
バンダイクプリント・茶色の写真
2011年8月14日(日)9月4日(日)全4回
会場:神奈川県 川崎市民ミュージアム 体験学習室 写真制作室 中庭
時間:10:00~16:00
定員:20名(要申込)
料金:各2,000円

『学芸員による展示解説』

2011年10月8日(土)15:00~
会場:神奈川県 川崎市市民ミュージアム アートギャラリー2

(画像:『滝桜, 三春』ダゲレオタイプ 2011 193mm × 252mm)

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