黒が特徴的な作品を制作したアーティスト3人を取り上げた展覧会『BLACKS ルイーズ・ニーヴェルスン｜アド・ラインハート｜杉本博司』が、4月14日まで千葉・佐倉のDIC川村記念美術館で開催されている。
同展では、黒く彩色した艶消しの木製の箱状彫刻を制作したルイーズ・ニーヴェルスン、黒一色の抽象絵画を描いたアド・ラインハート、モノクロームの写真作品をシリーズで手掛けてきた杉本博司の3人を取り上げる。世代や出自、作品の技法やスタイルは異なりながらも、黒を作品の重要な要素として制作を続けた三者の作品を組みあわせることで、日常の喧噪とは正反対の異質で寡黙な世界を提示する。
同展で紹介されるのは、ニーヴェルスンの『夢の家 XXX』『スカイ・リフレクション』、ラインハートの『抽象絵画』『トリプティック』、杉本の『劇場』シリーズなど。同美術館の所蔵品をはじめ、国内外から集められた50点以上の作品を一度に見ることができる貴重な機会となる。
会期中には、彫刻、絵画、写真における黒をテーマにした講演会を開催。それ以外にも、昨年制作された杉本博司のドキュメンタリー映画『はじまりの記憶 杉本博司』の上映や、陶芸家の横山拓也が制作した黒い茶碗と、木工作家・新宮州三の黒い漆器で抹茶とお菓子を楽しむ企画『Tearoom in BLACKS』など、多くのイベントが予定されている。
『BLACKS ルイーズ・ニーヴェルスン｜アド・ラインハート｜杉本博司』
2013年2月2日（土）～4月14日（日）
会場：千葉県 佐倉 DIC川村記念美術館
時間：9:30～17:00（入館は16:30まで）
休館日：月曜日（2月11日は開館）、2月12日（火）
料金：一般1,300円 学生・65歳以上1,000円 小中高500円（2月15日はDIC株式会社の創立記念日につき無料）
出展作家：
ルイーズ・ニーヴェルスン
アド・ラインハート
杉本博司
講演会
『三次元における黒―素材、空間、色彩』
2013年2月23日（土）14:00～15:30
講師：梅津元（埼玉県立近代美術館主任学芸員・芸術学）
定員：各回先着60名（当日13:00より館内受付で整理券配布）
料金：入館料のみ
講演会
『黒いカンヴァス：マティスからラインハートまで』
2013年3月9日（土）14:00～15:30
講師：田中正之（武蔵野美術大学教授）
定員：各回先着60名（当日13:00より館内受付で整理券配布）
料金：入館料のみ
講演会
『闇と色彩 ― 写真と黒の関係』
2013年3月23日（土）14:00～15:30
講師：清水穣（同志社大学教授）
定員：各回先着60名（当日13:00より館内受付で整理券配布）
料金：入館料のみ
『映画上映会』
2013年2月16日（土）15:00～16:30
2013年2月17日（日）11:00～12:30
上映作品：『はじまりの記憶 杉本博司』（監督：中村佑子）
定員：先着50名（上映1時間30分前より館内受付で整理券配布）
料金：入館料のみ
『お茶席企画「Tearoom in BLACKS」』
営業時間：10:30～16:30
料金：一服800円
『クロストーク「寡黙な黒と饒舌な黒−黒をめぐる散歩」』
2013年2月24日（日）15:00～16:30
出演者：
広瀬一郎（西麻布「桃居」店主）
横山拓也（陶芸家）
定員：60名（13:30より館内受付で整理券配布）
料金：入館料のみ
学芸員によるギャラリートーク
2013年2月2日（土）、3月16日（土）、4月14日（日）
時間：14:00～15:00
※予約不要、エントランスホール集合
ガイドスタッフによるガイドツアー
講演会とギャラリートーク開催日を除く毎日14:00～15:00
（画像上：ルイーズ・ニーヴェルスン『夢の家 XXX』1972年 塗料、木材 180×67×36cm DIC川村記念美術館蔵 ©Estate of Louise Nevelson / ARS, New York /JASPAR, Tokyo, 2012 B0123、画像中：杉本博司『フィフス・アヴェニュー・シアター、シアトル』1997年 ゼラチン・シルヴァー・プリント 51×61cm DIC川村記念美術館蔵 ©Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi、画像下：アド・ラインハート『抽象絵画 No.34』1964年 油彩、カンヴァス 152×152cm サムスン美術館リウム蔵 ©AD REINHARDT / ARS, New York /JASPAR, Tokyo, 2012 B0144）
