赤堀雅秋作・演出『殺風景』は哀しい「喜劇」、主演はHey!Say!JUMP八乙女光

赤堀雅秋が作・演出を手掛ける舞台『殺風景』が、5月3日から東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーン、5月30日から大阪・シアターBRAVA!で上演される。

劇団THE SHAMPOO HAT全作品の作・演出を手掛けるほか、2012年には自身の代表作を映画化した『その夜の侍』で初監督を務めた赤堀雅秋。『殺風景』は、家庭の中で孤独と焦燥感を感じる次男の犯した犯罪を描く哀しく虚しい「喜劇」になるという。

家族の愛を渇望しながら犯罪に走る菊地家の次男・稔を演じるのはHey!Say!JUMPの八乙女光。さらに兄・直也を大倉孝二、母・マリを荻野目慶子、父・国男を西岡徳馬が演じるほか、被害者となるシングルマザー・大場節子役にキムラ緑子、家族と関係を絶っている菊地家の長女・道子役に江口のりこが名を連ねている。

赤堀雅秋のコメント

実際にあった凄惨な殺人事件が題材ですが、作品のキーワードはむしろ「家族」だと思っています。最近、犯罪関連で報道される家族像には、共通して狂信的で歪んだ関係性が存在するように僕には思える。家族は最も身近にあって互いを理解し、繋がり合っていて当然だという思い込み。それに反し現実には、個々人が埋めようのない距離を感じ、孤独に飢え乾いた状態にある。そこに生じる虚無と渇望に苛まれる人々を描き、最終的には舞台上に、喜劇として見える瞬間も現出させられたら、というイメージを今は持っています。八乙女さんとは初めてご一緒させていただきますが、トップ・アイドルとして活動しながら、他者に対して変に壁を作ることなくニュートラルに接することができる、その姿勢が一緒に芝居づくりをする仲間として信頼できると思いました。華やかな活動とは裏腹に、どこか自分の中にある根の暗さに自覚的なんじゃないか、と勝手に想像が膨らみました(笑)。大倉さんとは俳優同士での共演経験はありますが、演出家として向き合うのは今回が初めて。あの独特の佇まい、観客が絶対的な安心を持って観ていられる存在感は唯一無比の魅力。八乙女さんとの「兄弟」のバランスも良いと思うので、作品のために存分に力を貸してもらおうと思っています。

八乙女光のコメント

作・演出の赤堀さんとは、俳優として出演されている舞台『シダの群れ 港の女歌手編』を拝見したことが初対面の場でした。『シダの群れ』は任侠物で赤堀さんはヤクザ役。あまりの迫力と怖さに、家に帰って震えるほどでした(笑)。殺人事件を描く作品世界は非常にヘヴィーなものですが、考えてみると僕が初めてドラマ(『3年B組金八先生』)で演じたのは、虐待を受けていた薬物中毒の中学生という役。人間の暗部を演じることは難しいけれど、やりがいも大きく、さらに今回は喜劇的な要素も入るということで、そのハードルの高さに今からワクワクしています。また、音楽や歌のない舞台作品への出演は初めてのことなので、僕にとっては大きな挑戦になりますが、がむしゃらに、けれど楽しんで最後までやりきりたいと思っています!

大倉孝二のコメント

僕自身が赤堀作品とTHE SHAMPOO HATのファンなので、あの独特の世界観に自分が入るということを、今まで想像できませんでした。でも今回は赤堀さんのシアターコクーン初進出作品。「手伝って欲しい」と言われ、断れませんでした。赤堀作品の魅力を一言で言うなら“ダサい男気芝居”。人間のみっともなさを敢えてむき出しに描き、「みっともなくて何が悪い!」と逆説的に認めさせてしまう、あのエネルギーは他にないものだと思います。作品概要に「一家四人殺害事件」というへヴィーな単語を見た瞬間、「キタか……」と思いました。稽古から本番まで確実に憂鬱な春になりそう(笑)。でも僕は、人から与えられないと重く大きな課題から逃げるタイプなので、良い機会をもらったと覚悟を決めて臨みたいと思っています。

イベント情報

『殺風景』

作・演出:赤堀雅秋
出演:
八乙女光
大倉孝二
荻野目慶子
江口のりこ
近藤公園
大和田美帆
尾上寛之
太賀
福田転球
駒木根隆介
安藤聖
キムラ緑子
西岡徳馬

東京公演
2014年5月3日(土・祝)~5月25日(日)全27公演
会場:東京都 渋谷 Bunkamuraシアターコクーン
料金:S席9,500円 A席7,500円 コクーンシート5,000円

大阪公演
2014年5月30日(金)~6月2日(月)全6公演
会場:大阪府 シアターBRAVA!
料金:S席9,500円 A席8,000円

(画像上:大倉孝二 ©江森康之、画像下:荻野目慶子 ©江森康之)

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