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『第18回 文化庁メディア芸術祭』の受賞作品発表、国内外の3,853点から選出

文化庁メディア芸術祭実行委員会による『第18回文化庁メディア芸術祭』の受賞作品が発表された。

今年度は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に、71の国と地域から3,853作品の応募が集まった。

アート部門の優秀賞に選出されたのは、五島一浩による『これは映画ではないらしい』、坂本龍一/真鍋大度による『センシング・ストリームズ―不可視、不可聴』、オランダのルーベン・パーテルによる『Drone Survival Guide』、スイスのCod.Actによる『Nyloïd』、福島諭『《patrinia yellow》for Clarinet and Computer』の5作品。大賞作品は「該当なし」となった。

エンターテインメント部門の大賞に輝いたのは、Google's Niantic Labsのゲームアプリ『Ingress』。位置情報と実際の地図機能を使用したシンプルかつ大規模なシステムにより、現実世界との新たな出会いを提供した点などが受賞理由として挙げられている。

アニメーション部門の大賞は、ロシアのアンナ・ブダノヴァによる短編アニメーション『The Wound』。作品の完成度に加えて、心の傷を追った少女と、傷が具現化した毛むくじゃらの生き物・ウーンドの友情を描いた物語も高い評価を獲得した。また、日本からは『映画クレヨンしんちゃん「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」』『ジョバンニの島』の2作品が優秀賞に輝いた。

マンガ部門の大賞は、近藤ようこが津原泰水の短編小説を漫画化した『五色の舟』。太平洋戦争末期の広島を舞台にした幻想的なSF作品を漫画作品として昇華した手腕と、真摯な創作姿勢などが評価された。そのほか島本和彦『アオイホノオ』、李昆武とフィリップ・オティエ、訳・野嶋剛の『チャイニーズ・ライフ』、沙村広明の『春風のスネグラチカ』、いがらしみきおと原作・山上たつひこの『羊の木』が優秀賞を受賞した。

また、功労賞には日本科学未来館のシンボル『ジオ・コスモス』『インターネット物理モデル』などを手掛けたエンジニアリングデザイナーの岩政隆一をはじめ、海外コミック作品を日本に紹介した映画・漫画評論家の小野耕世、精力的に後進の教育にあたり、日本のメディアアートに影響を与えたビデオアーティスト山本圭吾、『日本アニメーション映画史』などの著書で知られるアニメーション研究者・渡辺泰が選出された。

『第18回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展』は、2015年2月4日から2月15日まで東京・六本木の国立新美術館ほかで開催。会場では受賞作品や審査委員会推薦作品、功労賞受賞者の功績などを展示や上映、様々なプログラムを通じて紹介する。また、サテライト会場となるシネマート六本木、SuperDeluxeでは、アニメーション作品や映像作品の特別プログラムの上映、マンガ部門の全受賞作品が自由に閲覧できるマンガライブラリー、パフォーマンス作品の公演やプレゼンテーション、トークイベントなどが行われる。受賞者への贈呈式は2月3日に行われる予定だ。

イベント情報

『第18回 文化庁メディア芸術祭 受賞作品展』

2015年2月4日(水)~2月15日(日)
会場:東京都 六本木 国立新美術館
休館日:2月10日(火)
料金:無料

受賞作品

『第18回 文化庁メディア芸術祭 受賞作品』

アート部門
優秀賞
五島一浩『これは映画ではないらしい』
坂本龍一、真鍋大度『センシング・ストリームズ―不可視、不可聴』
Ruben PATER『Drone Survival Guide』
Cod.Act『Nyloïd』
福島諭『《patrinia yellow》for Clarinet and Computer』
新人賞
Anahita RAZMI『A Tale of Tehrangeles』
Ivan HENRIQUES『Symbiotic Machine』
Alex VERHAEST『Temps mort / Idle times - dinner scene』

エンターテインメント部門
大賞
Googleʼs Niantic Labs『Ingress』
優秀賞
下浜臨太郎、西村斉輝、若岡伸也『のらもじ発見プロジェクト』
近藤玄大、山浦博志、小西哲哉『handiii』
APOTROPIA『Kintsugi』
Hedwig HEINSMAN、Niki SMITS、Simon van der LINDEN『3RD』
新人賞
Florian BORN『Auto-Complain』
ドリタ/エアガレージラボ『Slime Synthesizer』
香月浩一『5D ARCHIVE DEPT.』

アニメーション部門
大賞
Anna BUDANOVA『The Wound』
優秀賞
高橋渉『映画クレヨンしんちゃん「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」』
西久保瑞穂『ジョバンニの島』
Santiago ʻBouʼ GRASSO『PADRE』
Jean-Charles MBOTTI MALOLO『The Sense of touch』
新人賞
朱彦潼『コップの中の子牛』
山田尚子『たまこラブストーリー』
JEONG Dahee『Man on the chair』

マンガ部門
大賞
近藤ようこ、原作:津原泰水『五色の舟』
優秀賞
島本和彦『アオイホノオ』
李昆武、フィリップ・オティエ、訳:野嶋剛『チャイニーズ・ライフ』
沙村広明『春風のスネグラチカ』
いがらしみきお、原作:山上たつひこ『羊の木』
新人賞
ルネッサンス吉田『愛を喰らえ!!』
阿部共実『ちーちゃんはちょっと足りない』
池辺葵『どぶがわ』

『第18回文化庁メディア芸術祭』ロゴ
『第18回文化庁メディア芸術祭』ロゴ
エンターテインメント部門大賞『Ingress』 Google's Niantic Labs(創業者:John HANKE)Photo: Google's / Niantic Labs
エンターテインメント部門大賞『Ingress』 Google's Niantic Labs(創業者:John HANKE)Photo: Google's / Niantic Labs
アニメーション部門大賞『The Wound』 Anna BUDANOVA ©Ural-Cinema
アニメーション部門大賞『The Wound』 Anna BUDANOVA ©Ural-Cinema
マンガ部門大賞『五色の舟』近藤ようこ/原作:津原泰水 近藤ようこ・津原泰水/KADOKAWA刊
マンガ部門大賞『五色の舟』近藤ようこ/原作:津原泰水 近藤ようこ・津原泰水/KADOKAWA刊
昨年度『第17回文化庁メディア芸術祭受賞作品展』の様子 提供:文化庁メディア芸術祭事務局
昨年度『第17回文化庁メディア芸術祭受賞作品展』の様子 提供:文化庁メディア芸術祭事務局
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