女性だけで演じる男子校の日常、趣向の舞台『男子校にはいじめが少ない?』

趣向のミュージカル『男子校にはいじめが少ない?』が11月2日から東京・花まる学習会王子小劇場で、11月11日と12日に神奈川・横浜ののげシャーレで上演される。

趣向は、劇作家のオノマリコによって2010年に発足した1人演劇ユニット。神奈川を拠点に、自作の上演や高校生との共同制作などを行なっている。

2014年にオノマによって執筆された『男子校にはいじめが少ない?』は全寮制の男子校を舞台に、高校生たちのユートピア的な日常を描く作品。これまでにリーディング公演とショートバージョンでの上演が行なわれており、今回初めて全編が上演される。

全役を女性キャストが演じる同公演。出演者には伊藤昌子、大川翔子、中谷弥生、本間玲音、飯塚ゆかり、三澤さき、小川碧水、窪田優、関森絵美、和田華子、清水那保が名を連ねる。なお清水は横浜公演のみの出演となる。演出を平田万里、音楽を後藤浩明、振付を小林真梨恵がそれぞれ手掛けるほか、横浜公演では生バンドによる劇伴演奏が行なわれる。チケットは現在販売中だ。

オノマリコのコメント

『男子校にはいじめが少ない?』を書いた当時、わたしは体育会系の女子校演劇部に稽古見学に行っていました。女子校の生徒たちは、わたしが想像していた「おしとやかなお嬢さん」ではありませんでした。下ネタが好きで、一発芸など笑いをとることに本気、小猿みたいにケラケラ笑う、ほとんど中学生男子と変わりません。それでいて男の子にまるで免疫がない!
わたしは当時、彼女たちがかわいくて仕方なく、彼女たちが少年の役をやり、同い年の男の子たちについて考えられるような戯曲があったらいいだろうなぁと思い、台本を書きました。そうして男子校で過ごす少年たちの物語と歌詞ができました。後藤浩明さんに作曲をお願いし、すてきな歌もできました。大人の俳優たちと一緒に、短編作品としての上演や、リーディングでの上演も果たしました。
それから二年経ちます。ご縁があって、岩手の高校生や、大阪の高校生とも演劇を行う機会を得ました。大阪の高校で一人の生徒を失いました。おそらく生きてはいますが、会えなくなってしまいました。子どもが大人になるには、ある程度のお金と支援と愛情が必要だということを知りました。
今公演は「大人の俳優(女性)が演じる男子校ミュージカル」です。男子校では女子の目を意識しなくていいから誰とでも仲良くできる、イジメやスクールカーストが起こりにくいという話から、ユートピアとして男子校を描いています。この戯曲を片手に、いま懸命に生きている「こども」と呼ばれる年齢の人たちに、「社会はぜんぜん君にやさしくないけど、少なくともわたしは君を愛している」と伝えたいと思います。(迷惑かもしれないけどね!)

イベント情報

趣向
『男子校にはいじめが少ない?』

作:オノマリコ 演出:平田万里 振付:小林真梨恵 音楽:後藤浩明 出演: 伊藤昌子 大川翔子 中谷弥生 本間玲音 飯塚ゆかり 三澤さき 小川碧水 窪田優 関森絵美 和田華子 清水那保(横浜公演のみ) 料金: 前売 一般3,200円 23歳以下2,000円 18歳以下1,000円 当日 一般3,500円 ※11月2日、11月11日のプレビュー公演は2,500円 ※リピーター割引2,500円 東京公演 2016年11月2日(水)~11月8日(火)全10公演 会場:東京都 花まる学習会王子小劇場 横浜公演 2016年11月11日(金)、11月12日(土)全3公演 会場:神奈川県 横浜 のげシャーレ
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