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『東京芸術祭』来年から2020年までの総合ディレクターに宮城聰が就任

宮城聰 撮影:新良太
宮城聰 撮影:新良太

『東京芸術祭』の2018年から2020年までの総合ディレクターに宮城聰が就任することが発表された。

『東京芸術祭』は昨年にスタートした舞台芸術祭。東京の芸術文化の魅力をわかりやすく見せると同時に、東京における芸術文化の創造力を高めることを目指しており、今年は9月から12月に開催される予定だ。

宮城の選考理由についてアーツカウンシル東京の発表では、SPAC-静岡県舞台芸術センターの芸術総監督や『ふじのくに⇄せかい演劇祭』のディレクターとしての経験に加え、海外公演の成功などによる知名度と国際的なネットワークを持っていること、高いプレンテーション能力があることなどが挙げられている。

宮城は『東京芸術祭』総合ディレクターの就任にあたり、「1つ目は、囲いがなく外からも覗くことができるところで超一流のクオリティをもった作品を上演し、人が集まる場をつくること。2つ目は、かつてのパリやニューヨークのようにアジアの若い人たちが東京に行ってみたいと思うような発信をすること。そして3つ目は、東京と地域の連携を考えるということ。2020年の東京オリンピックが東京の一極集中を加速させることにならないよう、芸術ができることを考えていきたい」と意気込みを語っている。

宮城聰のコメント

ここ2、3年の世界の状況が、1930年代と似ていると感じざるを得なくなってきた。いわゆる「分断」、社会の“裂け目”が露呈するようになり、世の中の過半のひとが、何か「割りを食っている」という疎外感を覚えているように思う。そして同時に「どこかに得をしている連中が居るはずだ」と、憎悪の対象を探している。これは1930年代のドイツの状況に似ている。そして当時のドイツでは、意外にも公立劇場が「得をしている連中=既得権の側」にいると見なされていたのだが、現在の東京の演劇界も、それと同じような状況なのではないかと危惧している。
「分断」の中身は、しばらく前までは、豊かな国と貧しい国、搾取している国とされている国、経済植民地にしている国とされている国、という南北問題に帰趨される対立であったが、最近ではひとつの国の中、比較的先進国と言われていた国の中に分断がある。
そんな現代の東京でどのような芸術祭が成り立つのか。どういう役割を果たせるのか。これまでと違うアプローチが必要だろう。そのためには「国内」「国際」「地域」の面から考え、光を当てていきたい。
1つ目は、囲いがなく外からも覗くことができるところで超一流のクオリティをもった作品を上演し、人が集まる場をつくること。2つ目は、かつてのパリやニューヨークのようにアジアの若い人たちが東京に行ってみたいと思うような発信をすること。そして3つ目は、東京と地域の連携を考えるということ。2020年の東京オリンピックが東京の一極集中を加速させることにならないよう、芸術ができることを考えていきたい。

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