クルト・ヨース振付『緑のテーブル』が再演、戦争の破壊力の無能さ表現

スターダンサーズ・バレエ団による公演『緑のテーブル』が3月30日、31日に東京・池袋の東京芸術劇場 プレイハウスで上演される。

同バレエ団の企画『Dance Speaks』の第2部で上演される『緑のテーブル』は、ピナ・バウシュの師匠でもあるクルト・ヨースが振付を手掛け、1932年に初演された作品。身勝手な指導者たちの衝突、戦争を利用する者の暗躍、それに振り回される兵士やその家族の葛藤など、戦争の破壊力の無能さを表現する。約14年ぶりの再演となる今回は、2台ピアノによる生演奏で上演。

第1部ではジョージ・バランシンの振付による『ウェスタン・シンフォニー』を上演。総監督の小山久美によるプレトークも行なわれる。チケットは現在販売中。

サー・ピーター・ライトのコメント

クルト・ヨースの偉大な作品「緑のテーブル」を上演するスターダンサーズ・バレエ団を、心より賞賛します。私自身、1939~45年の世界大戦中、クルト・ヨース率いるヨース・カンパニーにおいて本作に登場する「旗手」を踊ったこともあり、当時の記憶は今でも鮮やかに蘇ります。
指導者たちの議論はやむことがなく、被害者たちは死に誘われ、語られるのは戦争の無益さです。
そしてその議論は、今日もなお続いているのです。

西島数博のコメント

この作品に初めて出会った時、驚きに心を弾かれたことを今でも覚えています。1932年パリで初演された『緑のテーブル』は、第1次世界大戦後、まだ世界中が不安な空気に染まっていた頃に創作されて、反戦というテーマを持つこの作品を、今を生きるダンサー達がどのような感性で演じ、どのようにお客様へ伝えることになるのか、とても興味深く感じています。ピアノが持つ繊細な旋律のなかで、舞台中央にある緑のテーブルと怪しげな仮面の男たちの身体表現は、かなり衝撃度が高く強いインパクトを与えます。
平和会議という緑のテーブルですが、とても恐ろしい企みに見えるこの作品、スターダンサーズ・バレエ団が伝える強烈なメッセージを受け取り感じてほしいと思います。平成が終わり新たな時代が来る年にまたひとつ考え深い上演になると期待しています。

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