吉増剛造と空間現代による展示『背』が、1月18日から京都・外で開催される。
これまでに国内外で共演を重ねてきた吉増剛造と空間現代による初の展示作品『背』を紹介する同企画。昨年11月に開催された『背』プレパフォーマンスのライブ音源を収録したカセットテープも発売する。
本日1月17日にはオープニングパフォーマンスを開催。時間や料金などの詳細は外のオフィシャルサイトをチェックしよう。
野口順哉(空間現代)コメント
文字と音、それぞれの「背」は何かと考えてみる。詩と音楽が異なるジャンルとして捉えられるのと同様に、文字と音もそれぞれ独立した存在と考えるならば、背は二つあるのが道理だろう。しかしひょっとすると、両者にとっての背は共通したものなのではないだろうか。つまり、背中合わせだ。そしてその合わさった背の接点・領域を、もしかしたら「言葉」という言葉で言い表せるのではないか。もちろんそれは、発声された文字という意味ではなくて、もっと無形の、抽象の、存在としての言葉。
吉増剛造はきっと文字と音と声を、光と物と行為を、常に背中合わせの存在として捉えている。そして、その合わさった背面にある「言葉」という領域に足を踏み入れようとし、手を伸ばそうとしている、そんな詩人なのではないだろうか。
詩と音楽の背は、互いに互いの背を追い求め、見る/聴く者もまた自らの背に目を向ける。そのような作品になればよいと願う。