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新井英樹、マヒト、望月衣塑子らのコメント公開 映画『ワンダーウォール』

映画『ワンダーウォール 劇場版』に寄せられたコメントが発表された。

4月10日から公開される同作は、2018年にNHKで放送されたドラマ『ワンダーウォール』の未公開カットを含むディレクターズカット版。100年以上の歴史を持ち、老朽化した京都の学生寮「近衛寮」の補修存続を主張する学生たちと、建て替えを主張する大学側の間に、両者を分断する「壁」が立つというあらすじだ。出演者は約1500人のオーディションから選ばれた須藤蓮、岡山天音、三村和敬、中崎敏、若葉竜也、成海璃子ら。岩崎太整が音楽、渡辺あやが脚本を手掛け、前田悠希がメガホンを取った。

コメントを寄せたのは新井英樹、伊賀大介、望月衣塑子、マヒトゥ・ザ・ピーポー、深田晃司、枡野浩一、ヴィヴィアン佐藤。

発表とあわせて新たな場面写真が公開。須藤蓮演じるキューピー、中崎敏演じる三船、成海璃子演じる香、三村和敬演じるマサラなどのソロショットとなっている。

新井英樹のコメント

気付かれもせずホメられもしないこと。得じゃなく損するのをわかっていながら譲れないこと。動かし難いもの。
ただそれを頭に浮かべるだけで胸がいっぱいになって笑みや涙が零れること。理に適わず何も見えず聞こえず感情の迷子のように上手く言葉にならないこと。わかりやすく数値化できないこと。本当はそれを身近に触れて向き合いたい分かち合いたいだけなのに上手くいかずに耐えてじりじりしてしまうこと。
そんな風になるのは壁があるからか?なら、その壁はどんなか?どんな素材で出来ているか?どんなイメージで受け止めているか?なぜ壁としたのか?それは本当に壁なのか?壁が生むものが悩みや苦しみならそれは恋をするに値する。壁を壊さなくても向き合い寄り添うこともできる。軽やかに柔らかに乗り越えることも面白い。やり方は、人それぞれ。楽しんだっていい。そう思える誰かといっしょならなおさらだ。おそらく人に受け継がれてる「わからないけど好き」という気持ち「それでも止まらない留まれない」という気持ち「なぜだか大切にしたい」という気持ち言葉にはならないけど、見合う言葉がないので辛うじて「想い」と書くけど、そんな「想い」を描く物語こそボクも「ラブストーリー」と呼びたい。

伊賀大介のコメント

バイアス、格差、ATフィールド。
とかく「壁」だらけのこの世の中で、どーしても貴方と貴女とあなたに観て感じて欲しい、彼らの姿と沢山のメロディーたち。
取っ払うのは難しいだろう。だが、お互いよじ登って壁の上で並んで座る事は出来ないか!?

望月衣塑子のコメント

「案外ここには人間の幸福にとってすごく大切な何かがある」
経済至上主義がはびこる世界で、私たちは、人間の幸福にとって大切な何かを忘れ去ろうとしてはいまいか。果たして、それは忘れていいものなのか。
「多様性の尊重」「話し合いの原則」「まとまりのない集団」。
近衛寮を象徴するこの言葉は、現代を生きる私たちにとって不必要な代物だろうか。映画は、そう何度も問いかけてきた。

マヒトゥ・ザ・ピーポーのコメント

もしも、あの寮が消える未来なら、わたしもいずれ消えるだろう。
生産性という病魔に犯された現代において、最後の良心のように存在するあの寮は愛しい。
わたしたちはあの乱雑から優しさを見いだすチューニングを時代とこの映画から要求されている。
あの寮はわたし。

深田晃司のコメント

この映画には葛藤がある。むしろ葛藤しかない。それは決してドラマトゥルギーの欠陥ではなく、社会と向き合い表現を営む作り手たちの信頼すべき誠実さであり、この映画の美しさはそこにこそあると言える。
特に二つの点においてこの作品を人に薦めたい。100年以上も続くコミュニティの過去と現在をその眼差しで立ち上げた俳優たちの充実した仕事に。もうひとつは、国立大学を舞台に、組織の論理、体制の論理、日本で当たり前とされる経済の論理に批判的に対立する視点を、まさに「公共」によって作られた映画が正面から掬い取ったということ。それは表現の多様性のあるべき姿だ。本来、こんなことで褒めるなんて映画にも作り手にも失礼な話だが、「こんなこと」でさえ当たり前ではない日本社会において、『ワンダーウォール劇場版』が上映され鑑賞される意義はとても大きい。

枡野浩一のコメント

たのしそうな寮だなあ。「なくなるかも」という予感もない時代の、この寮に住んでみたかった。青春とは屈辱であるというのが持論で、その意味で本作はど真ん中の青春映画だ。「私のこと人間扱いしてください!」と泣きながら叫んだことがあるのですが、その夜の気温を思いだしました。

古泉智浩のコメント

京都の風景から始まるのでお高い話かと思ったら、今51歳の僕が若いころに憧れた70年代の学生の暮らしをしている若者が現在もいることに驚いた。その学生寮では敬語禁止で雑魚寝、プライバシーがほぼないような雑な生活ぶり、あまりの魅力に抜け出せなくなりそうな恐怖すらある。暮らしの全てが凝縮されたような音楽が素晴らしい。もう一度人生をやり直せるなら猛烈に勉強してあの寮に入ってみたい。しかし頭の悪さはどうしようもなく、僕には見果てぬ夢だ。

ヴィヴィアン佐藤のコメント

社会には何処にも属さない分類不可能なアジールという空間が必要だ。近衛寮はその象徴だ。歴史的遺産や価値は建前で、その闘争は存続という社会に向けてではなく、自身に向けての成長過程の通過儀礼だ。稚拙で茶番に見えるかも知れない葛藤は、遅延や宙吊りを視覚化した美しい不安定な結晶だった。

 

『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
『ワンダーウォール 劇場版』 ©2018 NHK
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