七尾旅人が戦死兵演じる『兵士A』、アップリンク・クラウドで配信スタート

七尾旅人のライブ映像作品『兵士A』が、アップリンクが運営するオンライン映画館「アップリンク・クラウド」で本日5月29日から配信されている。

約3時間に及ぶ同作は、七尾旅人の同名公演の模様を河合宏樹が撮影・編集した作品。断髪し、自衛官の扮装をした七尾は、「近い将来この国に数十年ぶりに現れるかもしれない」1人目の戦死兵・兵士Aを演じており、約100年間のスパンで物語を描いている。公演当日の演奏には梅津和時、舞台映像にはひらのりょうが参加した。視聴料金は500円で、ストリーミング期間は72時間。

なお、東京藝術大学国際芸術創造研究科が主催するオンライン展示会『Alter-narratives―ありえたかもしれない物語―』が6月1日から特設サイトで開催。東京藝術大学の学生が『兵士A』の素材を使用し、『Fragments of Soldier A』として新たな表現に挑戦している。

七尾旅人のコメント

COVID-19によってライブ自粛を余儀なくされて以来、アップリンク・クラウドで世界中のさまざまなリアリティを映し出した作品群に触れることが、自分の僅かな楽しみのひとつとなり、この壁の向こう側と接続する、得難い機会にもなっていたので、今回「兵士A」がそのライブラリに加わったことを、心から嬉しく思っています。
また以前のように、街角のライブベニューや映画館が、作品と受け手の間に生じる想像力で、満たされるその日まで。
実際の観客収容キャパシティを遥かに超えた、つよい想像力で、満たされるその日まで。
それぞれのデバイスを小さなスクリーンに変えて、すぐ隣りにあるもうひとつの現実の中へ、足を踏み入れてみて下さい。
存在と存在の狭間にそびえる強固な壁に、なんとか一筋の亀裂をいれようと試みるさまざまな表現と、それを希求してやまない人々に、祝福がありますように。

• 『兵士A』アップリンク・クラウドで配信中