「Clubhouse」認知度が上昇 一方で10代や20代の「使ってみたい」は減少

音声SNSアプリ「Clubhouse」が日本で広まり始めてから約3週間。完全招待制、アーカイブを残さないリアルタイム音声配信のみという限定的な機能に加えて、Clubhouse内での会話の録音やメモなども禁止するという利用規約によって、いっそうクローズドなコミュニティーを形成しつつある。著名なアーティストやミュージシャン、タレント、お笑い芸人なども利用を開始し、日夜おしゃべりを繰り広げている。2月5日にはClubhouse内でのやりとりをもとにした楽曲“TAAR & ANIMAL HACK - Clubhouse (feat. CHICO CARLITO, 青山みつ紀) ”もリリースされている。

「音声版Twitter」とも評されるClubhouseだが、多大な影響力を持ち、日常の風景となったTwitterに並ぶサービスとなりうるのだろうか? Clubhouseの認知度を調査するアンケート結果を「LINEリサーチ」が発表した。

1月末からClubhouseの認知度に関する調査を行なっているLINEリサーチ。初回調査は1月末、2回目は2月6日、3回目は2月13日に実施された。調査対象は日本全国の15歳~59歳の男女。有効回収数は1052サンプルとしている。

Clubhouseの認知度は66%。初回の19%、第2回の52%からさらに上昇したが、初回と2回目ほどの飛躍的上昇は見られなかった。

音声SNS「Clubhouse」の認知率 推移
音声SNS「Clubhouse」の認知率 推移

年代別の認知率は10代や20代の認知度が高かった2回目に比べて、30代が大きく上昇した。

利用経験率は6%。10代は11%、20代は13%、30代は6%となった。

音声SNS「Clubhouse」の利用経験率 年代別推移
音声SNS「Clubhouse」の利用経験率 年代別推移

今後利用意向は「使ってみたいと思う」が25%、「使ってみたいと思わない」が55%となり、前回調査と大きな変動はなし。年代別に見ると、10代、20代の利用意向が減少し、30代の利用意向が増加している。

音声SNS「Clubhouse」の利用意向の推移
音声SNS「Clubhouse」の利用意向の推移

音声SNS「Clubhouse」の利用意向者の割合 年代別推移
音声SNS「Clubhouse」の利用意向者の割合 年代別推移

現在利用している人の今後利用以降は「使いたいと思う」が68%。「使いたいと思わない」は16%となった。今後も使いたい人の意見としては「好きなアーティストや著名人などが話してくれたとしたら、聞いているだけで楽しいから」「日本だけじゃなく、世界の色んな話が聴けるから」といった意見があるが、今後は使いたいと思わない利用者からは「面白くない」「使い方がよく分からない」「時間が拘束される」といった意見があったとのこと。

【利用者】音声SNS「Clubhouse」の今後利用意向
【利用者】音声SNS「Clubhouse」の今後利用意向

Clubhouse認知者が興味のあるルームのジャンルは、「芸能人・有名人」が約26%。続いて「音楽」「友だち/知り合いが話しているルーム」。Clubhouse利用者が興味のあるルームのジャンルは「知識・教養・教育」で42.1%。続いて「音楽」「芸能人・有名人」となる。

【利用者】興味のあるルームジャンル ランキング
【利用者】興味のあるルームジャンル ランキング

【認知者】興味のあるルームジャンル ランキング
【認知者】興味のあるルームジャンル ランキング

そのクローズド性やアーカイブを一般閲覧できないというリアルタイム性の高さから、「ここだけの話」がしやすいと言われるClubhouse。気軽に様々な人の話を聞くことができるというメリットもある。コロナ禍で家族以外とのコミュニケーションを取る機会が減った人たちにとってはありがたいアプリだろう。一方で、アーカイブされないことによって無責任な発言や配慮に欠けた発言、差別的言動などの温床となりやすく、実際にトラブルが発生していることも報告されている。またその場での発言の可否がモデレーターの裁量に依っているため意見や反論がしづらく、一方的な議論になりやすいといった側面もある。Clubhouseの人気が一過性のものか、それともTwitterのように日本にローカライズされ、独自性を獲得していくのか。今後も注目したい。

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