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外国人労働者たちの実話をもとに描く『海辺の彼女たち』に池松壮亮らが賛辞

『海辺の彼女たち』 ©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films
『海辺の彼女たち』 ©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films

日本・ベトナムの共同製作映画『海辺の彼女たち』に寄せられた著名人コメントとコメント予告編が到着した。

5月1日から公開される同作は、『僕の帰る場所』で『東京国際映画祭』アジアの未来部門グランプリを受賞した藤元明緒監督の長編2作目。技能実習生として働いていたアン、ニュー、フォンの3人のベトナム人女性は過酷な職場からの脱走を図り、不法就労という状況に怯えながらも故郷にいる家族のため、幸せな未来のために懸命に働き始めるというあらすじだ。藤元監督はかつてミャンマー人技能実習生から受け取ったSOSメールをきっかけに同作の着想を得て、実際の技能実習生や来日後に失踪した当事者、彼らを支援しているシェルターなどでの取材を重ね、脚本を執筆したという。

コメントを寄せたのは、池松壮亮、伊藤詩織、小田香、戸田ひかる、村山匡一郎。

コメント予告編には、同5人に加えて、セミフ・カプランオール、キキ・フォン、ロベルト・クエト、矢田部吉彦、大槻貴宏のコメントが使用されているほか、女性が雪の降る中を歩く長回しのワンシーンが映し出されている。

池松壮亮のコメント

暗闇から、音が聞こえる。
音が静かに暗い冬の街に溶けてゆく。
波の音、風の音、ストーブの音、
異国からやってきて、迷うまいと彷徨う女性達の雪を鳴らす足音、彼女たちの吐息。
音が、世界の一部となって溶けてゆく。
この世界に形を変えて残り続ける格差という奴隷制度。
彼女たちは労働者ではない、ただ生きている。海辺の彼女たちは、それぞれが人生の少ない選択肢の中から最善を選んで日本で暮らしている。この同じ空の下で長い間放置される現実に、胸がはち切れそうになる。
事実とリアリズムに徹しきり、硬い意志をもった意義深いこの作品を世に送り出す監督スタッフ、そして海辺の彼女たちに、心からの拍手と祝福を贈りたい。

伊藤詩織のコメント

彼女達はどうしてそこにいるんだろう。どうしてこんなにも真っ直ぐなのだろう。弟の進学を夢見る姉、親に楽をさせたいと願う娘。その願いを消費する仕組みを作っているのは紛れもなく日本社会だった。彼女達があなたの姉だったら、娘だったら、人として扱われ、自分を生きて欲しいと願うだろう。真摯に彼女達と向き合わせてくれるこの映画に感謝する。

小田香のコメント

ほぼ毎日商店街の鮮魚屋やスーパーで、安くて美味しそうな魚があるかなと見に行く。特価品やお買い得!というシールに胸踊りながら、その安さがなにを物語りえるか、考えたことはなかった。市場から仕入れられ、店頭に並ぶ魚貝は、彼女たちによって仕分けられたのではないか?ふっとそんな可能性を思った。北の場所が彼女たちに与える現実は、日本のいち部分の出来事、ではない。あの現実は、私の現実に確かに繋がっている。無数の、このような繋がりこそが表しているものはなにか。わたしが住む国/我々が身を置く共同体。カメラが4人目の「彼女たち」となり、観る者と共振する。「彼女たち」は名無しではない。フォンさん、アンさん、ニューさん、そして藤元明緒さんとスタッフの人たちが協働して生んだ『海辺の彼女たち』という眼差し。ひとつづきの現実に、観客の我々も生きている。

戸田ひかるのコメント

窮地に立たされた彼女たちは、前に進む足を止めない。
遠く離れた地で、家族を想い、将来を語り、肩を抱き合い、彷徨いながらも、ギリギリに乗り込む電車やフェリー。
岐路に直面した彼女たちの行く先は、社会の向かう方向によって左右され、私たちの住む町にたどり着く。病院で、バス停で、道端ですれ違う誰かなのかも知れない。隣に乗り合わせたような、そんな感覚と共に彼女たちの物語に入っていく。生命の熱を感じる映画。

村山匡一郎のコメント

「技能実習生」という名のブラック労働が一部で取り沙汰される日本。異国の地で働くベトナム人女性3人の姿を通して、彼女たちの心の世界が生々しく浮き彫りにされる。「技能実習生」の実態を描くレポートとは真逆に、彼女たちの目線に焦点を当てながら、フォン、アン、ニューそれぞれの内面に伴走する映像には、『僕の帰る場所』に続く藤元明緒監督の日本を含めたアジアへの優しく鋭い視線が注がれ、見る者の心を惹きつける。

『海辺の彼女たち』 ©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films
『海辺の彼女たち』 ©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films
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