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映像作品の企画展『Try the Video-Drawing』に林千歩、小林勇輝、大木裕之ら

『Try the Video-Drawing』ビジュアル
『Try the Video-Drawing』ビジュアル

企画展『Try the Video-Drawing』が5月14日から東京・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYで開催される。

林千歩と西田編集長の共同企画となる同展には、「映像で何ができるか」という課題と対峙し、社会的な問題を含めて問い続けている泉太郎、大木裕之、岡田裕子、オル太、小林勇輝、小宮りさ麻吏奈、田村友一郎、林千歩が出展。全作品が「3分以内(推奨)」の映像となり、ペインティングでいうところのドローイングのように、映像にとって最も根源的な表現性と可能性を示すグループショーになるとのこと。ビジュアルデザインは阪本あかりが担当。

林千歩のコメント

映像はつくれないのに、増えていくのはアイデア帳のドローイングだけ──。私は、2019年の森美術館「六本木クロッシング」での発表以降、ここしばらく新作の発表ができていませんでした。これまで、私は、感受性から作品をつくってきて、だから、なんでこれをつくったのか、と尋ねられても言語化が難しく、でも何の意味がないのかと言ったらそうではなく、自分は、言語化ではなく、イメージ化で作品をつくってきました。でもあるときから、言語化と感受性を絡めて、求められる言語化にも応えようとして、バランスを崩していました。私はこれまで「変身」をキーワードとして「なぜ変身するのか」という自分の動機や衝動性を掘り下げる作品を、主に映像で発表してきたアーティストです。「美と醜」「老いと若い」「男性と女性」など対極にあると考えられるもの同士を繋げ、同等のものとして扱う、不可能を可能にする「変身」の効果を表現してきました。そして今回、こうした葛藤を自覚しているからこそ試みるのは、自分のなかにある、アーティストとしていまこの時期にこういうことをするべきだという悩みと、一人の人間としての人生の悩み、この対極の悩みを繋げることです。そして、その方法として選択したのが、自分にとって小さいときから悩みを抱えずに描きつづけている、現実さえ超える想像力をもつドローイングの感覚、これを起点に、映像を制作することでした。今回の企画は、私個人の葛藤から着想がはじまったものですが、そのなかで得た、ドローイングの感覚からだからこそ、映像作品に対しての制作の本質や動機や衝動が垣間見られることの可能性、それを広く共有したいと強く思い、今回の企画には、私が年齢や実績に関わらず尊敬するアーティストのみなさんを、共同企画者の西田さんと相談して、お誘いさせていただきました。私にとっては、約4年ぶりとなる新作の映像の発表となります。みなさんとご一緒できることを心より感謝いたします。

西田編集長のコメント

本展の出展作家は、こうした林の想いに賛同していただいた方々であり、また、キュレーターとしての自分にとっても、アーティストとの共同において、こうした葛藤は、自らが担う役割ではないと無意識に外部化していたことに気付かされた契機となり、特にこと表現の根源の探求という意味において、強く共感し、まだ言語化できないことにこそ寄り添わねばならないと改めて深く思い知る出来事となりました。映像という表現が、ひとつの形式として、作家にとっても鑑賞者にとっても定着したいまだからこそ改めて立ち戻る、映像制作への原初的な初期衝動に是非ともご注目ください。

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