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小池博史の9年間の集大成、叙事詩『マハーバーラタ』全編舞台化 8月上演

小池博史演出、脚本、振付、構成の舞台『完全版マハーバーラタ~愛の章』が8月20日から、『完全版マハーバーラタ~嵐の章』が8月21日から東京・なかのZEROで上演される。

文化庁主催事業となる両公演は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの関連事業『東京2020 NIPPONフェスティバル』共催プログラム。小池が2013年から取り組んできた、「世界三大叙事詩」の1つとされるインドの『マハーバーラタ』完全舞台化の集大成となる。

前編の『完全版マハーバーラタ~愛の章』ではバラタ族のクル家とパーンドゥ家の対立、後編の『完全版マハーバーラタ~嵐の章』では対立が悪化して大戦争が勃発し、やがてバラタ族が消滅するまでを、ラップミュージック、映像、アニメーションを取り取り入れて描く。前後編の上演時間は約6時間。1985年にピーター・ブルックが『マハーバーラタ』全編を舞台化しているが、アジア人による全編上演作品は世界初とのこと。

出演者はリー・スイキョン、小谷野哲郎、パムンカス・ダナン、カンパ・ロンナロオン、川満香多、プルノモ・スルヨ、土屋悠太郎、シヌンヌグロホ・ヘルマワン、ムーンムーン・シン、福島梓、ウェオダオ・シリスーク、今井尋也、川野誠一。日本、インド、インドネシア、タイ、マレーシアの伝統舞踊家やコンテンポラリーダンサーなどを起用しており、舞台上でそれぞれの土地の言語や演劇、舞踊の様式といった多様な身体表現を融合させながら「相違の調和」から生まれる豊かさを表現すると共に、『マハーバーラタ』の物語を通して「平和とはなにか」「共生社会のあり方」「多様性の可能性」を提示するという。

音楽をアリエンドラ・イェヌ、チャンドラン・ベヤトゥンマル、藤井健介、下町兄弟、演奏を下町兄弟、今井尋也、Taku Hosokawaが担当。映像を飯名尚人、アニメーションを青山健一、衣装を浜井弘治、アティンナ・リズキアナ、美術を栗林隆、ティモテアス・アンガワン・クスノ、フィロス・カーン、ARSマネジメントが手掛ける。チケットは現在販売中。

小池博史のコメント

時代は、新たな方法を探る必要性を訴えています。消費に基づいた文化の形ではなく、新しい共有の場を生み出しつつ、多様な豊かさを認識させるような場でなければ、今後の社会は持続しないでしょう。つまりそれは見たことのない哲学の場の創出でもあります。そして「完全版マハーバーラタ」は、その実践です。通常なら相容れない古典アーティストが結集し、多様な統合による変質化によってしか立ち現れ得ない形を生み出すのです。まるで陶芸のように、溶剤を塗って焼くことにより画期的な新色が現れ出るのと同じ「変容」がそこにはあります。ましてやこのコロナの中、アジア中からトップアーティストがやって来て、2週間の隔離を経てなお、新たな形を生み出したいとする意思の在り処に、深いものを見ざるを得ません。

アレックス・カーのコメント

小池さんは強烈な情感と優雅かつスピーディーな振り付けにより、難解な部分を超越、直に観客に「マハーバーラタ」の真髄を伝えてきます。そしてアジアの優れた俳優、舞踊家の才能と技術を絶妙に調和させ、奇妙な、美しいタペストリーを織りあげるのです。今後、遠い未来まで、この「マハーバーラタ」を超える作品は生まれないかも知れません。稀にみる傑作だと思います。

『完全版マハーバーラタ〜愛の章/嵐の章』ビジュアル
『完全版マハーバーラタ〜愛の章/嵐の章』ビジュアル
『Endless BRIDGE 〜マハーバーラタ完全版』インドネシア公演から
『Endless BRIDGE 〜マハーバーラタ完全版』インドネシア公演から
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