ソ連全体主義社会のその後の世界を描く映画『DAU. 退行』8月公開 予告編

映画『DAU. Degeneration』の邦題が『DAU. 退行』に決定。8月28日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほかで世界劇場初公開される。

ロシアで上映禁止となった同作は、「史上最も狂った映画撮影」と呼ばれた「DAU」プロジェクトの第2弾。1万2千平米の秘密研究所のセット、オーディション参加者約40万人、衣装4万着、主要キャスト400人、エキストラ1万人、撮影期間40か月、35mmフィルム撮影のフッテージ700時間、制作期間15年以上によって、ソ連全体主義社会の再現を試みた映画『DAU. ナターシャ』の続編で、スターリン体制下の1952年から10年以上が経過した1966年から1968年を舞台に、年老いた天才科学者レン・ダウのもと科学者たちが「超人」を作る実験を繰り返す研究所内部に入り込み、人間たちの生活を映し出す。

前作の主人公ナターシャに拷問を行なったKGB捜査官ウラジーミル・アジッポが少将に出世し、メインキャストとして登場。上映時間は369分で、ダンテ・アリギエーリ『神曲』の『地獄篇』で描かれた9つの地獄の層にちなんだ9章で構成されている。R18+指定。

今回の発表とあわせて予告編とポスタービジュアルが公開。予告編では「共産主義は宗教だ。マルクス、レーニン、スターリンへの信仰。この宗教では進化のために退化し――革命のために破壊せざるを得ない」という言葉をはじめ、アジッポが研究所の所長に「昔なら黙って銃を渡したが幸い時代が違う。いますぐ辞表を書くがいい」と迫り、彼自身が新所長に就任する場面、アジッポが次第に特別実験グループと呼ばれる被験者の若者たちと親しくなっていく様子、柳下毅一郎の「十年に一度の衝撃!」というコメントなどが確認できる。

ポスタービジュアルには、アジッポと優生学をもとにした特別実験グループの被験者マクシム・マルツィンケビッチの顔を組み合わせた写真が使用されている。

共同監督を務めたイリヤ・ペルミャコフは、「国家が社会的に荒廃していく状況が迫ったときに、どのように気づき、対処するかを、映画という媒体を通して学ぶことはとても重要だと思います。本作は、権力の上層部が超過激派達と、どのように関わっているかという問題を扱っており、単に分析するだけでなく、これらの状況を見たときに皆さんに深く感じてほしいのです」と語っている。

作品情報

『DAU. 退行』

2021年8月28日(土)からシアター・イメージフォーラムほかで公開
監督・脚本:イリヤ・フルジャノフスキー、イリヤ・ペルミャコフ 出演: ウラジーミル・アジッポ ドミートリー・カレージン オリガ・シカバルニャ アレクセイ・ブリノフ 上映時間:369分 配給:トランスフォーマー
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