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Emerald×環ROYのコラボをレポ 最新機材で生演奏もかなり進化

YAMAHA
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:伊藤惇 編集:木村直大
Emerald×環ROYのコラボをレポ 最新機材で生演奏もかなり進化

MONTAGE、EAD10、VKB-100、それぞれの機能の活用

MONTAGEは新音源システム「Motion Control Synthesis Engine」によって、滑らかでダイナミックな演奏表現、多彩なサウンドメイキングを可能にした、YAMAHAのフラッグシップシンセサイザー。生演奏のBPMを自動検出し、モーションシーケンサーやアルペジオを同期させる「ABS(オーディオビートシンク)」という機能も搭載している。今回の曲では、スネアドラムの音をトリガーにして、リアルタイムでシンセの音色を変化させるサイドチェイン的な使い方をし、印象的なイントロを作り上げた。

イントロ8秒付近からスネアのリムショットに同期してMONTAGEの音色が変化する

中村龍人(Key / Emerald)
中村龍人(Key / Emerald)

中村(Key / Emerald):MONTAGEはすごくハイエンドな機材。単純にグレードが高くて、高機能かつ複雑な作りですが、その分自由度が高く、出音もものすごくいいです。今回使用するにあたって、事前に何本か動画を見ましたけど、やっぱり実際に弾いて体感すると、全然違います。ABSの機能を使えば、ただ同期と合わせるのと違って、よりバンド感が増すと思うので、面白いですよね。

MONTAGE8
MONTAGE8(商品詳細を見る

イントロには「歌を演奏する」という新しい体験を提供するVKB-100も加わり、印象的なフレーズは裏メロとして楽曲全体で機能すると同時に、音色面で現代性を付与するなど、大きな役割を果たしている。専用アプリを使って、簡単に歌詞を入力できることもポイントだが、今回は「Wow」の雰囲気を出すために「ヲ」で歌わせているという。

中野の歌の裏メロになっている単音フレーズが、VKB-100で「ヲヲヲ」を歌わせているメロディー

左から:中野陽介(Gt,Vo / Emerald)、藤井健司(VKB-100,Sampler / Emeraldサポート)
左から:中野陽介(Gt,Vo / Emerald)、藤井健司(VKB-100,Sampler / Emeraldサポート)

藤井健司(VKB-100,Sampler / Emeraldサポート):最初に「ボーカロイドを使う」って話を聞いたときは、Emeraldにハマるのかな? って思ったんですけど、音色を作るにあたってすごくいろんなパラメーターがあって、もちろん初音ミクの声を使うこともできるし、例えばジェンダーっていうパラメーターを使えば、男性寄りにもできる。そこから、最近よく耳にするような声ネタ感に近づけるために、フィルターやオクターバーを使って、よりバンドに馴染ませることができたかなと思います。

VKB-100
VKB-100(商品詳細を見る

入力された歌詞「ヲヲヲ」が表示されているVKB-100の液晶画面
入力された歌詞「ヲヲヲ」が表示されているVKB-100の液晶画面(商品詳細を見る

EAD10はバスドラムにセンサーを取り付けるだけで、ドラムセット全体の音をバランスよく収音・録音できるだけでなく、手元のコントローラーを操作することで、生ドラムにリアルタイムでエフェクトをかけることができる。今回の楽曲では、環ROYの2回目のラップシーン冒頭でEAD10を用い、ドラムにフェイザーをかけて、絶妙なアクセントをもたらした。

サビが終わり2番に入るところでEAD10のコントローラーを操作。ドラムにフェイザーのエフェクトをかけている

高木(Dr / Emerald):EAD10はある意味MONTAGEとは逆で、コンパクトだし、セッティングも楽だし、誰でも使いやすいと思います。今回はバンドで使わせてもらいましたけど、個人練にも便利で、マイクが内蔵されているから、自分のプレイがどういう音でマイクに拾われているのか簡単に体感できる。普通ドラムをレコーディングしようとしたら、マイキングだけで何時間もかかったりするけど、EAD10なら10分くらいで済みますからね。

高木陽(Dr / Emerald)
高木陽(Dr / Emerald)

高木:あと、録った音源をUSBに保存できるので、オケを流しながら、それにのっけて録音できたり、バンドだったら、デモを流してそこにドラムを付けたり、シンプルなんだけど、使い方次第でホントにいろんなことができる、奥が深い機材だと思います。

EAD10のセンサーユニット。バスドラムのフープに装着する
EAD10のセンサーユニット。バスドラムのフープに装着する(商品詳細を見る

EAD10のコントローラー
EAD10のコントローラー(商品詳細を見る

お互いの言葉と音が包みあうような、不思議な体験

こうして、2曲の歌詞を接続させ、MONTAGE、EAD10、VKB-100の機能を活かした特別な1曲が完成。原曲よりもわずかにBPMが上がり、普段は抑制の中に豊かさを感じさせる中野の歌や環ROYのラップも、いつもより少しだけエモーショナルになっているのは、両者のセッションの熱が自然とそうさせたのかもしれない。

中野陽介(Vo,Gt / Emerald)。ギターはヤマハのRS502T
中野陽介(Vo,Gt / Emerald)。ギターはヤマハのRS502T(商品詳細を見る

環ROY

「展開やリズムの取り方で、普通とちょっとでも違う方向に行くと、頭の中が一瞬混乱して聴き手の印象に残る。そういうのが好き」という環ROYの提案を受けて、イントロのリムショットが一発目のみ裏拍から入っていたりと、細やかなアレンジも面白い。

 

藤井智之(Ba / Emerald)。ベースはヤマハのBBP35 VSB
藤井智之(Ba / Emerald)。ベースはヤマハのBBP35 VSB(商品詳細を見る

また、コーラスの歌詞についても環ROYから「ラップが動く分、歌はあまり動かない方がいい」という提案があり、一番の歌詞を繰り返すことにして、なおかつ<僕らの痛み>を<僕らの光>に変えているのもポイント。コラボレーションに関しては一日の長がある環ROYだけに、フラッシュアイデアを試しつつ、柔軟に取り入れていく姿勢は流石だ。

環ROY

もう少し歌詞について分析してみると、夜と朝の間を描く“黎明”に対し、“フルコトブミ”は『古事記』を題材にして、生と死の間を描いている。つまり、どちらも意味やシチュエーションを限定せず、ある種の曖昧さや隙間にこそ可能性を見出しているところが、両者が共有する日本人としての感覚なのではないかと思う。

演奏を終え、録音をチェックするEmeraldと環ROY
演奏を終え、録音をチェックするEmeraldと環ROY

環ROY:上手く演奏できてよかったです(笑)。「くっつけちゃう」って、わりと簡単にできると思っていたけど、いざやってみると、そんな簡単じゃなくて、でもそれができた感じがします。

中野:曲ができて、お互いを包みあうみたいな印象を受けました。俺らが包み込まれている感じもしたし、俺らが包んでいる感じもしたし、不思議な体験でしたね。それが音だけじゃなくて、言葉の間でも起きていると思うから、それを感じ取ってもらえたら面白いかなって。

Emeraldと環ROY

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商品情報

『MONTAGE8』
MONTAGE8

音源システム「Motion Control Synthesis Engine」を搭載し、滑らかでダイナミックな演奏表現を実現した、新たなフラッグシップシンセサイザー。今回使用した88鍵盤モデルのほか、76鍵盤(MONTAGE7)、61鍵盤モデル(MONTAGE6)もラインアップ。

『VKB-100』
VKB-100

音源部にボーカロイドエンジンを搭載し、自分で演奏したメロディーの通りに歌詞を歌わせることができるキーボード。専用アプリを使用したオリジナル歌詞の作成や、最大で5人のボーカロイドシンガーの追加も可能。

『EAD10』
EAD10

EAD10は、アコースティックドラムの練習方法、録音、演奏そのものを もっと豊かで楽しいものにしてくれます。センサー(マイク部)をバスドラムに取り付けるだけで、ドラムセット全体の音をバランスくマイキングアコースティックドラムサウンドを劇的に変化させる50種のプリセットシーンを搭載。カスタマイズした自分だけのユーザーシーンを200種保存可能。アプリを使ってEAD10による高音質な演奏動画をアプリから直接撮影、ミックス、編集、アップロードまで可能。

イベント情報

『CROSSING CARNIVAL'18』
『CROSSING CARNIVAL'18』

2018年4月22日(日)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-nest、duo MUSIC EXCHANGE

出演:
KOHH
Chara×韻シストBAND
GRAPEVINE
大森靖子
藤井隆
おとぎ話
前野健太
Awesome City Club
world's end girlfriend × Have a Nice Day!
THE NOVEMBERS
GAGLE
WONK
DADARAY
Tempalay
King Gnu
LILI LIMIT
Emerald(ゲスト:環ROY)
料金:前売6,000円 当日6,500円(共にドリンク別)

リリース情報

Emerald『Pavlov City』
Emerald
『Pavlov City』(CD)

価格:2,484円(税込)
MPLR-003

1. G.W.
2. Pavlov City
3. Holiday
4. step out
5. JOY
6. Boreder Rain
7. ナイトダイバー
8. Sunny Moon
9. after blue
10. 黎明

環ROY『なぎ』
環ROY
『なぎ』(CD)

価格:2,808円(税込)
DDCB-13035

1. あらすじ
2. offer
3. 食パン
4. はらり
5. On&On
6. 都会の一枚の本
7. ことの次第
8. exchange/ /everything
9. ゆめのあと
10. フルコトブミ
11. めでたい

プロフィール

Emerald
Emerald(えめらるど)

2011年結成。ジャズ、ネオソウル、AORといったジャンルを軸にした楽曲群に、中野陽介の持つジャパニーズポップスの文脈が加わったそのサウンドは、新しいポップミュージックの形を提示している。2017年10月には2ndアルバム「Pavlov City」をリリース。近年のチルウェイブ等の要素も取り入れつつアップデートされたサウンドは各方面から非常に高い評価を受け、SpotifyではTokyo Rising等複数のプレイリストが彼らの楽曲をピックアップ。2018年はすでに都内複数のサーキットフェスへの出演が決定。今後の活躍が楽しみな、今最も注目すべきバンドである。

環ROY
環ROY(たまきろい)

1981年宮城県生まれ。東京都在住。主にラップを用いた音楽作品の制作を行う。これまでに最新作『なぎ』を含む5枚のCDアルバムを発表し、国内外の様々な音楽祭に出演する。その他、パフォーマンス作品やインスタレーション作品、映画音楽、広告音楽などを制作。コラボレーションでの制作も多数行う。

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