レビュー

役者の音声を排し、字幕と映像、音楽や効果音で構築された映画

中野雄介
2009/05/22
役者の音声を排し、字幕と映像、音楽や効果音で構築された映画

友人に連れられ訪れた建物の中で、主人公は緑の飴に中毒化された人々に遭遇する。やがて建物の奥へと消える友人。彼を追いかける中で、主人公は緑の飴にまつわる様々な光景を目撃する。やがて主人公は不気味な工場へとたどり着く。そこで主人公が見た緑の飴の正体とは…

役者の音声を排し、字幕と映像、音楽や効果音でこの映画は進んでゆく。特に造りこまれた映像が必見だ。あえて粗くし、常時光を点滅させているような神経症的なモノクロームの映像は、ホラー映画としての恐怖を増幅させるのに成功している。また本格的に技術を勉強しただけあってカメラワークが非常にスムーズ。それゆえ実験映画にありがちな間延び感が全く無い仕上がりだ。

ただ、最後のシーンはオチが予測できてしまうため、意外性という意味では少々残念。逆に言えば、映画としての「まとめる」力があるからこそ、ということなのかもしれない。今後の作品で、この「まとめる力」に加えて、観る人の度肝を抜くような飛び出し方を、期待したい。

※このコンテンツは旧「ピックアップアーティスト」の掲載情報を移設したものです

プロフィール

斉藤はる奈

1983年3月生まれ。東京都出身。早稲田大学在籍中の2002年、ロサンゼルスの自主映像団体コスモスのADとして初めて映像に携わる。帰国後、自身の映像団体「五徳films」を立ち上げ長編を制作。その後、映像作家団体「B地区」のメンバーの一員として短編を制作。

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