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三浦大知の進化が止まらない。8年間のKREVAとの共演から言及

三浦大知『HIT』
テキスト
三宅正一
編集:矢島由佳子
2017/03/29
三浦大知の進化が止まらない。8年間のKREVAとの共演から言及

三浦大知のように、歌もダンスも抜群な技巧力で魅せられる日本人は数少ない

三浦大知のライブパフォーマンスを最初に目撃したのは、KREVAのライブだった。本稿では、何度も互いの作品やライブでコラボレーションしている「KREVAと三浦大知」という視点から、彼のすごみを紐解けたらと思う。

三浦の、それが生音だろうが、打ち込みだろうが、リズムに対してオンでアプローチするというより、むしろ緩急に富んだリズムを支配しているように錯覚さえするダンスは、一挙手一投足に魅了される。そんなダンスとセットの音楽身体表現として、タフな声量と的確なピッチ、豊かな表現性によって彩られる盤石のボーカルワークを聴かせるのだから、感嘆せざるを得ない。歌って踊れる、と書くのは容易い。しかし、日本のポピュラーミュージックシーンにおいて、初見のオーディエンスに有無を言わさぬボーカルとダンスの技巧力をものの数秒で見せつけられるアーティストは数少ないだろう。

筆者が初めて観た三浦のパフォーマンスは、文句なしの説得力に満ちていた。あれは2009年4月にKREVAが横浜アリーナで開催した『KREVA CONCERT TOUR '09 「意味深2」』というスペシャルライブに三浦が客演したときのことだから、今から8年前だ。もちろん、現在はさらに精度が向上しているのは間違いないが、当時の印象としてすでに三浦のパフォーマンスは完全に仕上がっていた。和製マイケル・ジャクソンとさえ呼ばれたFolderのDAICHIが、変声期による休業期間を経てソロ活動をしていることはもちろん知っていたけれど、これほどまでに色気のあるダンス&ボーカルアーティストになっていたとは、と驚きを覚えた。

2009年発表

20年前から今に続く、RHYMESTERと三浦大知の関係性

それぞれのファンはご存知だと思うが、KREVAに三浦を紹介したのはRHYMESTERの宇多丸だ。先日、三浦がゲスト出演した笑福亭鶴瓶がホストを務めるトーク番組『A-Studio』(TBS系列)が放送された。そのなかで、宇多丸が1998年に『FRONT』(シンコー・ミュージック・エンタテイメントから発行されていたヒップホップ専門誌)の連載でFolderに取材した対談記事が紹介されていた。

その記事内の写真には三浦と同じくFolderのメンバーだったHIKARI=今や押しも押されもせぬ名女優となった満島ひかりも写っていた。そう考えると、『A-Studio』と同じTBS系で先日最終回を迎えた坂元裕二脚本の大傑作ドラマ『カルテット』で、満島が椎名林檎が手掛けた主題歌“おとなの掟”を歌唱し、劇中ではRHYMESTERのMummy-Dと共演したという事実も感慨深い……などと語りだすと長くなるのでやめておこう。

完璧主義な男・KREVAから絶大な信頼を得ている「大ちゃん」

長らく名実ともに日本を代表するラッパーであり続けているKREVAという男は、自身の音楽表現に完璧主義を貫く。そんなKREVAの矜持であり主義主張が最も浮き彫りになるのがライブだ。練りに練られたステージ構成のなかでKREVAは緊張と緩和を自在にコントールし、ときにオーディエンスが気圧されるほどのラップのすごみを示し、ときにMCの絶妙な前口上を経てメロウな楽曲をじっくり聴かせる。寸分の狂いもないスキルとエンターテイメント性に裏打ちされたKREVAのライブは、それゆえに客演陣のパフォーマンス力にも相当のレベルが求められる。近年、KREVAが単発のスペシャルライブで必ず客演に迎えるのは三浦とラッパーのAKLOだけだ。

三浦がKREVAの求めるレベルを最初からクリアしていたのは明白であったし、共演を重ねるにつれKREVAが三浦大知をフックアップするという構図から、KREVAと三浦が対等に刺激を与え合うようにしてパフォーマンスを繰り広げるといった様相に変化していった。KREVAはことあるごとにストイックにスキルを磨き続ける「大ちゃん」の素晴らしさを口にし、三浦はKREVAと共演するたびにステージ上で敬意と感謝を表明する。そう、二人はまさにアーティストとして理想的な相思相愛の関係を築いている。だからこそ、近年のKREVAは主催フェス『908 FESTIVAL』において、自身に次ぐライブの要を三浦に託している。昨年の同フェスはそれが顕著だった。

日本武道館にて開催された『908 FESTIVAL 2016』東京公演のステージに三浦が登場したのは、ビヨンセを過剰に形態模写するパフォーマンスで会場をおおいに沸かせた渡辺直美の次のセクションだった。ともすれば、渡辺が残したコミカルな余韻に飲み込まれかねない状況にあって、三浦は1曲目の“I'm On Fire”から一瞬にして武道館の空気を自分のものにしてみせた。

そのステージが実現できたのは、多彩な音楽性をものにしているからこそ

もちろん、KREVAはそれを見越してこの出演順を組んだに違いない。EDMやダブステップ、トラップなど最新のビートを取り入れたダンスナンバーから王道のJ-POP、じっくり聴かせるバラードまでをシームレスに結び合わせる音楽性も興味深かった。ニューアルバム『HIT』でも、その多様な音楽性が顕在している。オンタイムなビートや音像を意識しつつ、SOIL&"PIMP"SESSIONSとコラボレーションしたラテンジャズテイスト楽曲など、多彩なサウンドプロダクションが堪能できる。

『HIT』はその充実の内容と今の三浦の勢いからして、アルバムタイトルを具現化するように、三浦大知の類まれなる才能を広く世間に知らしめるだろう。そこにw-inds.とSKY-HIの存在も重ねて、日本の音楽シーンに決定的な地殻変動が起こるのではないかと夢想している今日この頃である。

三浦大知『HIT』ジャケット
三浦大知『HIT』ジャケット(Amazonで見る

リリース情報

三浦大知『HIT』(CD+Blu-ray)
三浦大知
『HIT』(CD+Blu-ray)

2017年3月22日(水)発売
価格:4,644円(税込)
AVCD-16753/B

[CD]
1. Darkest Before Dawn
2. EXCITE
3. (RE)PLAY
4. Neon Dive
5. Body Kills
6. Darkroom
7. Can't Stop Won't Stop Loving You
8. Rise Up feat. SOIL&"PIMP"SESSIONS
9. Star
10. 誰もがダンサー
11. Cry & Fight
12. Hang In There
[Blu-ray]
・Darkest Before Dawn -Music Video-
・EXCITE –Music Video-
・(RE)PLAY -Music Video-
・Cry & Fight -Music Video-
・Darkest Before Dawn -Making-
・Hang In There -Dance Edit Video from DAICHI MIURA LIVE TOUR (RE)PLAY FINAL-

三浦大知『HIT』(CD+DVD)
三浦大知
『HIT』(CD+DVD)

2017年3月22日(水)発売
価格:4,212円(税込)
AVCD-16752/B

[CD]
1. Darkest Before Dawn
2. EXCITE
3. (RE)PLAY
4. Neon Dive
5. Body Kills
6. Darkroom
7. Can't Stop Won't Stop Loving You
8. Rise Up feat. SOIL&"PIMP"SESSIONS
9. Star
10. 誰もがダンサー
11. Cry & Fight
12. Hang In There
[DVD]
・Darkest Before Dawn -Music Video-
・EXCITE –Music Video-
・(RE)PLAY -Music Video-
・Cry & Fight -Music Video-
・Darkest Before Dawn -Making-
・Hang In There -Dance Edit Video from DAICHI MIURA LIVE TOUR (RE)PLAY FINAL-

三浦大知『HIT』(CD)
三浦大知
『HIT』(CD)

2017年3月22日(水)発売
価格:3,348円(税込)
AVCD-16754

1. Darkest Before Dawn
2. EXCITE
3. (RE)PLAY
4. Neon Dive
5. Body Kills
6. Darkroom
7. Can't Stop Won't Stop Loving You
8. Rise Up feat. SOIL&"PIMP"SESSIONS
9. Star
10. 誰もがダンサー
11. Cry & Fight
12. Hang In There

プロフィール

三浦大知
三浦大知(みうら だいち)

1987.8.24生まれ、沖縄県出身。Folderのメインボーカルとして1997年にデビュー。2005年3月にシングル『Keep It Goin‘ On』でソロデビュー。天性の歌声とリズム感、抜群の歌唱力と世界水準のダンスで人々を魅了し、コレオグラフやソングライティング、楽器も操るスーパーエンターテイナー。2012年に日本武道館、2013年に横浜アリーナ、2017年にはチケット一般発売後1分でSOLD OUT、12,000人を動員した国立代々木競技場第一体育館にて単独公演を大成功させ、ライブの規模も年々拡大させている。ミュージックビデオの祭典『MTV VMAJ』では「ベストR&B賞」を2014年から2016年まで3年連続で受賞し、ヨーロッパ最大の音楽授賞式『2014 MTV EMA』では「ベスト・ジャパン・アクト」に選出されるなど国内外でそのパフォーマンスが高く評価されている。2015年9月リリースのアルバム『FEVER』は自身最高となるオリコン週間アルバムチャートで3位を記録。その後もコンスタントにシングルをリリースし、2017年1月にリリースした『EXCITE』で自身初のオリコン週間シングルチャート1位を獲得。2017年3月、6枚目となるオリジナルアルバム『HIT』をリリース。

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