特集 PR

ONE OK ROCKが11万人に見せた、初期のライブと変わらない姿勢

ONE OK ROCK『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』
テキスト
兵庫慎司
編集:川浦慧、矢島由佳子
ONE OK ROCKが11万人に見せた、初期のライブと変わらない姿勢

(メイン画像 撮影:JulenPhoto)

躍進し続け、海外でも成功を収めるバンドに感じた「なんでこんなに無防備なんだ?」

2016年9月10、11日、静岡県浜松市渚園特設会場に55000人×2日=110000人を集めて行われた、ONE OK ROCKの野外ワンマンライブの映像作品『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』が、1月17日にリリースされる。本作には、このライブでプレイされた21曲をまるごと収録。DISC 2には、最新アルバム『Ambitions』(2017年1月リリース、8thアルバム)のレコーディングのドキュメンタリー映像が収められている。

『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』ジャケット
『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』ジャケット(Amazonで見る

ONE OK ROCK『Ambitions』ジャケット
ONE OK ROCK『Ambitions』ジャケット(Amazonで見る

ONE OK ROCKは「海外でも活動する日本のバンド」というよりも「基本海外で、時々日本にも戻って来るバンド」となって久しいし、その音の持つ海外との同時進行性についてとか、逆に「日本のバンドならではのオリジナリティーがあるから海外で勝負できる」という見方とか、あるいはONE OK ROCKの躍進には「日本のバンドの海外進出」というストーリーだけでなく、「現在ロックが隅に追いやられているアメリカの音楽シーンにおける、ロック復権の闘い」という部分も大きいことについては、これまであちこちで論評されてきたので(私もこのCINRA.NETで書いたりしました)、あんまりここで蒸し返さなくてもいいだろう。

ONE OK ROCKが、そこらの巨大フェスよりもはるかにでかいキャパの会場を堂々と圧倒する音を出すバンドになっていることについても、昨日今日の話ではないので、このライブ作品を見て改めて驚くものでもない気がする。

僕がこのライブ映像を見ていて気になったのは、むしろそれらの逆のポイントだった。「なんでこんなに無防備なんだ? なんでこんなにノーガードなんだ? なんでこんなに、バンドを始めたばかりみたいな赤裸々さなんだ?」と、四人の楽器の弾き方、動き方、歌い方、表情などを見ていて、何度もそう感じたのだった。

初期のライブを思い出させるような、四人のギリギリ感やフレッシュさ

パフォーマンスそのものは、まさにスタジアムバンドのそれで、さすがの一言なのだが(そうでなきゃこんなでかい場所でお客を熱狂させるの無理だ)、たとえば「威風堂々」とか「安定」というふうに形容したくなるような佇まいではないのだ。常に必死。常にギリギリ。常に切迫しまくっている。

撮影:JulenPhoto
撮影:JulenPhoto

それは若いから、ではないと思う。もう四人とも30歳前後だし、あれだけの海外ツアーをやり続けているわけで、そこらのバンドの10年20年分の経験値が身についている状態だ。無論、演奏のスケール感も音楽性も、すさまじくクオリティーアップしている。なのに、初々しいままなのだ、ステージから放たれ続けるものが。

僕はONE OK ROCKのライブを細かくつぶさに追ってきた人間ではないが、何か、最初にワンマンを観た時や、彼らを撮り続けるライブカメラマン橋本塁の主催イベント『SOUND SHOOTER』(2009年)で観た時の感じなどを、つい思い出したりした。くり返すが、ほとんど別のバンドと言っていいほど、当時からはレベルアップしているにもかかわらずだ。

「常に挑戦者の意識でライブ一本一本に臨み続けているからそうなるのだ」とか、「人前でステージに立つことの怖さを身体で理解しているから、余裕など生まれるはずがないのだ」とか言えば理由として収まりいいかもしれないが、そんなこと言ったらどんなバンドだってそうなわけで、ONE OK ROCKのこのフレッシュさは、突出していると感じる。

不器用なほど朴訥としていて「変わらない」言葉は、まっすぐ届き続ける

なぜこのバンドがそうあり続けられるのかについては、正直わからない。「すげえなあ」「特異だなあ」ということがわかるだけだ。ただ、「基本海外のバンド」になってからも、それまでついてきた日本のキッズたちが離れるどころか増える一方で現在に至っている理由のひとつに、そんな「変わらなさ」もあるのではないかと思う。

「僕らにできることはアルバムを作ってライブをすることだけです。それ以外にできません。ステージを下りればただのバカな少年です。みなさんと何ら変わりはありません。それでも、前を向いて、あきらめずに、突き進むという気持ちだけは、少なくともこの会場にいる誰よりも僕らは持ってるはずです。だからこのステージの上に僕らは立ててます」

本編ラストの“Nobody's Home”をやる前のTakaのMCより。国内と海外でどれだけ経験を積んでも、この人の言葉は、こんなふうに、不器用なくらい朴訥としていてストレートなままだ。でも、だからこそ、昔も今も、1000人にも55000人にも、誤解や曲解をされずにまっすぐ届き続けるんだろうなと思う。

撮影:Kazushi Hamano
撮影:Kazushi Hamano

リリース情報

ONE OK ROCK『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』
ONE OK ROCK
『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』(2Blu-ray)

2018年1月17日(水)発売
価格:6,800円(税込)
AZXS-1019

[DISC1]
・『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』
[DISC2]
・『Recording Documentary of Ambitions』

ONE OK ROCK
『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』(2DVD)

2018年1月17日(水)発売
価格:5,800円(税込)
AZBS-1040

イベント情報

『ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR』

2018年3月31日(土)、4月1日(日)
会場:大阪府 京セラドーム大阪

2018年4月4日(水)、4月5日(木)
会場:東京都 水道橋 東京ドーム

2018年4月14日(土)、4月15日(日)
会場:愛知県 名古屋 ナゴヤドーム

2018年4月21日(土)、4月22日(日)
会場:福岡県 ヤフオク!ドーム

『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN IMPRESSION GALLERY』
『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN IMPRESSION GALLERY』

2018年1月19日(金)~21(日)
会場:大阪府 Imagine&Design
時間:10:00~19:00(最終日は17:00まで)

プロフィール

ONE OK ROCK
ONE OK ROCK(わん おく ろっく)

2005年にバンド結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。2007年にデビューして以来、全国ライブハウスツアーや各地夏フェスを中心に積極的にライブを行う。これまでに、日本武道館、野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナツアーなどを成功させる。また、日本のみならず海外レーベルとの契約をし、アルバム発売を経てアメリカ、ヨーロッパ、アジアでのワールドツアーを成功させるなど世界基準のバンドになってきている。2016年9月には、静岡・渚園にて2日間にわたり11万人規模を動員する野外ライブを開催。今年1月にはアルバム『Ambitions』を全世界で同時リリースし、キャリア史上最大規模となる日本全国32公演を回るツアーを開催した。現在は『Ambitions World Tour』を開催中。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

あらかじめ決められた恋人たちへ“日々feat.アフロ”

何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)

  1. cero高城晶平×折坂悠太 10年代のインディ音楽の萌芽と開花の記録 1

    cero高城晶平×折坂悠太 10年代のインディ音楽の萌芽と開花の記録

  2. 『鬼滅の刃』オリジナルアイテム第4弾 全13キャラクターのアウター&傘 2

    『鬼滅の刃』オリジナルアイテム第4弾 全13キャラクターのアウター&傘

  3. 広告に冷めた時代のアプローチ。Hondaは「フラット」を提示する 3

    広告に冷めた時代のアプローチ。Hondaは「フラット」を提示する

  4. 大滝詠一『A LONG VACATION』40周年記念盤がオリコンデイリー1位獲得 4

    大滝詠一『A LONG VACATION』40周年記念盤がオリコンデイリー1位獲得

  5. 『ノマドランド』が映すアメリカの姿。過酷な状況とノマドの精神 5

    『ノマドランド』が映すアメリカの姿。過酷な状況とノマドの精神

  6. 『森、道、市場』第1弾でアジカン、cero、折坂悠太、カネコアヤノら 6

    『森、道、市場』第1弾でアジカン、cero、折坂悠太、カネコアヤノら

  7. 中国Z世代を虜にする漢服ブーム。愛好者やデザイナーが語る 7

    中国Z世代を虜にする漢服ブーム。愛好者やデザイナーが語る

  8. 『そして、バトンは渡された』映画化 永野芽郁、田中圭、石原さとみ共演 8

    『そして、バトンは渡された』映画化 永野芽郁、田中圭、石原さとみ共演

  9. 松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人が共演 花王「アタックZERO」新CM放送 9

    松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人が共演 花王「アタックZERO」新CM放送

  10. GU×UNDERCOVERが初コラボ キーワードは「FREEDOM/NOISE」 10

    GU×UNDERCOVERが初コラボ キーワードは「FREEDOM/NOISE」