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連載・コラム

『消えた男の日記』

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People In The Boxの波多野裕文による随筆作品連載。第六回を公開。

インタビュー

「進化するタップ・ダンス」HIDEBOH × SUJI TAP対談

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観る者の感情を揺さぶる、ダンス×音楽の最新形。古くて新しい芸術に迫る

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sugiurumnインタビュー

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世界で活躍するDJの激ヤバトーク。「来ないともったいない」クラブの真実

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やっとここまでたどり着いた。ありのままに歌う「生きる喜び」

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『裏切りの街』松尾スズキインタビュー

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演劇のみならず小説・映画の分野でも才能を発揮し続ける奇才の出発点と現在

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wooderd chiarieインタビュー

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一度死んで実感できたこと――伝えたいことは「愛と感謝」

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スチャダラパー×TOKYO No.1 SOUL SET対談

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デビュー20周年を迎えた彼らが語る、変わっていくもの、変わらないもの

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People In The Box インタビュー

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信藤三雄×ASA-CHANG×岡一郎の「にほんのお話」

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『にほんのうた』を通して第一線のクリエイターが教えてくれることとは?

石井裕也監督インタビュー 人間の暗部を描くことで、本当の美しさを見つけたい

MOVIE

石井裕也監督インタビュー

アジアで最も期待される若手映画監督に贈られる第1回エドワー ド・ヤン記念アジア新人監督大賞を受賞し、国内外から注目を集める若き俊英・石井裕也。このたび、池袋シネマ・ロサにて『剥き出しにっぽん』『ばけもの模様』が相次いで公開されることを記念して、石井監督にインタビューを行った。終始冷静な態度を崩さず、自作や映画界の現状について鋭く分析する石井監督。しかし同時に、その言葉には、既存の「映画」の枠組を揺るがすような、まったく新しいエンターテインメントを創り上げたいという、熱い思いがみなぎっていた。

(インタビュー&テキスト:小林宏彰)

PROFILE

石井裕也 (いしい ・ゆうや)
1983年生まれ。大阪芸術大学の卒業制作として『剥き出しにっぽん』(91分/16ミリ/2005)を監督。この作品で、第29回ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2007」グランプリ&音楽賞(TOKYO FM賞)受賞。以降も長編映画『反逆次郎の恋』(89分/DV/2006)、『ガール・スパークス』(94分/DV/2007)、『ばけもの模様』(93分/HD/2007)などを制作。

第37回ロッテルダム国際映画祭および第32回香港国際映画祭にて、上記の長編映画全4作品が特集上映された。さらに同年、香港で開催されたアジア・フィルム・アワードにて、アジアで最も期待される若手映画監督に送られる第1回エドワード・ヤン記念アジア新人監督大賞を受賞。現在、最も活躍が期待される若手映画作家である。
石井裕也監督作品 映画『ばけもの模様』公式サイト

僕の映画は、女性に対する白旗宣言なんです

─石井監督の作品には、普段怒らなさそうな女性が、激怒したり暴れたりするシーンがよく登場しますね。

石井:そうですね。僕の映画は、女性に対する白旗宣言なんです。「あなた達には、すいませんが勝てません」と。僕自身もそう思っていて、無意識のうちに女性が超然としたキャラクターになっているかもしれません。演出している時、よく女性の役者さんに「子宮で考えて演技してください」と言うんですが、ちょっとしたきっかけを与えるだけで女性はすごく堂々とした演技をするんです。女性達の持つたくましさとか強さには、やはり尋常ではないものを感じます。男性は、やっぱり理屈で動いていますから、「あなたの面白いところはここだからこうやって見せよう」と、理屈で説明します。もちろん例外はありますけど。

─そういった、「女性って強いな」という意識は、生活している中での実感から得たものですか?

石井裕也インタビュー

石井:そうですね。強いと言うか、絶対的に必要な存在じゃないですか。逆に男なんてそんなに必要じゃないですよ。長い人生の中でやるべきことと言ったら一回か二回、精子を引っかけるだけじゃないですか。あとは基本的に暇なんです。暇だから宇宙船を作って月に行ってみようとか、核兵器を作って戦争をしてみようとか考えるわけです。映画だって、たぶん暇だから作るんですよ。

─そういった女性観には、作品を創りつづけていくうちに変化はあったのですか?

石井:あったかもしれないですね。今までの話と矛盾するかもしれないですが、基本的に僕は女の人を信用できないんです。男は割と信用できるんですが。最初の2作ではそれが顕著で、『剥き出しにっぽん』とか『反逆次郎の恋』では、女の人が途中からいなくなったり、殺されてしまったりして、出てこなくなるんです。「女の人って、いつか絶対裏切るんでしょ?」、「そのうち黙って去っていくんでしょ?」っていう感覚がすごく強くあるんですよね。

─長編3作目の『ガール・スパークス』は、ヒロインの瑞々しい魅力があふれた作品で、結末も女性への信頼を感じさせるものでしたが。

石井:そうですね。僕もだんだん大人になっていってるのかもしれないですね。裏切られてもいいから信用してみようっていう意識にはなってるかもしれないです。まあ、どうせ裏切られるんでしょうけど(笑)。

─4つの長編の中では、『反逆次郎の恋』が、一番身も蓋もない、というか、強烈な映画でした。そして監督の実感がこもっているというか、すごく愛せる映画だな、と。

石井裕也インタビュー

石井:僕は『反逆次郎の恋』をほめてもらえるのが一番うれしいんです。僕もすごくいい映画だと思ってるんですよ。あの作品には、一番打算がないんです。何と言うか、「気高い」んです。甘くない映画なので、商品価値はダントツに低いんですけれども。『剥き出しにっぽん』が完成した2ヶ月後に撮影したんですが、前作で自分の能力をフル稼働させて全部出し切ってしまったんで、終わったあとに身ぐるみをはがされた感じがしていたんです。すると、僕の中にはもはやコアな部分しか残っていないので、それを見せるしかないということで、ああいう映画になりました。

僕にとって『反逆次郎の恋』は、段階を踏むという意味ですごく意義のある映画でした。作ったのは22歳の時ですが、作品を今振り返ると「俺、ちゃんと真面目に生きてたわ」と自分の過去に自信を持てますね。これがあったからこそ、長編3作目の『ガール・スパークス』では割り切ってもっと見やすい映画を目指せました。その甲斐あって一般的な評判はすこぶるいいですね。でも、棺桶には入れないでください、みたいな(笑)、いや、好きなんですけどね。

2/3ページ:「セカイ系映画の教科書」とまで言われた石井監督作品。

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