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6つの歌謡曲で探る理想のポップソング エミ・マイヤー&永井聖一

6つの歌謡曲で探る理想のポップソング エミ・マイヤー&永井聖一

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:永峰拓也

エミ・マイヤーが永井聖一と組んで全編日本語詞のアルバム制作に取りかかっている。昨年末にシングル『A Happy New Year』が配信リリースされるのと同時にそう発表された時点で、これは素晴らしいアルバムが期待できそうだと胸を高鳴らせた方もきっと多いことだろう。そして、ついに到着した二人のコラボレーションアルバム『エミ・マイヤーと永井聖一』。1960年代のアメリカンポップス的なソングライティングを基調としつつ、粋な日本語詞で彩られたこのアルバムは、かつての歌謡曲を今にアップデートさせたようなサウンドとして聴き手に迫ってくる。少なくともこうしたレトロモダンなポップスは昨今のJ-POP界隈ではほとんど見受けられなくなったし、あったとしてもここまでキャッチーで親しみやすい作品はそうないと思う。何にせよ、この共演がこれほど素晴らしい成果を生んだことに最大限の賛辞を送りたい。

さて、そこでこのアルバムが生まれた背景を探るべく、今回はエミと永井にちょっとした企画を申し出てみた。というのも、このインタビューでは彼らに一人3曲ずつ、思い入れのある歌謡曲 / J-POPソングを事前に選んでもらっているのだ。それらの楽曲にまつわる話を本人たちに語ってもらうことで、この両者の理想とする日本語ポップソングのカタチを紐解けないだろうか? そんなことを念頭に入れつつ、エミ・マイヤーと永井聖一に話を訊いてみた。

矢野顕子さんの“ラーメンたべたい”の「ラーメン」という題材は外国人の視点から見てもすごくキャッチーで面白いと思うんです。(エミ)

―今日はお二人に3曲ずつ、それぞれお気に入りの歌謡曲 / J-POPを選んできてもらっています。ちなみに、今はお二人ともお互いにどんな曲を選んできたのかは知らない状況ですよね?

エミ:私はちょっと前にメールで見せてもらったような……。でも、覚えてないです(笑)。永井さんは私が選んだ曲は知らないよね?

永井:うん。僕は1つも知りません。

―OKです。じゃあ、まずはエミさんが選んだ曲から始めてみましょうか。矢野顕子さんの“ラーメンたべたい”。これは1984年にリリースされたヒット曲で、国語の教科書に載るほど歌詞が注目された曲でもあるわけですが。

エミ:そうなんですか! 正直、私そういうことはまったく知らなくて、実はこの曲を知ったのもけっこう最近のことなんです。この前、矢野さんのライブを見させていただいて、そこでこの曲を聴いたんですけど、この歌詞と彼女の歌い方に惹かれて。「ラーメン」という題材は外国人の視点から見てもすごくキャッチーで面白いと思うし、その題材をこうしてうまく歌に乗せてしまえるのって、やっぱりすごいことだと思うんです。最近は自分でも日本語詞を書いていたから、尚更この曲は印象に残りました。

―なるほど。恐らく永井さんも矢野顕子さんの音楽はお好きだろうと思うのですが。

永井:そうですね。特にLittle Feat(アメリカのロックバンド)がバックバンドで参加している、1枚目の『JAPANESE GIRL』はよく聴いてました。矢野さんの作る楽曲は、やっぱりメロディーと歌詞が抜群に覚えやすいんですよね。それは僕が選んできた3曲についても共通して言えるポイントではあるんですけど。

左から:エミ・マイヤー、永井聖一
左から:エミ・マイヤー、永井聖一

僕の原体験となったポップスを今振り返ると、山下達郎さんや竹内まりやさん、サザンオールスターズなんかがそうですね。(永井)

―なるほど。永井さんが1つ目に選んでくれたのは、YMOの“君に、胸キュン。”。矢野さんとも関わりが深いYMOの言わずと知れたヒット曲ですね。リリースされたのは“ラーメンたべたい”より少し前の1983年で、ちなみに永井さんがお生まれになった年です。

永井:あ、そう言われてみればそうだ(笑)。この曲はまさにクラシックですよね。そもそも僕、今回の「歌謡曲 / J-POPから3曲だけ選んでほしい」という質問に対して、すごく悩んだんですよ。

永井聖一

―というのは?

永井:好きなものが多すぎるから(笑)。それで今回は勝手に自分で「夏」というテーマを設定して、さらに80年代と90年代、2000年代でそれぞれ1曲ずつ選ばせてもらうことにしたんです。そこで80年代から1つ選ぶとしたら、僕が一番カラオケで歌っているのはこれかなと(笑)。

―自ら選曲のテーマを設定していたとは(笑)。ちなみに80年代のポップスにはいつ頃から親しんでいたんですか? 年齢的には間違いなくリアルタイムではないと思うんですが。

永井:僕の原体験となったポップスを今振り返ると、幼少期に車の中で両親がかけていた音楽になるんです。たとえば山下達郎さんや竹内まりやさん、サザンオールスターズなんかがそうですね。でも、80年代のものをちゃんと自分で掘り下げようと思ったのは、洋楽を通ってからだったんじゃないかな。その洋楽にしても、リアルタイムのものではなくて、クラシックロックだったし。

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イベント情報

エミ・マイヤーと永井聖一
『Special Live “So Lucky”』

2014年11月11日(火)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO
料金:5,000円(ドリンク別)

2014年11月12日(水)
会場:東京都 六本木 Billboard Live TOKYO
[1]OPEN 17:30 / START 19:00
[2]OPEN 20:45 / START 21:30
料金:サービスエリア6,500円 カジュアルエリア4,500円(カジュアルエリアのみドリンク付)

リリース情報

エミ・マイヤーと永井聖一<br>
『エミ・マイヤーと永井聖一』(CD)
エミ・マイヤーと永井聖一
『エミ・マイヤーと永井聖一』(CD)

2014年8月20日(水)発売
価格:3,086円(税込)
TKCA-74124

1. 新しい季節
2. 恋のシグナル
3. Surfin' Girl
4. 60000 Melodies
5. シアトル・グランデ
6. ダ・ダンス!
7. 明日はきっと
8. So Lucky
9. A Happy New Year
10. Coming Home
11. ラブ・オブ・マイ・ライフ

プロフィール

エミ・マイヤー

日本人の母親とアメリカ人の父親の間に京都で生まれ、1才になる前にアメリカのシアトルに移住。2007年にシアトルー神戸ジャズ・ボーカリスト・コンペティションで優勝。2009年デビューアルバム「キュリアス・クリーチャー」をリリース。2010年にShingo Annen(Shing02)との共作となる全曲日本語詞の2nd Album「パスポート」、2011年はノラ・ジョーンズやシェリル・クロウでグラミー賞に輝くエンジニア、ハスキー・ハスコルズがミックスを手がけたサードアルバム「スーツケース・オブ・ストーンズ」をリリースし、高い評価を得た。2012年にリリースしたミニ・アルバム「LOL」は収録曲「オン・ザ・ロード」がプリウスのCMでオンエアされ、スマッシュヒットとなった。

永井聖一(ながい せいいち)

1983年4月17日生まれ、東京都渋谷区出身。2000年代よりギタリストとしての活動をスタートし、様々な活動を行なう中で相対性理論に参加。コンポーザーとしても著名アーティストに楽曲提供したほか、Spangle CallLilli Line「dreamer」、Chocolat「風邪」などのプロデュースワーク、ムーンライダーズ、Chocolat&Akitoのリミックス、UNIQLOやキユーピーなどのCM音楽を担当。ギタリストとしても布袋寅泰、FISHMANS+のほか、様々なミュージシャンと共演。2013年はやくしまるえつこのアルバム「RADIO ONSEN EUTOPIA」に参加、相対性理論のオリジナルアルバム「TOWN AGE」を発表するとともに、Emi Meyerとのプロジェクト「エミ・マイヤーと永井聖一」を始動。

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cero“ロープウェー”

「この曲を最初に聞いた時になぜか、じっと佇む飴屋法水さんとメンバーの姿が浮かび上がってきて離れなかった」と語るのは監督を務めた仲原達彦。モノクロの8mmフィルムで撮られた何気ない風景やロープウェーの映像のはずが、なぜか現実離れした幻想的な感覚へと連れていく。昨年末にリリースされ、すでに耳に馴染んだはずの楽曲の世界がさらに広がり深まるような映像世界。(宮原)