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鈴木慶一×ゴンドウトモヒコが子ども番組で見せる「大人の本気」

鈴木慶一×ゴンドウトモヒコが子ども番組で見せる「大人の本気」

ムジカ・ピッコリーノ『ムジカ・ピッコリーノ Mr.グレープフルーツのブートラジオ』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:豊島望 編集:山元翔一、飯嶋藍子

子ども向けらしからぬ……否、子ども向けだからこそ、第一線で活躍する有名ミュージシャンが多数出演し、極上のライブパフォーマンスを披露するなど、子どもたちはもちろん、大人たちからも高い支持を得ているEテレの音楽番組『ムジカ・ピッコリーノ』。

Mr.グレープフルーツ役のオダギリジョーをはじめ、キャストたちのセリフを再構成しながら、番組の要であるリヒャルト船長役の鈴木慶一(ムーンライダーズ、Controversial Spark)、アレンジを担当するゴンドリー役のゴンドウトモヒコ(anonymass、METAFIVE)、斎藤アリーナ、戸松恵哉、ASA-CHANG、徳澤青弦というレギュラー陣に、多くのゲストに迎えて演奏された楽曲とBGMを収録した番組初となるドラマCD『ムジカ・ピッコリーノ Mr.グレープフルーツのブートラジオ』が先頃発売された。

番組のバンドそのままに2年連続で『FUJI ROCK FESTIVAL』への出演を果たすなど、現実世界にも活動の場を広げているメタフィクション的な音楽番組『ムジカ・ピッコリーノ』が目指すものとは。演出を担当する石原淳平を交え、レギュラーキャストである鈴木慶一とゴンドウトモヒコに話を聞いた。

子どもたちに向けて演奏するのは、こっちも真剣になるし、良い音楽を作るぞと改めて思える。(鈴木)

―そもそもお二人は、どういういきさつで、この『ムジカ・ピッコリーノ』に参加することになったのですか?

鈴木:作っている人たちが、昔からの知り合いだったんですよね。子ども向けの番組なんて、当然それまで出たことがなかったんだけど――というか、子ども向け云々以前に、番組の絵コンテとかを見せてもらったら、「おや、これは?」ってひっかかるものがあって。私も、この番組のような世界観のアルバムを何枚か作っていたわけで、私がイメージし続けている世界観と重なっていたんです。

鈴木慶一
鈴木慶一

―『ヘイト船長とラヴ航海士』(2008年)や『シーシック・セイラーズ登場!』(2009年)など、一連のソロ作品のことですね。

鈴木:そうそう(笑)。番組の中での私の役が「メロトロン号のリヒャルト船長」だったから、すごい親和性を感じたんですよね。だから、すごいやりがいがあるというか、こういう形の映像や番組っていうのを、実は求めていました。

―なるほど。ゴンドウさんは、どんなふうにして、参加することになったのですか?

ゴンドウ:僕はプロデューサーの方から、アレンジの仕事をやりませんかって連絡をいただいたんです。すごくワクワクしたのを覚えています。僕はanonymassという、チェロとユーフォニアムとキーボードっていう3人編成のバンドをやっているんですけど、そういう編成のバンドを番組でも組みたいという話で。僕は、シーズン1を見ていたのですが、知り合いのミュージシャンもたくさん出ていたし、すごく面白いなと思ったので、是非お願いしますと。

ゴンドウトモヒコ
ゴンドウトモヒコ

―お二人ともこういった番組にレギュラー出演するのは初めてとのことですが、子ども向けの音楽番組であるというのは、どれくらい意識されているのですか?

鈴木:子ども向けという意味では、私の場合は音楽よりも前に、お芝居のほうで悩んだかな。

ゴンドウ:僕はお芝居のパートがないから大丈夫なんですけど、慶一さんやASA-CHANGは、最初の頃かなり大変そうでしたよね(笑)。

鈴木:お芝居そのものもそうだけど「子ども向けのお芝居」っていうものが、よくわからないわけですよ。最初は声を高くしたりして、テンション上げてやればいいのかと思っていたんですが、やっていくうちに普通のテンションに戻していったんです。そしたら面白いことに、その頃からポン・ジョルノ役のASA-CHANGが、だんだん子ども向けの振り切ったお芝居になってきて、Eテレにばっちりハマってきたんですよね(笑)。

ASA-CHANG演じるポン・ジョルノ / Photography by Tsutomu Ono ©NHK
ASA-CHANG演じるポン・ジョルノ / Photography by Tsutomu Ono ©NHK

―ポンさんは、子どもにも人気らしいですね(笑)。

鈴木:そうなんですよ。毎回ゲストもきてくれるから、レギュラー陣はそれぞれ一定のテンションで落ち着かせたほうがいいな、と。ASA-CHANG以外は(笑)。

―(笑)。音楽面では、どんなことを意識しながらやっているのですか?

鈴木:かつて『MOTHER』というゲームの音楽を担当したときに、「これは子どもがやるんだ、ヘタなものを聴かせちゃいけないな」って、すごく真剣になったんです。そのときの感覚と同じですね。自分のファンだったら、ある程度好き勝手なことをやってもついてきてくれるかもしれないけど、子どもたちはファンとは違うじゃないですか。子どもの頃に聴いた音楽が、その人の中にずっと残っていくかもしれないし。

『ムジカ・ピッコリーノ』の出演者たち / Photography by Tsutomu Ono ©NHK
『ムジカ・ピッコリーノ』の出演者たち / Photography by Tsutomu Ono ©NHK

―親御さんはともかく、ほとんどの子どもたちは、ムーンライダーズの鈴木慶一さんだっていうことを知らないわけで。

鈴木:そう。あと子どもって、どのポイントで反応するのかわからないから、いつも緊張感がある。だから、子どもたちに向けて演奏するのは、こっちも真剣になるし、良い音楽を作るぞと改めて思えるから、ミュージシャンとしても非常に面白いです。

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リリース情報

ムジカ・ピッコリーノ『ムジカ・ピッコリーノ Mr.グレープフルーツのブートラジオ』
ムジカ・ピッコリーノ
『ムジカ・ピッコリーノ Mr.グレープフルーツのブートラジオ』(CD)

2016年9月21日(水)発売
価格:2,160円(税込)
COCP-39619

1. ムジカ・ピッコリーノ・オープニングテーマ2015
2. scene01 ブートラジオ受信
3. Can't Give You Anything(But My Love)
4. scene02なんか気になる
5. Lag Ja Gale Se
6. ツァラトゥストラはかく語りき
7. scene03 つぶやき
8. Do As You Wish
9. 私のお気に入り
10. scene04ジョーとの出会い ジパング地方にて
11. 手がかり
12. 待ちぼうけ~FIRECRACKER
13. 探索
14. scene05ブートラジオ エンゲルの海辺から
15. 主よ、人の望みの喜びよ
16. Funny Man
17. scene06ブートラジオ フォーリャの木陰から
18. だったん人の踊り
19. 奇遇
20. scene07リヒャルトの予感
21. 謎の男
22. 賽馬(さいま)
23. 1日の終わりに
24. 村祭
25. scene08 ROLLY司令官の気づき
26. きらきら星変奏曲
27. Joe & Arina / ジョーとアリーナ
28. 子象の行進 BABY ELEPHANT WALK
29. SMALL TALK II
30. You Are My Sunshine
31. scene09追跡! ドクトルジョー
32. 追跡
33. マンボ No.5
34. scene10ジョーへの疑念
35. 黒ネコのタンゴ / VOLEVO UN GATTO NERO
36. scene11メロトロン号危機一髪!
37. モンキー・マジック
38. ゆれる
39. scene12 幻のモンストロ
40. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
41. 幻のモンストロが飛んだ!
42. scene13ジョーのおくりもの
43. 回想
44. EIGHT MELODIES
45. ムジカ・ピッコリーノ・テーマ・ヴァリエーション3

プロフィール

鈴木慶一
鈴木慶一(すずき けいいち)

1951年8月28日 東京生まれ。1970年、本格的に音楽活動を開始。以来、様々なセッションに参加し1971年には「はちみつぱい」を結成、独自の活動を展開するも、アルバム『センチメンタル通り』をリリース後、解散。「はちみつぱい」を母体にムーンライダーズを結成し1976年にアルバム『火の玉ボーイ』でデビューした。ムーンライダーズでの活動の傍ら高橋幸宏とのユニット「ビートニクス」でもアルバムをリリース。また膨大なCM音楽の作編曲、演歌からアイドルまで幅広い楽曲提供、プロデュース、またゲーム音楽などを作曲し日本の音楽界に大きな影響を与えてきた。2012年、ソロアルバム『ヘイト船長とラヴ航海士』が第50回日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞。映画音楽では、北野武監督の『座頭市』で日本アカデミー賞最優秀音楽賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀音楽賞を受賞した。2015年、ミュージシャン生活45周年の節目にソロアルバム『Records and Memories』をPヴァインよりリリース。『WORLD HAPPINESS 2016 夢の島 THE LAST』で5年ぶりにムーンライダーズを復活させ、12月15日には、東京・中野サンプラザでライブを行なう。

ゴンドウトモヒコ
ゴンドウトモヒコ

新宿生まれ東京育ち。日大芸術学部卒業後、米、ボストン大学に留学、修士課程修了。専攻は電子音楽とユーフォニアム。帰国後高橋幸宏率いるoffice Intenzioに所属。音楽家集団anonymassを結成し4枚のアルバムをリリース。Yellow Magic Orchastraの日本でのライブおよびヨーロッパ、アメリカツアーにサポートメンバーとして参加。コンピューターと管楽器を使ったユニークなスタイルでLove Psychedelico, The Beatniks, Chara, UA, くるり,Def Tech他、多数のミュージシャンの録音やライブなどに参加している。METAFIVE、pupa、蓮沼執太フィルメンバー。また作編曲家としてもCM、サウンドトラックなども多数発表している。

石原淳平(いしはら じゅんぺい)

1981年福岡生まれ。テレビ番組ディレクター。株式会社ディレクションズ所属。音楽やユースカルチャーを扱った番組を多く手掛ける。おもな作品にNHK Eテレ『ムジカ・ピッコリーノ』演出、脚本(2015~)、NHK Eテレ『スコラ 坂本龍一 音楽の学校』演出、構成(2010~)、NHK Eテレ『岩井俊二のMOVIEラボ』演出、構成(2015)など。また、鈴木慶一自身による朗読作品『DSDブンガク特別編〜鈴木慶一と8編のポップソング〜』演出(2015)など活動の幅を広げている。

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