噛まれることで満たされる、空しさを埋めあう女子高生描く映画『みちていく』

映画『みちていく』が、6月27日から東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開される。

同作は、歳の離れた恋人に身体を噛んでもらうことでしか満たされない陸上部のエースみちると、部員たちに疎まれる部長の新田を中心に、互いの空虚感を埋めあう少女たちが織りなす群像劇。みちるを演じるのは、鶴岡慧子監督作『くじらのまち』で主演を務めた飛田桃子。新田役を劇団「贅沢貧乏」主宰の山田由梨が演じている。

同作の監督を務めたのは、1991年生まれの竹内里紗。竹内は映画監督・万田邦敏のもとで劇映画の演出について学び、今年4月からは黒沢清らが教授を務める東京藝術大学大学院の映像研究科映画専攻監督領域で映画製作に取り組んでいる。なお、竹内は同作の制作時は21歳だったという。

飛田桃子のコメント

みちるには共感できる部分が多くあり、まるで自分を見ているかのようでした。何者でもない自分、ただいるだけの自分、そこから抜け出したくて見つけたものが部長という存在。みちるは新田と距離を縮めることで、少しずつ自分の中の曖昧なものがはっきりしていく。その関係は愛おしく、また演じていてみちるのことが少し羨ましくもありました。彼に噛んでもらうという行為も自分の居場所を実感する為だと思いますが、そういった誰にでもある欲求と対峙していくみちるの純粋さはとても人間らしいと思います。みちるの、弱っちいけれど果敢に立ち向かって行く様子を暖かく見守ってほしいと思います。そして何かを感じて頂けたら嬉しいです。

山田由梨のコメント

監督は初めてこの作品について話すとき、月が満ち欠けを繰り返すように人間もまた現れたり消えたりしながら新しくなっていくんだと説明してくれました。消えてしまいそうになっても、また「みちていく」と。私も新田を演じていた時から今までそれを小さく繰り返していて、辛い時には「みちていく」と言う言葉に勇気づけられているような気がします。あの頃の私にとって大きかった問題は、今の私にとって小さく感じる。だけど、あの頃は目の前に立ちはだかって、どうにも動かせないことのように感じていたんだよなあ。そういうことを思い出させてくれる作品だと思います。

作品情報

『みちていく』

2015年6月27日(土)からユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本・編集:竹内里紗
音楽:金光佑実
出演:
飛田桃子
山田由梨
鶴田理紗
西平せれな
崎田莉永
山口佐紀子
篠原友紀
宮内勇輝
泉水美和子
小野孝弘
配給:トラヴィス

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