Songs We Dance To

The National feat. Bon Iver、角銅真実、SuiseiNoboAz、IVE、Itaqら、今週のおすすめ楽曲をレビュー

毎週更新のCINRAプレイリスト「Songs We Dance To」。ロック / ポップ、インディ、ヒップホップをはじめ、実験的なエレクトロニックミュージックからK-POPまで、ジャンルレスに選曲したプレイリスト(2022年8月22日週更新)から、編集部員が特におすすめしたい楽曲を紹介します。

The National (feat. Bon Iver) “Weird Goodbyes”

The National (feat. Bon Iver) “Weird Goodbyes”を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

設立40年超の老舗レーベル「4AD」の現代における代表的バンド・The National。新曲“Weird Goodbyes”はかねてから親交の深いBon Iverをフィーチャーした楽曲となる。Bon Iverのジャスティン・ヴァーノンとThe Nationalのアーロン・デスナーが2008年にスタートさせたプロジェクトBig Red Machineも継続して活動中で、昨年には2ndアルバムもリリースしている。

「過去を手放して前に進み、そのあとで考え直して途方に暮れるという曲」とリードシンガーのマット・バーニンガーが説明する新曲“Weird Goodbyes”は、日々の暮らしの中でできてしまった暗い傷跡をそっとなぞるようなメロディーラインと、ゴスペルのように折り重なるコーラスが印象的。リフレインで歌われる「なぜ私はもっと努力しないのか、私にはわからない」という歌詞に、針で胸を突かれたような気持ちになる、そんな人がきっと世界中にたくさんいるはず。(佐伯享介)

角銅真実“夜だか”

角銅真実“夜だか”を聴く(Apple Musicで聴く

2年半ぶりとなる新曲は、映画『よだかの片想い』の主題歌として書き下ろされた一曲。映画を見て、安川有果監督との意見交換を踏まえながら制作されたのだそう。レコーディングには、古川麦や巌裕美子、竹内理恵ら、角銅の音楽表現に欠かせないミュージシャンたちが参加。劇中で、松井玲奈演じる主人公アイコがラストシーンで見せた眼差しにインスピレーションを受け、心の中に灯った火が、風に乗り光となって煌々とのびてゆく世界を表現している。「自分や他者に向き合うことであったり、一つの決断や答えに辿り着いた後に見えはじめる景色というのがあると思います」とコメント。(川浦慧)

SuiseiNoboAz“亡霊に遭ひし事”

SuiseiNoboAz“亡霊に遭ひし事”(Apple Musicはこちら

日本語によるオルタナティブロックバンドによる新たな傑作と言うべき、SuiseiNoboAz『GHOST IN THE MACHINE DRUM』より。「音楽のなかに潜む秘密」をテーマにした本作で繰り返し用いられる「Ghost」「亡霊」「霊魂」という言葉には、複層的な意味合いが込められているのだが、この曲で「亡霊」はありのままの意味で使われる。

都市に沈殿し、層を成す、さまざまな時代に生きた人々の記憶、思念、情念、生の痕跡に目を向けて描き出される東京の街。タイトなドラム、うごめくベース、湿気をまとって浮遊するエレピのサウンド、鋭角で幾何学的なギターリフは、人間の欲望が形づくる都市というものの殺伐、不気味さを演出する。同じ都市の音楽でも、シティポップとはまったく異なる位相に存在し、強烈なリアリティーを感じさせられる。(山元翔一)

IVE“After LIKE”

IVE“After Likeを聴く(Apple Musicはこちら / Spotifyはこちら

“ELEVEN”、“LOVE DIVE"とデビューから立て続けにヒット曲を飛ばすIVEが、今夏にドロップした3rdシングルは、LGBTQアンセムでもあるグロリア・ゲイナーによる1970年代のディスコ曲“I Will Survive”をサンプリングした、大ネタ使いのハウスチューン。これに先立って公開されたサマーフィルムでは、『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の作家チョン・セランがテキストを寄せ、繊細な感情に揺れるメンバーのナチュラルな表情が捉えられていたが、今作で見せるのはこれまでの楽曲同様に大胆で力強い6人の姿。衣装が煌びやかに光り、花火が打ち上がるMVもとにかく景気が良い。K-POPの面白さをあらためて感じさせてくれる一曲。(後藤美波)

Itaq“Water Boys feat. aeoxve, Dirty Kiyomiya, バッドボーイ杉本 & 西園寺流星群”

Itaq“Water Boys feat. aeoxve, Dirty Kiyomiya, バッドボーイ杉本 & 西園寺流星群”を聴く(Apple Musicはこちら / Spotifyはこちら

若手随一のラップ巧者Itaqとaeoxve、Dirty Kiyomiya、バッドボーイ杉本、そしてBBBBBBBの西園寺流星群というインターネットヒーロー5人が一堂に会したサマーチューン。それぞれ「オルタナティブ」としか呼称しようがない特異なアーティストたちが清涼感のあるビートに乗せて叫ぶカオティックな言葉の数々は、雑多なツイートで飽和するタイムラインのように加速していき、気づけば聴く者に熱狂のみをもたらす。ノスタルジックなイメージとセクシャルなユーモアの奔流は(最後を飾る西園寺流星群のリリックが表すように)、2022年型のポストインターネットな現場のムードそのものを象徴している。ツイッタラーによるツイッタラーのための”GOKU VIBES”。(山本輝洋)

このほかにも、今週は七尾旅人、踊ってばかりの国、Skaai、OliverSim & Jamiexx、INI、BLACKPINKなどの新曲30曲を追加。CINRA編集部がいま聴いている曲をセレクトするプレイリスト「Songs We Dance To」は、Apple Musicで毎週水曜に更新中。



フィードバック 3

新たな発見や感動を得ることはできましたか?

  • HOME
  • Music
  • The National feat. Bon Iver、角銅真実、SuiseiNoboAz、IVE、Itaqら、今週のおすすめ楽曲をレビュー

Special Feature

coe──未来世代のちいさな声から兆しをつくる

ダイバーシティーやインクルージョンという言葉が浸透し、SDGsなど社会課題の解決を目指す取り組みが進む。しかし、個人のちいさな声はどうしても取りこぼされてしまいがちだ。いまこの瞬間も、たくさんの子どもや若者たちが真剣な悩みやコンプレックス、生きづらさを抱えながら、毎日を生きている。

記事一覧へ

JOB

これからの企業を彩る9つのバッヂ認証システム

グリーンカンパニー

グリーンカンパニーについて
グリーンカンパニーについて