電通クリエイティブピクチャーズと、芸能プロダクション・フラームが共同でバーチャルプロダクション撮影した短編映画『mopim(ムパン)』『道子、未知満ちて。』が本日6月13日から8月31日まで両社の公式YouTubeチャンネルで無料配信されている。
電通クリエイティブピクチャーズは2024年1月に横浜・鶴見区に撮影スタジオ「FACTORY ANZEN STUDIO」を開業。同スタジオ内に大型LEDディスプレイを常設するバーチャルプロダクションスタジオを構えている。バーチャルプロダクション撮影はロケに行かずとも、ロケをしたかのような映像をスタジオ内で撮影できるため、キャストやスタッフの移動、拘束時間の削減につながるという。
2作品はバーチャルプロダクション撮影の普及に向けて、バーチャルプロダクション撮影手法のひとつであるスクリーンプロセスにより制作された。
『mopim(ムパン)』の主演は有村架純。共演者にオダギリジョー、泉澤祐希らが名を連ねる。脚本・監督は水落豊。主題歌を高井息吹が担当した。
『道子、未知満ちて。』の主演は鳴海唯。小手伸也らが共演し、脚本・監督を武井咲華が務めた。
【『mopim(ムパン)』あらすじ】
百歳の誕生日。深夜の病室で孤独な死を迎えようとしている老婦、栗田節のもとへ黒装束の男が“お迎え”にやって来る。残されたわずかな時間、神様の計らいで若き日の姿に戻ってどんな場所へでも連れて行ってやると言う男。瞳を閉じて祈ると、節が行きたかった望み通りの場所へ。…どこへでも行けるなら、ひとつだけ大きな心残りのある八十年前へ連れて行ってほしいと告げる節。あの時伝えることができなかった大切な言葉を、亡き夫に伝えるために。
【有村架純のコメント】
短編映画『mopim(ムパン)』という作品に参加させていただきました。約10分のショートムービーではありながら慈愛に満ちた脚本、そしてバーチャルプロダクション撮影といった映像の最新技術を⽤いての撮影はとても素晴らしく、完成した作品を拝⾒してもなおその驚きは隠せません。
そこには全てスタジオで撮影したとは思えない壮⼤な空間が広がっていて、これからの映像界の可能性を考えるととても胸が⾼鳴りました。こうした最新技術を使いながらも⼤切なものを⾒失うことなく新しい物作りができるなら、、楽しみです。是⾮映像を観て体感してみてください。
【水落豊のコメント】
バーチャルプロダクションの有用性を実証する施策でしたが、周年企画ということもあり、ただの使用例にならないようストーリーにもこだわりました。一度しかない人生でいつか後悔しないよう、伝えたいことをちゃんと言葉にする大切さ。それによって人生は180度違うものになるかもしれない。若い世代にこのメッセージが少しでも伝わればという想いで脚本を書きました。ちなみに、タイトルの『mopim(ムパン)』はwidow(未亡人)をひっくり返した造語です。
【『道子、未知満ちて。』あらすじ】
マップアプリの360°カメラカーのドライバーとして働く道子。お気に入りのラジオとともに、街を眺めては空想に浸るのが、彼女にとって何よりの楽しみだった。天性の空想家である道子は、幼い頃から現実と折り合いをつけるのが苦手で、孤独感を抱えながら生きてきた。そんな彼女にとって今の仕事は、“ありのままで居ても許される”唯一の居場所となっていた。穏やかな日常を送る道子だったが、ある日、思いもよらない出来事が彼女の行動を変える転機となる。
【鳴海唯のコメント】
今回初めてバーチャルプロダクションを用いての撮影に参加させていただきました。
場所や時間、天候に左右されない画期的な映像技術に心が躍り、まるで実際に運転しているような心地で撮影に臨むことができました。見てくださった方は、これらがスタジオで撮影されているという事実に驚かれるのではないでしょうか。
ストリートビュー撮影車の運転手として働き、人と関わることを避けてきた女性が、少しずつ、世の中との関わりを持てるようになるまでのお話です。ぜひ、新時代の映像美とともにお楽しみください。
【武井咲華のコメント】
現実と空想のあいだを漂って生きてきた女性が、小さなきっかけを経て、閉じていた心の扉を少しだけ開いていく…そんな些細な変化を描いた作品です。作中に劇的な転機や、壮大なカタルシスはありません。ただ、暮らしの中にある風や光、気配を、バーチャルプロダクションの映像空間で再現しました。忙しない日々のなかで、自分の気持ちをふと振り返るきっかけとして、この作品がお役に立てれば嬉しく思います。












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