Netflixリアリティシリーズ『ラヴ上等』が12月9日から配信される。
MEGUMIがプロデュースする同作は、元ヤンキーなど「社会のはみ出し者」たちによる恋愛リアリティショー。山奥にある学校「羅武上等学園」に、不良と恐れられた過去を背負う男女11人が集まり、14日間共同生活する……。出演者同士の喧嘩や感情をむき出しにしたコミュニケーションなど、一般的な「恋リア」にはない要素も見どころだ。
今回の記事では、MEGUMIと共にMCを務めるAK-69と永野にインタビュー。自身も元ヤンキーのAK-69と、「恋愛リアリティショーには興味がなかった」と語っていた永野。二人が『ラヴ上等』の面白さや、現代人が持つ「恥の意識」の強さ、恋愛における感情のむき出し方について語ってもらった。
『ラヴ上等』予告編
恋愛リアリティショーのイメージは「しゃらくせえ」しかないですよ(笑)。
─『ラヴ上等』でMCを務められるお二人ですが、恋愛リアリティショーはご覧になったことありましたか?
永野:ないですね(笑)。
AK-69:2人とも本当にないですよね。
─恋愛リアリティショーへのイメージはいかがでしょうか?
AK-69:「しゃらくせえ」しかないですよ、本当に(笑)。穿った見方ですけど「どうせやらせだろ」とか、「演者は画面の向こう側を意識しているだろ」みたいな気持ちでしかなかったですね。
永野:リアルすぎる感想で良いですね(笑)。自分にとっては恋愛リアリティショーは「どうでもいいこと」というか。縁もゆかりもない出演者が出ていて、くっついてもくっつかなくても自分の人生には関係ないし……みたいな。本当に興味がなかったですね。それどころじゃないというか、自分のリアルライフの問題のほうが重要というか(笑)。
AK-69:「どうでもいい」っていうのは一番的を射ているかもしれないですね。
AK-69
─『ラヴ上等』は元ヤンなどの不良が集まる、恋愛リアリティショーとしては異色の番組ですが、実際に鑑賞してどう思われましたか?
AK-69:冒頭から出演者同士で衝突が起きたり、退学者が出たり、恋愛以外にも見どころがあって面白かったですね。
普通の恋リアでは起こらなそうな事件が起きたり、家族への気持ちを吐露する人がいたり、人のむき出しの部分を見ているような部分が素晴らしいと思いました。
永野:事前の印象では「恋愛リアリティショーのヤンキーバージョン」だと思っていたのですが、全然違う次元のもので面白かったです。
自分が持っていた恋リアのイメージと違って、浮き足だっていない印象でした。テーマは恋愛ですが、人が地に足をつけてどう生きているのかを深く見ることができました。
最終学歴少年院の暴走族元総長「塚原舜哉 a.k.a. つーちゃん」や、元武闘派ギャル「綺麗 a.k.a. きぃーちゃん」など、男性6名、女性5名の計11名が参加
─MEGUMIさんとAK-69さんが過去のご経験から出演者の気持ちを解説されるシーンも印象的でした。
AK-69:ごく自然に生きてきたなかで培った見解を話しただけなんですけどね(笑)。その界隈に生きてきたことで、彼らの行動を理解できた部分もあったのかなと思います。
─永野さんは、MEGUMIさんやAK-69さんのリアクションを隣で見て、どう感じていたのでしょうか?
永野:ヤンキーの人生って面白そうだなって思いました。ストレートだし、熱いし、くっきりしているじゃないですか。
不良じゃない人の人生は曖昧な部分もあると思っていて、例えば怒りやストレスを感じたとき、どう外に出せば良いかわからず病んでしまう人も少なくないですよね。
その点、「はみ出し者」とされている人たちは熱くてむき出しで。ちょっと憧れちゃいました。
現代人ってすごく『恥』の意識が強くないですか?
─恋リア初見のお二人から見て、恋愛リアリティショーとして面白いと思った部分があればお聞きしたいです。
AK-69:山奥の隔離された空間に、ヤンキーが恋をしに来ているわけじゃないですか。それだけでおもろいですよね。「なんやそれ! そんなこと普通ねぇぞ!」って思いました(笑)。
最初は「そんなにすぐ人を好きになるわけないだろう」と思ったんですが、僕も大人になってから参加した勉強会で3日間缶詰になったときには、それだけで仲間意識が芽生えたんですよね。
『ラヴ上等』ではメンバーが14日間一緒に寝泊まりしているので、そりゃ好きにもなるよなって。僕もちょっとやってみたいなと思ったぐらいです。
永野:自分は似たような性格の人とばかり一緒に過ごすタイプの人間なんですが、出演しているメンバーやMEGUMIさん、AKさんを見ていて「多様な人と触れ合わなきゃダメなんだな」と感じました。
最近は大人でも人を避けて、意見もぶつからないようにしてしまうけど、ぶつかりあって成長する喜びや、他人からしかもらえない言葉があったりするので。自分もこのままではいけないと内省しました。なんもかんでも「面白いです!」って言ってくれる後輩とばかりつるんでいるけど、それじゃあなんの成長もない(笑)。
─好きな相手と二人きりになれないイライラを、隠さずに見せるなど、メンバーが感情をむき出しにする点についてはどう感じられたでしょうか?
AK-69:「これ言ったらこういう空気になるな」とか、「これを言ったら俺はこう思われる」とか、普通だったら考えちゃいますよね。メンバーはみんな、いい意味で自分の思いを優先していたので、「自分も昔はこういうふうに感情をぶつけ合っていたな」と、忘れかけていた感情を思い出しましたね。
永野:自分は1つ喋ったことに対して、どう思われたのかということや、言い過ぎてしまったかなど、いくつも考えてしまってストレスを感じることもあるんですが……メンバーはみんなあんなにぶつかりあっているのに良い表情じゃないですか。
「ヤンキー嫌だな」と思っていた人も「あれ、楽しそうかも?」って感じると思いますよ。
AK-69:例えば『ONE PIECE』には弱虫なキャラもいれば、卑怯なキャラや勇敢なキャラもいるように、一人ひとりに強い個性がありますよね。
現実の世界でもそれぞれに個性があると思いますが、いまの社会ってそういう個性を隠しがちで、人と接するときには平均的で当たり障りない人を演じるんですよね。でも、出演しているメンバーは恥を忍ばず自分を出していて、受け入れる側も「こいつはこういうやつだから」と認め合うかたちが成り立っていく。
─「こんなに自分を出していいんだ」と思うシーンも多かったです。
永野:現代人ってすごく「恥」の意識が強くないですか? 「これ言ったら恥ずかしいな」とか、話したあとに「言い過ぎたかな」とか。そこをもうちょっと鈍感にしてもいいのかなと思いました。
自分だったら耳が赤くなってしまうような言葉を連発しているメンバーを見て、正直羨ましかったです。
AK-69:素直なんでしょうね、ヤンキーって。自分を省みないからこそ生まれた物語があったと思います。
言葉で人の心を縛ろうとするのは、自分がイケてないからなんです。
─恋愛に本気になることの面白さについて、お二人はどう思われますか?
AK-69:俺は恋愛してないですからね。恋愛については奴ら(参加メンバー)のほうがパイセンかもしれない。
永野:自分もAKさんもリアルライフの問題でいっぱいで、あんなに恋愛できたことなかったですよね。
AK-69:人を好きになってぶつかってみて、また次の人行ってとか……自分もしてみたいと思いましたね。最近は恋愛に対して冷めた目で見てしまっていたので(笑)。
永野:なかなか夢中にはなれないですよね。
─AK-69さんの番組内での解説が的確だったので、恋愛経験も豊富なイメージでした。
AK-69:人を愛する経験はヨンナナ(47歳)なので彼らよりも豊富かもしれないですね。恋愛に限らず、人を愛するうえで大事にしている考え方はあります。
─これまでに感情をむき出しにされる、もしくは感情を出さずに後悔したようなご経験はありますか?
AK-69:後悔はいっぱいありますよ。基本的に愛している人には感情をむき出しにしてきましたね。僕に限らず若いうちはそうかもしれませんが、嫉妬心も全部出して、言葉で相手をロックしようと(縛ろうと)しがちで。
「ほかの奴を見ないでくれ。遊びに行かないでくれ。連絡取らないでくれ」って自分のものにしようとしていましたけど、人の心をロックするのは自分がイケてないからなんです。
イケてる人間であることによって相手をロックできないと、本当に自分が望んでいる「俺のことだけを見てほしい」という状態にはならない、というのは経験でわかったことですね。
─最後に、これから番組を見る方に伝えたいメッセージをお願いします。
永野:『ラヴ上等』はヤンキーの恋愛リアリティーショーではありますが、自分みたいな恋愛リアリティーショーを見てこなかった人でも楽しめる人間ドラマだと思います。むしろ、普段恋愛リアリティショーを見ない人こそ見てほしいなと思います。
AK-69:通常の恋リアでは起こり得ないことが起こるし、Netflixじゃなかったらたぶん成立しなかったであろう場面もたくさんありました。恋リアというフォーマットだからこそ見られる、新鮮なヤンキーのぶつかりあいを楽しんでほしいなと思いますね。
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Netflixリアリティシリーズ『ラヴ上等』独占配信中
喧嘩上等。羅武上等。恋も喧嘩も命懸け! 純度100%、危険度120%。MEGUMIプロデュース、社会のはみ出し者として生きてきた男女11人が、14日間の共同生活で本気(ガチ)の「愛」を学ぶ、血の気たっぷりな新感覚恋愛リアリティショー。強行配信。夜露死苦。
スタジオMC:MEGUMI、永野、AK-69
主題歌:Love again / globe
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