特集ドラマ『ある小説家の日記』が3月8日23:00からNHK総合で放送される。
同作は、ヒットメーカーのミステリー作家が死後残した「日記」をめぐるサスペンスフルなヒューマンドラマ。念願かなってヒットメーカーを担当するはずだった女性編集者が、作家が残した日記の存在をその妻から教わり、日記をより魅力的に磨き上げて出版しようと持ちかけるというあらすじだ。
出演は主演の夏帆、シルビア・グラブ、板尾創路、松尾諭、林裕太。
夏帆は出版社「灯文舎」の中堅編集者で編集部に残留できるかの瀬戸際に立っている江藤恵役、シルビア・グラブは小説家・芹澤環の妻で、江藤の驚くべき提案を受け入れる芹澤真理子役、板尾創路は1年前に階段から転落死した人気ミステリー作家・芹澤環役、松尾諭は江藤の上司にあたる編集部長・林大輔役、林裕太は芹澤環の大ファンである編集部アシスタント・新木翔役を演じる。
脚本は上原哲也、音楽は髙位妃楊子、演出は平竣輔が担当。上原はテレビドラマ初脚本、平はテレビドラマ初演出となる。
【夏帆のコメント】
演出の平さんと脚本家の上原さんが温めてきたこの企画が選ばれ、映像化することになりました。おふたりともこのドラマがデビュー戦です。創作に熱意のある現場で、脚本を読んで感じた不思議な手触りが、どのように映像化されてるのかとても楽しみです。
あらすじを一読しても、どんな作品か見当もつかないかもしれませんが、このドラマにしか味わえない体験が詰まっていると思います。ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
【シルビア・グラブのコメント】
撮影中は夏帆さんとAIと、とても濃密な時間を過ごさせていただきました。
現代にあり得るこのAIとの関係性、まだあまり描かれていないこの世界観、演じながらとても興味深いと思いました。
みんなで愛情を込めて育てたこの作品が皆様に届くのが楽しみです。
【板尾創路のコメント】
芹澤環を演じました板尾創路です。一年間かけて本作の準備をしたスタッフの皆さんに報えるようにとの思いでドラマに参加させていただきました。このドラマは小説家・芹澤環に登場人物全員が思いを馳せる物語です。しかし芹澤環の場面は冒頭のシーンに集約されていて、存在感を出すにはどうすればいいか悩みました。今も完成を見るまで不安と楽しみでモヤモヤしてます。衣装、メイク、小道具すべてに神経を使って頂き現場の皆様に感謝しております。
視聴者の心に残るドラマになればいいなと思います。
【松尾諭のコメント】
少し前までは、AIはどこか空想の世界の話のように語られる存在でしたが、今ではすぐそばにある身近なものになっています。かつてSFとして楽しんでいた物語が、現実の延長のように感じられる時代になってきました。
「ある小説家の日記」は、そんな変化をそのまま映し出しているようなドラマです。撮影中に感じた空想と現実の間でふわふわと浮いているような感覚は他ではあまり味わえないものでした。出来上がりをまだ観ていないので、3月8日にテレビで観るのが楽しみです。
【林裕太のコメント】
新木役を演じさせていただく林裕太です。
描かれたものの中に描いた人の輪郭は存在するのか、そばにいる人のことを僕は理解していると言えるのか、台本を読んで、そんなことを最初に考えました。
人を理解するとは何か、思索しながら新木という役に向き合っていけたらと思います。
自分と他者について迫る作品に、素敵なキャストの皆さん、スタッフの皆さんと一緒に挑んでいけるのが楽しみです。
【上原哲也のコメント】
書きながら、これは言葉に翻弄された者たちの話だと気づきました。
タイトルにある「日記」は、私にとって書くことの原点です。自分が書いたはずの言葉が、読み返すと他人のもののように響く。言葉にはもともと、そういう借り物めいたところがあるように思います。
この物語を生きる人たちは、生活に追われながらも何かに間に合おうと、二度と会えない人をたどろうと、言葉に救いを求めます。その切実さの行方をどうか見届けてください。
【髙位妃楊子のコメント】
AIの怖さに切り込むこの作品を前に、私自身も創作に伴う「怖さ」を抱えながら制作に向き合いました。今や奇妙さもなく人の表現に綺麗に紛れ込み、時には自分でも辿り着けなかった言葉を代弁してしまうAI。自身の楽曲を模倣させる試みも重ねながら、新しい時代における音楽の価値とは何か、そして「共感」や「人間らしいいい曲」とは何なのかを問い続けています。
【平竣輔のコメント】
「一つの日記をめぐる物語をやりませんか」
上原さんにそう熱く語られたあの日から、気づけば一年半以上が経ちました。
夜な夜な企画について語り合い、好き放題に言葉を投げ、そのすべてを受け止め、形にしてくれた上原さんには感謝しかありません。
そうして生まれた物語は、すばらしいキャスト・スタッフの皆さんとの対話を重ねる中で、二人だけではたどり着けなかった場所まで羽ばたいてくれました。
創作の難しさに何度も立ち止まり、それでも創ることの喜びを感じながら、出来上がったドラマです。誰かの日記を、そっとのぞくような時間を楽しんでもらえたらうれしいです。
【あらすじ】
大ヒットミステリー作家・芹澤環(板尾創路)が階段から転落し、突然この世を去った衝撃のニュースから1年。
新作で担当編集者にようやくなれるはずだった江藤恵(夏帆)は、芹澤の未発表の原稿があると妻・真理子(シルビア・グラブ)から聞き、自宅を訪ねる。そこで彼女が見つけたのは、芹澤の残した「日記」だった。突然事故で死んでしまった芹澤の生前の思いが残る宝を見つけ、後ろめたい思いと共に高揚感を抱く江藤。読んでいくうちに、書かれている内容は本物らしいのに、どこか自分の知る「芹澤環」とは違うように思える。「これは、だれが書いたのか」。
一方真理子は、芹澤の死後、彼が自身の悩みを生成AIにだけ打ち明けていたことを知る。芹澤の残した日記にAIとの対話から受け取れる要素を創作として書き足し、江藤に見せていたのだ。
「人生の大事な1ページはいつですか?あなたにとってそれが今なら、私は喜んで新作を書く」と言っていた芹澤の言葉に無意識に呪縛され続けていた江藤。この日記をきっかけに、「人生のチャンスに間に合いたい」と欲望が膨らむ。江藤は真理子に、事故死の直前までの芹澤の日記を構築することを提案する。だが、数々の名作を生み出したヒットメーカーの心のうちを知りたいと思う人間は、この二人だけではなかった。
編集者としての自分にしがみつきたい江藤。亡き夫の本心に近づきたい真理子。二人の欲望が生んだ過ちは、予想もしなかったカオスを生み出していく―。
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