なぜJACK DANIEL’Sは世界で愛される?実は面白い創始者の生き様

見たことあるけど、実は知らないことばかりな「JACK DANIEL'S」

四角いボトルに茶色い液体、そして、黒地のラベルに描かれた迫力ある白い文字――お酒をたしなむ人はもちろん、そうでない人も、きっと、この重量感と存在感のある1本のボトルを目にしたことはあるだろう。言わずと知れたテネシーウイスキーの代名詞、「JACK DANIEL'S」。

JACK DANIEL'S(飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています)
JACK DANIEL'S(飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています)

世界トップクラスの売り上げを誇るアメリカンウイスキーで、150年もの長き歴史を持ち、数々の著名ミュージシャンたちが愛飲してきたことでも知られる、そんな「JACK DANIEL'S」の巡回型イベント『JACK DANIEL'S Experience 2017 Japan』が、今、47都道府県各地で開催されている。

では、世界中の多くの人々を虜にしてきたこのウイスキーの生みの親のことを、あなたはご存じだろうか? その名もまさに、ジャック・ダニエル。1866年の創業以来、変わらぬ製法を貫き続ける、言わばウイスキー界の生ける伝説を生み出した男だが、ウイスキー自体の知名度と裏腹に、その人物像は、意外と語られていない。彼は一体、どんな男だったのだろう?

ジャック・ダニエルは、どんな男だった? その強すぎるこだわりと人物像

本名、ジャスパー・ニュートン・“ジャック”・ダニエル。テネシー州のリンチバーグで13人兄弟の末っ子として生まれた彼は、実家が貧乏だったことをきっかけに、お酒の蒸留所を営む牧師のもとに預けられる。そこで蒸留所の手伝いを始め、その後、「牧師か酒か、どちらかにしろ」と家族に迫られた牧師が蒸留所を手放すこととなり、若くして蒸留所を譲り受けることとなった。

ジャック・ダニエル
ジャック・ダニエル

「JACK DANIEL'S」のボトルが何故、四角いのかと言えば、それはジャック本人が「俺の性格は四角四面だから」と四角い形のボトルを選んだのが始まりだという。彼の酒造りの特殊さは、今でもそのボトルに表されている彼の四角四面な性格によってもたらされていたようなのだが、その点を、「JACK DANIEL'S」を販売するブラウンフォーマン ビバレッジス ジャパンの北川直輝に解説してもらった。

北川直輝
北川直輝

北川:ジャックは、性格的に非常に頑固で、もの作りにおいても、自分の決めたやり方でなければ気が済まないし、「人と違うことをやる」という点にも、強いこだわりがあったらしくて。

実は、彼は158センチとかなり小柄な身長だったらしいのですが、そこからくるコンプレックスも、もの作りに対する熱意に変わっていたのかもしれません。生涯独身でもあったんですけど、その職人気質からか、かなり女性にはモテたらしいんです(笑)。

ジャックは、そのクラフトマンシップゆえに、ウイスキーの作り方も独特でした。ジャックが作り始めた当時は、ウイスキー作りにかかる費用の大きさによって、アメリカ全土で、たくさんの蒸留所が閉鎖していった時期でもあるんです。効率化を求めて製造方法を変えていく蒸留所も多かったのですが、そんななかで、ジャックは自らの作り方を頑として変えなかった。

純粋な湧水を使うために、東京ドーム30個分くらいの規模の土地を買い取って水源を確保し、樽は自社製のものにこだわり、自社製の木炭を濾過槽にして蒸留したウイスキーを濾過する独自の製法を生み出した。この製法は、150年経った今も、全く変わっていません。今の日本って、「やっぱり『普通』がいいよね」とか、「別に、一番じゃくてもいいよね」みたいな考え方の人が多いじゃないですか。だからこそ、僕はこだわりの強いジャック・ダニエルの生き様にも惹かれます。

「最高のお酒には最高の音楽が必要だ」。現代にも受け継がれるジャックのモットーと場作りの才能

そんなジャック・ダニエルにとって、ウイスキーと共に欠かせないのが、音楽。彼は、北川の発言にある「東京ドーム30個分くらい」の敷地のなかに、友人たちが集まるためのダンスホール付きの酒場をオープンさせ、自らが結成したバンド「シルバー・コルネット・バンド」で日夜、演奏を披露していたのだそうだ。

「最高のお酒には最高の音楽が必要だ」というのが、ジャック・ダニエルのモットー。「JACK DANIEL'S」といえば、フランク・シナトラ(シナトラの棺には「JACK DANIEL'S」が入れられたそう)を始め、数多くのミュージシャンに愛されてきたことでも有名なウイスキーだが、振り返ってみれば、ジャック・ダニエル自身が、かなりロックな気質の人物だったのだろう。

そして、お酒も、音楽も、その両方をわかち合うための酒場も、全てを自らの手で生み出してしまう職人としての自由さと、それらを通して人々と繋がりを生み出すコミュニティー作りの才覚が、ジャック・ダニエルという人物の特別さだったのかもしれない。

北川:きっと、ジャックは毎日が楽しかったんじゃないかな。日中は最高の酒造りに力を注いて、夜は自らの酒場で演奏して。そして今も、音楽が鳴る場所には「JACK DANIEL'S」がある。

たとえば、多くのバーやライブハウスには、メニューに載っていなくても「JACK DANIEL'S」は置いてあるじゃないですか。これは日本だけでなく、全世界共通なんです。「最高のお酒には最高の音楽が必要だ」というジャック・ダニエルの理念を、世界中の多くのミュージシャンが代々、継承してくれている証だと思います。

味はもちろん、「憧れのミュージシャンが飲んでいたから」、「父親や恩師が飲んでいたから」……そういったそれぞれの物語を持ちながら「JACK DANIEL'S」を愛している人たちがたくさんいるからこそ、僕らには「JACK DANIEL'S」の想いや生き様を語り継いでいく責任があるんです。

47都道府県を巡るJACK DANIEL'Sの「最高のお酒と最高の音楽」の旅

今回、そんなジャック・ダニエルの「最高のお酒には最高の音楽が必要だ」という意志と生き様を受け継いで開催されるのが、47都道府県各地で開催される移動式バーと音楽の巡回イベント『JACK DANIEL'S Experience 2017 Japan』だ。

全国を回る移動式バー「JACK CAR」
全国を回る移動式バー「JACK CAR」

5月12日に東京・サナギ新宿で行なわれた『JACK DANIEL'S Experience 2017 Japan』初日の様子
5月12日に東京・サナギ新宿で行なわれた『JACK DANIEL'S Experience 2017 Japan』初日の様子

5月12日の東京から12月2日の沖縄まで、移動式バー「JACK CAR」が全国を駆け巡りながら、「JACK DANIEL'S」と、この1本のウイスキーが生み出すコミュニティー精神を伝えていく。東京、大阪、広島、宮城、沖縄ではライブイベントも実施され、会場限定コンピレーションCDの販売や、その音源を流すことができるジュークボックスも楽しめる。そこには、KIRINJI、SPECIAL OTHERS ACOUSTIC、WONK、Polaris、堀込泰行、DE DE MOUSEなどの楽曲を多数収録。まさに、最高のお酒と最高の音楽の旅だ。このイベントを開催する意義について、北川はこう語る。

北川:ネットで繋がっている今の世の中だからこそ、フェイス・トゥ・フェイスで、ここでしかできない体験をしてもらいたいんです。普段から僕らは全国いろんな場所に行くのですが、どの土地にも絶対に、「ここのオーナー、『JACK DANIEL'S』が大好きなんだよ」っていう人がいるんですよ。僕は、そういう方々の「JACK DANIEL'S」との馴れ初めを聞くのが大好きで。

年月や想いは様々だけど、それぞれの人生のシチュエーションのなかに、「JACK DANIEL'S」が脇役として居合わせているんですよね。そうやって「JACK DANIEL'S」を愛してきた人たちに、もっと深く「JACK DANIEL'S」を知って欲しいし、彼らの「JACK DANIEL'S」愛も僕らに教えてもらいたいんです。

今回、筆者は5月12日にサナギ新宿で行われた『JACK DANIEL'S Experience 2017 Japan』のキックオフイベントに足を運んだのだが、とても開放的で心地のよい空間だった。

お酒やフードだけでなく、テネシー州リンチバーグにあるJACK DANIEL'S蒸留所をリアルに体験できるVRや、抽選でもらえる、自らの顔と名前が刻印されたオリジナル樽片などなど、この会場だけで楽しめる充実したアクティビティーたち。

JACK DANIEL'S蒸留所を体験できるVR
JACK DANIEL'S蒸留所を体験できるVR

『JACK DANIEL'S Experience 2017 Japan』のために作られたジュークボックス
『JACK DANIEL'S Experience 2017 Japan』のために作られたジュークボックス

ちなみに、筆者も「JACK DANIEL'S」を飲みながらジュークボックスでROTH BART BARONの“小さな巨人 (Little Big Man)”を会場に流してみたのだが、その壮大なサウンドのもとで飲む「JACK DANIEL'S」はまた格別だった。

会場となったサナギ新宿は、新宿駅近くの高架下にあるイベントスペース。ライブハウスなどのいわゆる「ハコ」とは違い、あくまでも開放された「スペース」なので、会場内で流れる音楽や、聞えてくる笑い声、そして「JACK DANIEL'S」のロゴに惹きつけられるように、仕事帰りと思しき人々が次々と会場に入ってくる。肩ひじ張らずにふらっと入り、自然と楽しめる風通しのいい空間作りも、このイベントの醍醐味だ。

JOHNSONS MOTORCARと東田トモヒロのライブに酔った一夜

この日は、多国籍メンバーで軽快なアイリッシュサウンドを鳴らす4ピースバンド、JOHNSONS MOTORCARと、シンガーソングライターの東田トモヒロがライブを披露。JOHNSONS MOTORCARの演奏では熱狂的な盛り上がりを見せ、踊り出す人たちも続出。東田トモヒロの力強い歌声とギターの音色は、「JACK DANIEL'S」がもたらす気持ちのいい酔いと共に、体と心の芯まで沁み渡るようだった。

Johnsons Motorcar
Johnsons Motorcar

東田トモヒロ
東田トモヒロ

この日、自分でも「JACK DANIEL'S」を飲みながら会場を見ていて実感したのは、お酒が人々を繋ぐことで生まれるコミュニティーの、そのゆるやかな心地よさだった。この日のサナギ新宿に集まった人々の間にあったのは、「同じものが好き!」とか「同じ考え方を持っています!」といった強い繋がりではなく、ただ、お酒が好きで、「JACK DANIEL'S」が好きで、偶然、同じ場所に居合わせただけの他人同士。ただ、そんな他人同士が、「楽しみたい」という理由だけで同じ場所をシェアできる、これってすごく感動的なことなのではないか。

別に、「わかり合おう!」といったような大仰な精神は必要ない。ただ、お互いを労り合って、同じテーブルで飲むなら笑顔で会釈でも交わして。それだけでいい。それだけで十分、僕らは同じ場所で楽しめるものなのだ。過度な共感が求められたり、逆に、いがみ合いばかりが目立ったりする今日この頃、そんなことを、「JACK DANIEL'S」に改めて教わった気がする。

やはり、お酒は人生の教科書のように、いろんなことを人に教えてくれる。大人になることも、人付き合いも、失敗も、喜びも……150歳の「JACK DANIEL'S」ともなれば、本当にいろんなことを知っていて、僕らに教えてくれるだろう。もし、あなたの街に「JACK CAR」がやってきたら、是非、「JACK DANIEL'S」の懐に抱かれながら、そのゆるやかな空気のなかで、いろんな楽しみを教わってみてはいかがだろうか。

イベント情報
『JACK DANIEL’S Experience 2017 Japan』

2017年5月12日(金)~12月2日(土)
会場:東京都 サナギ新宿ほか全国47か所



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