片桐仁と行く『アーティスト・ファイル2011』展

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テキスト:橋本倫史 撮影:菱沼勇夫

3. カラフルな作品から、ホラーめいたものまで

いよいよ『アーティスト・ファイル』展も折り返し。短い廊下を渡っていくと、ファンの音が響いてきます。

『片桐仁と行く『アーティスト・ファイル2011』展

「何スか、この部屋! 子どもが100円もらって遊ぶとこじゃないですよね? 奥にファンがあって、空気が送られてきてるわけですね。うわー、飛び込みたい!!」

ファンの空気ではためいているのは、パッチワークで縫い合わせられたスカーフの数々。作家である鬼頭健吾は、この作品を「どこまで行っても平面しかありえない世界」と説明していますが、繋ぎ合わせたスカーフはたしかに平面であるはずなのに、思わず飛び込みたくなる立体感を醸し出しています。

『片桐仁と行く『アーティスト・ファイル2011』展

「子どもは絶対、下にもぐっちゃいますよ。監視員、3人は必要でしょうね。僕も下にもぐって、ここから顔だけ出して寝そべりたいです(笑)」

スカーフの広がる平面の部屋には、どこか不穏な空気が漂っています。それはスカーフのせいでも銀色のせいでもなく、隣の部屋から響いてくる悲鳴のせい。暗い部屋に浮かび上がるのは、巨大なフクロウ男です。ただし、『ナイト・ウォッチ』というタイトルが示す通り、フクロウ男はただ部屋を眺めているだけ。部屋には獣じみたうめき声や女性の悲鳴が響き、それに連動して照明が点滅し続けています。

『片桐仁と行く『アーティスト・ファイル2011』展

フクロウ男に扮するのは、作家であるビョルン・メルフス。流されている悲鳴やうめき声は、ハリウッドのホラー映画などからサンプリングされたものです。

「僕も昔、B級ホラー映画はよく観てましたよ。『死霊のはらわた』、いまでも覚えてるもんなあ。死んだと思ってゾンビに近づいたら、実は生きてて鉛筆を人間の足に突き刺すんです。それが怖くて! (「キャー!」とスピーカーから悲鳴が響く)もー! なんだよー! 超怖〜い。いま起きたことすべてを、フクロウに見られているわけですね」

橋本倫史

1982年東広島市生まれ。ライター。07年、リトルマガジン『HB』創刊、編集発行人を務める。『en-taxi』(扶桑社)、『マンスリーよしもとPLUS』(ヨシモトブックス)等に寄稿。向井秀徳初の著書『厚岸のおかず』(イースト・プレス)制作にも携わる。

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