音楽をやるのに、理由なんていらなかった

いろいろなジャンルのアーティストに取材をして、彼らがなぜ表現活動をしているのか問うてきた。もちろん人それぞれの答えや想いがそこにはあって、乱暴に結論づけるわけにはいかない。しかし、ジャンルや表現を問わず、とある同類の、抗い難い返答をしてくる人たちが確かにいる。いや、それは「返答」というよりも、言葉にはし難いその人の生き様とでも言うべきものなのかもしれない。きっとその人は、その表現活動以外には生きる術を持てないような、ある意味非常に生きづらくて不器用で、しかしそのことにおいては圧倒的な業を背負っている、そんな風に思わされる人々。そういった人たちの表現には、たとえそれがどんな類いのものであれ、普通では感じ得ない特別な感触がある。

 

CINRAは以前から、古里おさむ=ウミネコサウンズの作る音楽を、音楽レーベルという立場で世の中に発信してきた。古里が作る音楽は、誰しもに届くポップミュージックとして秀逸だったし、その歌声は、自分の渇きを潤してくれる特別な響きを持っていた。インディーズアーティストの音源としては、かなりハイレベルで完成度の高い作品を作り上げたと言っていいと思う。

 

でも、古里おさむはその音楽を良しとしなかった。その作品を作るために、様々なものを切り捨ててきた彼が、また大切なものをかなぐり捨てて、次の音楽を作ろうとする。普通の頭では、なかなか理解できない行為だった。

 

それから2年ほど。30代半ばになった彼は、ようやく彼が探し求めていた「バンド=uminecosounds」に辿りついた。メンバー4人、それぞれがそれぞれの道を歩みながら、音楽だけをやり続けてきた人たちが集まったのだ。前置きが長くなってしまったが、この連載では、その4人のインタビューを掲載する。この中で4人はきっと、まったく違う「返答」をするだろう。しかし同時に、冒頭に書いた「生き様」の一端を、感じ取っていただけるのではないかと思う。



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