『CINRA.NET』編集部オススメ! 今、聴いてほしい東京のインディーズバンド5選

東京のインディーズシーンで活躍するバンドからは、音楽シーンの未来だけでなく、東京という街の雰囲気や、今を生きる若者たちの気持ちや状況を感じとることができます。 今回は、カルチャーニュースサイト『CINRA.NET』の編集チームのレコメンド文とともに、今後ますます話題となるであろう5つのインディーズバンドについてご紹介します。

※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。

D.A.N.

2014年に、桜木大悟(Gt,Vo,Syn)、市川仁也(Ba)、川上輝(Dr)の3人で結成されたバンドがD.A.N.。さまざまなアーティストの音楽を吸収し、時代に左右されない、ミニマルメロウなラブサウンドで追求したニュージェネレーションです。

2014年9月に自主制作の音源である、CDと手製のZINEを組み合わせた『D.A.N. ZINE』を100枚限定で発売後、すぐに完売。また、2015年7月にデビューe.p『EP』をリリースし、7月にはFUJI ROCK FESTIVAL’15 のRookie A Go Goにも出演しました。2016年4月に出された1stアルバム『D.A.N.』は、CDショップ大賞2016ノミネート作品に選出されるなど、まさに今もっとも勢いのあるバンドの1つです。

コメント/柏井万作(CINRA.NET編集長)
2015年、まだ21歳のD.A.N.が初めてリリースしたEPは、東京のインディペンデントな音楽シーンの中で瞬く間に話題になった。一瞬で心を奪うようなキャッチーさや音楽的な革新があるわけではない。しかし、若さに似合わず圧倒的にクールで知的で洗練されていたその音楽を聴いた人の多くは、「新しい感覚」を持った若者たちが登場したのだとすぐに気がつくことができた。
D.A.N.の音楽には、抑圧された衝動が、少しずつ解放されていくような快楽があって、それが今の東京の若者の感覚にあったのかもしれない。今の日本には停滞感が漂っていて、国や政治が良くない方に向かいつつある現状への不安がある。だから変わりたいんだれど、変われない。何かうまくいかない。周囲の様子をうかがい、変化を恐れる国民性もあるのかもしれない。図らずしもD.A.N.は、そんな東京の不安や抑圧を溶かしていく音楽を作っているのかもしれない。

D.A.N.
Official Site:http://d-a-n-music.com/

Yogee New Waves

東京を中心に活動するYogee New Wavesは、角舘健悟(Gt.Vo)、粕谷哲司(Dr)、矢澤直紀(Ba.※2017年1月に脱退)の3人によるバンド。角舘と矢澤によって2013年に結成されたこのバンドの初のライブは、その年のSUMMER SONIC公式オーディション企画『出れんの!?サマソニ!?』にて行われ、初のライブにも関わらず、ファイナリストにも選ばれました。2014年にはファーストアルバム『Paraiso』をリリース。そのアルバムは、年間ベストアルバムとして、数多くのメディアで取り上げられ、その後、多くのフェスにも出演。昨今、人気に拍車がかかっているバンドの1つです。

コメント/矢島由佳子(CINRA.NET編集者)
海外から見た「今のJ-POP」というと、きゃりーぱみゅぱみゅなど、音だけでなくファッションやビジュアル面でも個性のあるものや、嵐やAKB48といったアイドル、もしくは人気アニメの主題歌を思い浮かべるかもしれない。海外のリスナーにはまだまだ届いていないかもしれないが、2013年から活動しているYogee New Wavesも、これまでの歴史で生まれた「日本の音楽」を継ぎながら、今を生きる若者としての心情を歌にした、「今のJ-POP」だ。
Yogee New Wavesの歌には、ロマンと希望がある。ボーカルの角舘健悟は、「愛のことしか歌えない」と言い切る。閉塞感があるとも言われている今の日本に、彼らはわずかに光る希望を、音楽で掬い上げようとする。

Yogee New Waves
Official Site:http://yogeenewwaves.tokyo/

ミツメ

2009年に結成された、須田洋次郎(Dr)、川辺素(Gt.Vo)、大竹雅生(Gt. Syn)、nakayaan(Ba)の4人組バンドがミツメ。 2011年にセルフタイトルのデビュー作「mitsume」からこれまで4枚のアルバムをリリースし、ロックからダンスミュージック、ファンク、ポップなど様々な要素をバンドサウンドに昇華する、東京インディーズシーンで活躍する4人組です。

ライブ活動も精力的に行っており、Liquidroom、O-Nest、WWWなどといった東京の主要なライブハウスでのショーに加え、FUJI ROCK FESTIVALなどの国内の主要フェスにも出演。これまでにもイギリス出身のアダム・ベインブリッジによるソロ・プロジェクトKindnessや、アメリカのノイズロックバンドDeerhoof、イギリスのインディバンドVeronica Fallsなどとの共演も果たしてきました。

コメント/山元翔一(CINRA.NET編集者)
人と情報が目まぐるしく行き交い、その摩擦にさらされる東京。最適化が進み、曖昧なものを認めない、白黒はっきりしなければならないというムードを、東京に生きる私たちは多かれ少なかれ感じている。
2010年代初頭、こういった時代の空気を敏感に感じ取り、音楽シーンに姿を現したのがミツメだった。彼らは、心の中にある淡い感情や整理することのできない思い、あるいは記憶の片隅にあってふいにフラッシュバックする風景を、白と黒の境界にある滲みを掬いとるように音楽に変換した。その音楽性は、ギターポップやニューウェイブを基調とした、素朴さと音楽的な野心が交差する慎ましいものだ。ミツメの音楽には明快な主張も反抗もない。しかし、その在り方が、彼らのアイデンティティーそのものなのだ。

ミツメ
Official Site:http://www.mitsume.me

LUCKY TAPES

LUCKY TAPESは、高橋海(Vo,Key)、田口恵人(Ba)、高橋健介(Gt)の3人によるバンド。2015年にデビューアルバム『The SHOW』を発表後、都内のライブハウスをまわった全国ツアーではソールドアウトが相次ぎ、映画挿入歌へも抜擢されました。

2016年7月には、日本を代表するインストゥルメンタルバンドであるtoeのギタリスト美濃隆章をレコーディングエンジニアに迎え『Cigarette&Alcohol』をリリース。現在では、ホーンセクションや、パーカッション、コーラスを含む10人編成でライブをすることでも知られ、国内の大型フェスへの出演や台湾公演など、精力的に活動しているバンドです。

コメント/矢島由佳子(CINRA.NET編集者)
ボーカル&キーボード・高橋、ベース・田口、ギター・高橋の3人に加えて、ライブでは、トランペットやトロンボーンなどのホーン隊、パーカッション、バイオリン、コーラスなども交えた大所帯で、華やかなサウンドを繰り広げる。どれだけ狭くて暗い場所であっても、彼らの音が鳴った瞬間、一気にそこはゴージャスな空間へと塗り替わる。マイケル・ジャクソンをリスペクトしながら、ファンクやジャズ、ディスコなどの要素を吸収して、日本語と英語を混ぜた歌詞を歌うLUCKY TAPESは、どの国のリスナーにとっても耳馴染みがいいものでありながら、日本でしか聴けない音楽だろう。

LUCKY TAPES
Official Site:http://luckytapes.com/

Never Young Beach

Never Young Beachは、2014年に安部勇磨(Vo&Gt)と松島皓(Gt)の宅録ユニットとして活動をスタート。その後、阿南智史(Gt)、巽啓伍(Ba)、鈴木健人(Dr)が加入し、5人編成で活動するバンドです。2015年のCDショップ大賞にノミネートされたファーストアルバム 『Yashinoki House』、 2016年にはセカンドアルバム『Fam Fam』を発表し、多くの評価を得て、現在も引き続きロングセラー中。「西海岸のはっぴいえんど」とも称される、日本の歌を大切としつつもどこか南国の島に連れていかされるようなトロピカルなサウンドは、PVへの評価も高く、今チェックしておきたい東京のバンドの1つです。

コメント/飯嶋藍子(CINRA.NET編集者)
2016年の『朝霧JAM』では、そのトロピカルな演奏で、立ちこめた霧を晴らすような多幸感に溢れたステージを見せたネバヤン。サイケデリックフォークを基調としたメロウなサウンドと、悲喜交々を明るく照らして、日常の小さな幸せを掬い上げるチャーミングな歌詞を聴くと、世界はこんなにも鮮やかで愛に溢れているんだと気づかされる。
CDショップ大賞にもノミネートされた『fam fam』は、彼らが今までに見つけてきた、ささやかな愛がぎゅっと詰まっている。もう長い付き合いの恋人にもプレゼントしたこのアルバムは、なんでもない日を彩る特別なBGMになっている。家族や恋人、大切な友人たちとのひと時に温かく寄り添う祝福の音楽だ。

Never Young Beach
Official Site:http://neveryoungbeach.jp/
CINRA.NET

『CINRA.NET』は2003年に開設した、⾳楽、アート・デザイン、映画、演劇、書籍などの情報を紹介する⽇本最⼤級のカルチャーポータルサイト。毎日10本以上配信されるカルチャーニュースやインタビューなど、独自の視点や切り口をもつ充実したコンテンツで、ファンを増やし続けている。


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