韓国人ラッパーJa Mezzと巡る、ディープなソウル回基洞〜清涼里エリア

韓国で人気のラップバトルテレビ番組『SHOW ME THE MONEY』に出演し、スキルフルなラップで鮮烈なデビュー、その名を知らしめたJa Mezz(ジャ・メズ)。2015年に最初のEP『1/4』を発表してからコンスタントに新作を発表し、2018年には日本人ラッパーSKY-HIの楽曲『Name Tag』に参加。SALUをフューチャリングして話題になった『Pink is the New Black』なども記憶に新しい。
韓国のみならず、日本、中国とその活動の幅を広げているJa Mezz。そんな彼に、今回は自身のルーツともいえるソウルの旧市街・回基洞(フェギドン)〜清涼里(チョンニャンニ)を案内してもらった。レトロな韓国料理屋、居酒屋、カフェ・バーの宝庫だというこのエリアの魅力をのぞいてみよう。

※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。

「東大門」からも近い街「回基洞」は、ソウル1の学生街

ーJa Mezzさんにとって、回基洞エリアは馴染みのある街だそうですが、どんなところなのでしょうか?

Ja Mezz:有名な観光地「東大門(トンデムン)」の近くにある街なんですが、ソウル市立大学、韓国外国語大学、慶熙大学と3つの大学が集まっているので、大勢の学生たちが暮らしています。古い街並みや市場なども多く残っていて、長く暮らしている方もたくさんいます。

Ja Mezz:ぼくもこのあたりの大学に通っていたので、学生のときによく訪れていただけでなく、住んでいたこともあるんですよ。この街のほとんどのお店に行ったと言ってもいいくらいです。

ー観光客には聞き慣れない街ですが、学生街ということは面白いお店がたくさんありそうですね。

Ja Mezz:学生向けの美味しくてリーズナブルな飲食店がたくさんがあります。また、古い集合住宅やレンガづくりの学生住宅といったレトロな街並みの壁には、可愛らしいストリートアートの壁画が描かれていたり。

Ja Mezz:チヂミ横丁や韓国式の居酒屋もたくさんあって、ソウルの人々のリアルな生活が感じられるエリアですね。今日はそのなかでも思い出に残っているお店を3つ紹介させてもらいますね。

1990年代の雰囲気を味わえるカルチャーカフェ・バー『SILK ROAD』

ーまず、最初にあげていただいたのが『SILK ROAD』というバーですが、ここはどのような場所ですか?

Ja Mezz:ソウル市立大学の正門からすぐ近くのところの、回基洞と清涼里エリアの間にある、大学生たちに長い間愛されてきた、親しみやすい雰囲気のカフェ・バーです。2、3年前は毎日のように行ってましたね。一人でも、友人たちとも、恋人とも、弟ともよく行ってました。

ー『SILK ROAD』が好きな理由は何ですか?

Ja Mezz:雰囲気がとても特異なところかな。1980年代から続いているお店なんですが、大量のレコードや本が置かれていたり、ヴィンテージの家具や小物があちこちに置かれていたり。 店内はこじんまりとしているのですが、中央に大きなテーブルがあってみんなで囲めたり、個室になった二人横並びの席があったり、めずらしいつくりになっているんです。

Ja Mezz:席のまわりは狭いから横向きに座ってコーヒーを飲まなきゃいけなかったりすんですけど(笑)、ぼーっとするのにとてもいいんですよね。

ーおすすめのメニューはなんですか?

Ja Mezz:「アイス五味子茶」が好きです。ドリンクメニューもフードメニューも種類豊富なんですが、ぼくはこればっかり頼んでいました。 店内には韓国の歌謡曲がかかっていて、カクテルには可愛いトッピングがされていたり、1990年代の雰囲気を楽しめると思います。デートのときにも、一人ひっそり過ごしたい気分のときにもぴったりですよ。

SILK ROAD
新住所:ソウル特別市 東大門区 全農路 219
旧住所:ソウル特別市 東大門区 典農洞 103-347
営業時間:16:30-01:00 / 日曜日定休
電話番号:02-2244-2229
最寄駅:清凉里駅

学生たちの信頼を集める人気カフェ『Batkong』

ー次にあげていただいた『Batkong』は、どんなお店でしょう?

Ja Mezz:こぢんまりとしたカフェなので、店内で座って飲んだことはほとんどありませんが、回基洞のスタジオでレコーディングしていたころ、よくコーヒーをテイクアウトしていました。

ーそれにしても変わった店名ですね。

Ja Mezz:お店のロゴを見たらすぐわかるのですが、アメリカのコミック『バットマン(Batman)』と、韓国語の「Kong(コーヒー豆)」をかけ合わせた店名なんです。じつは社長の学生時代のあだ名からきているとか。店内もバットマンモチーフのアイテムでいっぱいです。

ーお気に入りのメニューはなんですか?

Ja Mezz:一番多く飲んだのがブルーラテ。ソーダが入ったちょっと珍しいコーヒーなんです。上はコーヒー、下はソーダの層に分かれているんですが、混ぜてから飲みます。こういった変わり種のドリンクメニューが豊富なんです。

Ja Mezz:そのほかにも、ブレンドコーヒーは濃厚な味のジョーカーブレンディングと酸味と甘みの強いキャットウーマンブレンドの2種類があります。 学生のお客さんも多いので、配慮してアメリカーノは2500W(約250円)とリーズナブルな価格設定になっています。社長は学生たちにとても親身で、将来の相談をしに来る学生もいるくらいだそうですよ。

Batkong
新住所:ソウル特別市 東大門区 慶煕大路 4ギル 50
旧住所:ソウル特別市 東大門区 回基洞 2-15
営業時間:平日08:00〜22:00 / 週末11:00〜22:00 (年中無休)
電話番号:02-6213-1835
最寄駅:回基駅

昔ながらの屋台風スタイルで韓国料理を提供する『ソボンポチャ(서봉포차)』

ーそして最後にあげていただいたのが『ソボンポチャ(서봉포차)』です。

Ja Mezz:回基洞で遅くまでやっている居酒屋で、店内は「ポジャンマチャ」と呼ばれる昔の屋台風のスタイル。1980〜90年代の歌謡曲も流れていて、昔ながらの韓国の飲み屋を体験したい人におすすめです。

Ja Mezz:クルーのほとんどが回基洞に住んでいたころ、ここでたくさんのお酒を飲んだ思い出があります。その当時は本当にしょっちゅう行ってましたね。韓国料理のつまみがどれも安くておいしいんですよ。

ー当時はどんなメニューを頼んでいたのですか?

Ja Mezz:海鮮チャンポン鍋やトッポッキラーメンなどの定番鍋メニューはもちろん、チーズがたっぷりの韓国風卵焼きケランチムやチヂミ、大きな干しタラもおいしい。マッコリやチャミスル(焼酎)に合うメニューがとにかく豊富なんです。生牡蠣や貝柱など、新鮮な海の幸を気軽に楽しるのも魅力です。

Ja Mezz:壁には来店したお客さんが自由にメッセージを書いたポストイットがたくさん貼られていて、本当に多くの人に愛されているお店です。

ソボンポチャ(서봉포차)
新住所:ソウル特別市 東大門区 回基路 146-1
旧住所:ソウル特別市 東大門区 回基洞 60-24
営業時間:毎日18:00~10:00
最寄駅:回基駅

「アジア中のアーティストとコラボレーションしたい」

ー今日はJa Mezzさんのルーツともいえる回基洞の街を紹介していただきましたが、今後の活動予定はいかがでしょうか?

Ja Mezz:具体的には決まっていないのですが、今年中にアルバムを出したと考えています。最近、誰も知らないような無名のルーキーたちと曲をつくっているのですが、そういった曲も収録した幅広いアルバムがつくれたらいいなと。日本や中国のアーティストとコラボレーションも構想中です。

ーこの記事ではじめてJa Mezzさんを知った人におすすめの曲を挙げるなら?

Ja Mezz:すべて聴いてもらえたら嬉しいですが、日本人ラッパーのSALUをゲストに迎えた一番新しい曲『Pink is the New Black』を聴いてもらいたいですね。



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