BiSHが6人全員で振り返る、この夏出演した17本もの音楽フェス

今年、BiSHの躍進っぷりは凄まじかった。1月から全国12か所を巡るツアー『BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR』をスタート。3月にはメジャー3rdシングル『PAiNT it BLACK』をリリースして、自身初となるオリコン週間シングルチャート1位を獲得。さらに5月に開催した横浜アリーナのワンマン公演『BiSH "TO THE END"』はチケット即完。8月はドキュメンタリー映画『BiSH Documentary Movie "SHAPE OF LOVE"』をリリースした。しかし、今紹介したトピックは氷山の一角にすぎない。

この夏は、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』『RISING SUN ROCK FESTIVAL』『SUMMER SONIC』をはじめ、17もの大型フェスに出演してみせた。結成当初は「新生クソアイドル」を標榜していた彼女たちは、今や、そこらのロックバンドを超えるほど数多くのロックフェスに立ち続けるまでになった。6人にとって、今年はどんな夏だったのだろうか? 躍進を続けるBiSHの6人とともに、この夏を振り返った。

「楽器を持たないパンクバンド」として、体ひとつでどうやってカッコよく見せるか考えてます。(チッチ)

—今年の夏は、いろんなフェスでBiSHの名前を見かけました。数えたら計17の夏フェスに参加されていましたね。

ハシヤスメ・アツコ(以下、ハシヤスメ):そんなに出てましたか!

—しかも、そのほとんどが初出場で。

セントチヒロ・チッチ(以下、チッチ):こんなにたくさんのフェスに出たのは初めてだったから「次はどこだろう」って、毎回次のステージを楽しみにしていました。全部楽しかったです!

BiSH(左から:アイナ・ジ・エンド、アユニ・D、リンリン、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ)

—ここまでオファーが殺到している理由はなんだと思います?

モモコグミカンパニー(以下、モモコ):誰とも被らないっていうのが大きいかな。ロックフェスに女の子6人組というのもあまりないし、こういうグループがフェスに1組入っているだけで、いい意味で目立つ。だから、メンバーとか曲は知らなくても観てくれるお客さんがいるのかなって。

モモコグミカンパニー

—BiSHは、ミュージシャンからの評価も高いですよね。

チッチ:フェスのバックヤードで「BiSHのライブを観たよ!」と言ってくださる先輩はいらっしゃいますね。この前は、Kjさん(Dragon Ash)が「お前ら、やべえなぁ~!」って駆け寄ってきてくださって(笑)。『氣志團万博』のときに、私たちの出番がDragon Ashの後だったんですけど、Kjさんは、出演後のご自身のインタビューもそっちのけで、私たちのステージを最前で観てくれて。それがめっちゃ嬉しかった。

セントチヒロ・チッチ

—Kjさんは、BiSHのどの曲が好きと言っていましたか?

チッチ:“NON TiE-UP”をひたすら褒めていただきました。「こいつら、<チンコシコってろ>とか言うんだぜ!」とか「可愛い子ぶるわけじゃなくて、かましてくる感じがめっちゃ好きなんだよ」って。あとは、SCANDALのHARUNAさんが「BiSH好きなんだよね」と言ってくれてビックリしました。私が高校生の頃から見てきた方が、そう言ってくださってすごく嬉しかったです。

—BiSHはクソアイドル時代は、アイドルフェスへの出演が多かったわけですけど、アイドルフェスとロックフェスでは違いは感じますか?

チッチ:かなり感じますね。会場の雰囲気とか、来ているお客さんの感じも全然違います。アイドルフェスでは若手アイドルが多いので「先輩」の扱いを受けるんです。逆にロックフェスはまだまだ下っ端だから、そういう場数の差も感じます。

—アイドルフェスの方が居心地はいい?

ハシヤスメ:いや、居心地悪いです!

—あ、そうなんですか!

ハシヤスメ:個人的な問題なんですけど、アイドルがたくさんいる場所では先輩として振舞わなきゃいけないし、若いアイドルの子に声かけられるとアタフタしちゃうので。ケータリングを取りに行くのも「行きたくないなぁ~」ってなっちゃいます(笑)。

ハシヤスメ・アツコ

モモコ:私はそんなに話しかけられないけど……。

アイナ・ジ・エンド(以下、アイナ):アハハハハ!

チッチ:ステージに関して言えば、アイドルフェスはキラキラしてるよね。出ている人も観ている人たちの眼も。

アイナ:私は学生の頃、クラスの可愛くて、モテて、キラキラしてる女の子に憧れてて。自分はそうなれないから「仲良くなりたいなぁ」と思っていたんです。そういう、クラスで輝いてたような女の子たちがアイドルフェスにはいっぱいいます。だから、居心地が悪いというか、場の空気になれない感じがある。

アイナ・ジ・エンド

—モチベーションの違いはありますか?

チッチ:アイドルフェスはみんな楽器を持たないし、どのグループも同じ形式で歌うからこそ、BiSHらしさが見えるようなステージを心がけてます。ロックフェスはバンドさんがいっぱい出るなか、BiSHは「楽器を持たないパンクバンド」として、体ひとつでどうやってカッコよく見せるかを考えてますね。

この1年でBiSHも強くなったんだな、って。(チッチ)

—『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』では、バンドを従えた面白い編成でしたよね。

チッチ:やっぱり生バンドは気持ちいいですね。

ハシヤスメ:あの日は“SMACK baby SMACK”で登場したんだよね。松隈ケンタさん(BiSHの音楽プロデューサー)が、後ろで演奏しながら私たちを観ているんですよ! それがすごく心強くて。

—初めて出るフェスが多いなか、『MONSTER baSH』(以下、『モンバス』)は去年に引き続き今年も出演されました。しかも、メインステージに立つことができましたね。

チッチ:『モンバス』は、私たちを初めて認めてくれたフェスという感じで。ホームみたいな感覚で歌えましたね。

ハシヤスメ:「来年はここに立てたらいいね」って話しながら、去年、メインステージで写真だけ撮ったんです。だから、実現できたのがすごく嬉しかったです。

チッチ:去年は、個人的にはあまり満足のいくライブをできなくて悔しかったんです。でも、今年はいいライブができたしすごく楽しかった。

左から:セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ

—リベンジできたんですね。

チッチ:はい。楽しかったし、お客さんとの一体感もあったので、成長できたのかなと思いました。この1年でBiSHも強くなったんだな、って。

アイナ:一体感もそうだし、今年はフェスを通してメンバー内の助け合いを感じました。『Vans Warped Tour Japan』では、1曲目の“GiANT KiLLERS”でリンリンがステージから落ちちゃって、それが超痛そうで。「リンリンのパートどうしよう」と考えながらやっていたんですけど、ハシヤスメが咄嗟にリンリンのパートを歌ってフォローしたことに感動して。

次の“SHARR”は、リンリンのシャウトがないと完成しない曲なんですけど「リンリンの代わりに私がシャウトしなきゃな」と腹をくくっていたんです。そしたら、ステージにリンリンが上がってきて。さっきまであんなに痛そうにうずくまっていたのに、2曲目で帰ってきてもう歌い出していて。あれは感動的だったよね。

チッチ:頭から血を流しながらステージに戻ってきて、めっちゃカッコよかったんですよ。幻かと思ったもん。

—リンリンさんは当時のことを覚えてます?

リンリン:床が濡れてて、ツ~っと前に滑って落ちちゃって。落ちた瞬間に「この光景、夢の中で一度見たことある」と思ったんです。

リンリン

モモコ:その正夢、怖すぎでしょ!

リンリン:結果、頭もそうだけどアソコも痛めちゃって。検査したら「恥骨にヒビが入ってる」と言われて、トイレのときもずっと痛かったです。今まで味わった痛みで1番でした。

チッチ:うわぁ……落ちたときはピクピクしてて、死にかけの魚みたいだったもんね。死んじゃうと思って本当にビックリした。

リンリン:へへへ。

お客さんを全部持っていくから、サンボマスターってすごいと思っています。気持ちを揺さぶるライブができるってカッコいいです。(チッチ)

—共演者のライブで印象的だったステージはありますか?

アユニ・D(以下、アユニ):私は最近ベースを始めたので、どのバンドさんもベースの方に注目して見るようになりました。

アユニ・D

アイナ:リンリンは『ビバラポップ!』で、珍しく他のアーティストさんのライブをずーっと楽しそうに観てたよね。

リンリン:(ニヤニヤしながら)ハロプロ出身の人とか、ハロプロの子たちを観てました。しかも、高橋愛さんと道重さゆみさんのリハもたまたま観れて……ヤバかったんですよ。

アイナ:ハロプロオタクやもんね(笑)。

リンリン:「こりゃあヤバイ!」と思って、世界中のハロオタにこの気持ちを伝えたくなりました。ステージを観ながら心が苦しくなる、めちゃめちゃ最高な時間でした。

アイナ:夢が叶った気持ちやもんな。

リンリン:(ニヤニヤしながら)うん。

モモコ:私は『THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL』で女王蜂さんを初めて観たんですけど、めちゃめちゃカッコよくて、そこから音源も聴くようになりました。

左から:アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー

チッチ:ライブがすごいよね。

モモコ:うん。生きる強さというか、生命力の強さを感じてウワァー! ってなった。気づいたら最後まで観てましたね。

チッチ:私たちはサンボマスターさんとよく一緒になることが多かったんですけど、サンボマスターさんは、初めて観る人も、いつも観ている人も全員釘付けにして帰っていく。お客さんを全部持っていくから「サンボマスターってすごいな」と思っています。そういう一体感があるライブとか、気持ちを揺さぶるライブができるってカッコいいですよね。大尊敬です。

ハシヤスメ:『氣志團万博』はめちゃくちゃよかったです。綾小路翔さんはじめ、主催の方のおもてなしが素晴らしいんです。わざわざ、9月生まれのモモコとアツコの誕生日ケーキを用意してくださって。幸せな時間でした。私も綾小路さんのような人間になりたいと本気で思いましたもん。改めて氣志團ファンでよかったなって。

左から:リンリン、ハシヤスメ・アツコ

—主催者の愛を感じるフェスって素敵ですね。

チッチ:そう思います。楽屋にお手紙を置いてくださる方もいたりして、すごく愛を感じるし、いいイベントにするために気持ちを注いでいるんだなって。

—それぞれのフェスに思い入れがたくさんありますね。

アイナ:私たちは、MCで個人的な話をすることがあまりないんですけど、『RISING SUN ROCK FESTIVAL』は北海道出身のアユニが自分の思いを話してから“オーケストラ”を披露したんです。それで私も気持ちを込めて歌えたし、すごくよかったなって。

チッチ:『メ~テレ MUSIC WAVE』は大雨でびしょびしょになりながらライブをしたんですけど、もう、途中からめっちゃ楽しくなってきて。

左から:セントチヒロ・チッチ、アイナ・ジ・エンド

夏フェスやツアーを通して、BiSHはまた進化してる気がします。(モモコ)

—この夏はフェスに参加する一方で、9月19日にはチッチさんとアイナさんがソロデビュー、アユニさんはソロプロジェクトのPEDROを始動して。

モモコ:アイナが『きえないで』をリリースしたときに、私たちのラジオで流したんですよ。そしたらブースの中で、アッちゃん(ハシヤスメ)も一緒に歌ってたのが面白かった(笑)。

ハシヤスメ:私の声は放送されてないんですけどね。アイナに聴いてほしかったの。

—ハシヤスメさんは、チッチさんが『夜王子と月の姫』をリリースしたときも熱心に聴いてたとか。

ハシヤスメ:リスナーとしてみんなの曲を聴いてますね。みんなの曲、すごく好きです。

モモコ:アユニのソロはかなり前から決まってたみたいで。BiSHの活動と並行してベースの練習をしていたから、相当忙しかったと思います。

—ベースはいつから始めたんですか?

アユニ:2月に買ったんですけど、ずっと触ってなくて。本格的に練習を始めたのは7~8月から。

左から:アユニ・D、モモコグミカンパニー

ハシヤスメ:いちばんフェスに出てた忙しい時期だよね。

アユニ:ベースを弾くようになって、バンドさんのすごさを改めて感じています。なんであんなに弾けるんだろう! って。

—そして、BiSHは初の全国ホールツアー真っ最中ですね。しかも12月5日は新曲『stereo future』のリリースも控えています。

BiSH『stereo future』CD盤ジャケット

モモコ:新曲、カッコいいです。私は“stereo future”を聴いたとき、灰色のでっかいお城の中に1人だけ寂しくぽつんといるようなイメージを感じました。

チッチ:孤独と戦っている感じだよね。歌詞は遠い世界の話みたいにも思えるんですけど、私たちの生活にも重なる部分があって。ストリングスがめっちゃカッコよくて、壮大です。ここまでスケール感の大きい曲はこれまでなかったので、新しいBiSHの一面が見せられるかなと思います。昨日までMV撮影をしていたんですよ。宇都宮の採石場とか、洞窟まで撮りに行きました。

—“S・H・i・T”はアユニさんが作詞を担当されたんですね。

アユニ:PEDROでは自分の思っていることを全部書けたので、“S・H・i・T”ではグループに戻って、BiSHを好きな人が喜んでくれる歌詞を書きました。私にしては珍しく、BiSHをテーマにしてます。

モモコ:歌詞を見たときに「これはBiSHのことを書いてくれてるんだろうな」とわかって嬉しかったです。Aメロの<六人十色>というフレーズなんて本当にその通りだし。それをアユニが書いてることがすごくいいなって。夏フェスやツアーを通して、BiSHはまた進化してる気がします。

リリース情報
BiSH
『stereo future』初回生産限定盤 (2CD+Blu-ray)

2018年12月5日(水)発売
価格:7,344円(税込)
AVCD-94215~6/B

[CD]
1. stereo future
2. S・H・i・T
[Live CD]
2018.08.29 ZEPP TOKYO
TOKYO BiSH SHiNE 4
1. NO THANK YOU (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
2. summertime (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
3. DA DANCE!! (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
4. 社会のルール (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
5. BUDOKANかもしくはTAMANEGI (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
6. 本当本気 (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
7. Lonely girl (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
8. スパーク (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
9. VOMiT SONG (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
10. サラバかな (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
11. デパーチャーズ (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
12. ぴらぴろ (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
13. プロミスザスター (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
14. beautifulさ (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
15. ALL YOU NEED IS LOVE (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
16. BiSH -星が瞬く夜に- (2018.08.29 ZEPP TOKYO)
[Blu-ray]
『TOKYO BiSH SHiNE 4』
1. NO THANK YOU
2. summertime
3. DA DANCE!!
4. 社会のルール
5. BUDOKANかもしくはTAMANEGI
6. 本当本気
7. Lonely girl
8. スパーク
9. VOMiT SONG
10. サラバかな
11. デパーチャーズ
12. ぴらぴろ
13. プロミスザスター
14. beautifulさ
15. ALL YOU NEED IS LOVE
16. BiSH -星が瞬く夜に-

BiSH
『stereo future』DVD盤(CD+DVD)

2018年12月5日(水)発売
価格:4,860円(税込)
AVCD-94217/B

[CD]
1. stereo future
2. S・H・i・T
[DVD]
『TOKYO BiSH SHiNE 4』
1. NO THANK YOU
2. summertime
3. DA DANCE!!
4. 社会のルール
5. BUDOKANかもしくはTAMANEGI
6. 本当本気
7. Lonely girl
8. スパーク
9. VOMiT SONG
10. サラバかな
11. デパーチャーズ
12. ぴらぴろ
13. プロミスザスター
14. beautifulさ
15. ALL YOU NEED IS LOVE
16. BiSH -星が瞬く夜に-

BiSH
『stereo future』CD盤(CD)

2018年12月5日(水)発売
価格:1,080円(税込)
AVCD-94218

1. stereo future
2. S・H・i・T

イベント情報
『BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"』

2018年12月22日(土)
会場:千葉県 幕張メッセ9・10・11ホール

プロフィール
BiSH
BiSH (びっしゅ)

アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dからなる楽器を持たないパンクバンド。2015年3月に結成。5月にインディーズデビュー。今夏、全国大型フェスへの多数出演を経て、2018年10月から開催された初の全国ホールツアー「BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR」を中野サンプラザ公演からスタートさせ、更に、12月22日には幕張メッセ9・10・11ホールにて史上最大2万人規模の単独ワンマン公演「BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL “THE NUDE”」を行うことが決定している。



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