深川麻衣×今泉力哉 お互いの「初恋」や「初挑戦」を語り合う

「はじめて」というのは得てして美しく、甘さも苦さも、大切な思い出として心に刻まれる。映画『パンとバスと2度目のハツコイ』で初主演をつとめた深川麻衣は、初日舞台挨拶で「自分にとって一生に一度の初主演、何年後かに振り返ったときにターニングポイントとして残り続けると思います」と話した。香りや情景、一つひとつのシーンに思いを馳せて、大切そうに話す深川の姿は「はじめて」の尊さを感じるものだった。

なぜ、人は「はじめて」に惹かれるのだろうか? 『パンとバスと2度目のハツコイ』で「はじめて」に向き合った今泉力哉監督と深川麻衣に「初恋」と「はじめてのこと」、ふたつの議題を投げかけて話してもらった。

見た目で「かっこいいな」と一瞬思ったとしても、保守的な性格なので、内面を知ってからでないと好きには踏み込めないです。(深川)

—DVDの特典映像である「ビジュアルコメンタリー」を拝見して、おふたりは気を置けずに話ができる間柄なのかなと感じました。監督と女優という距離感は保ちつつも、お互いにフランクに話をされていて。

深川:『パンとバスと2度目のハツコイ』(以下、『パンバス』)の撮影のときから、今泉監督はお話をする時間を作ってくださる方だったので、いつもお会いするのは楽しみですね。

今泉:街中で偶然2回も会ったことがあるんですよ。撮影前にちょうど脚本を渡したばかりの頃と、撮影後に、1日に2度も別々の場所でお会いして。不思議なご縁ですよね。

左から:今泉力哉、深川麻衣

—それはすごいですね。今回はおふたりと「はじめて」について考えたいと思い、ふたつほど議題を持ってきました。まず、『パンバス』のテーマでもある初恋について。おふたりの初恋はいつでしたか?

深川:私は小学校1年生から6年生までの6年間、同じ男の子に片思いをしていました。その子は外で活発に遊ぶ子たちとも、インドアタイプの子たちとも仲良くしている珍しい子で、私もよく一緒に遊んでいました。

今泉:クラスでモテる男の子でした?

深川:運動神経が抜群なタイプではなかったので、モテモテではなかったですね。でもある日、いきなり私にうさぎの消しゴムが3つ入ったケースをくれたんです。それがとってもうれしくて。家の机の、鍵がかかる引き出しの中にこっそり入れて、ずっと大切に閉まっておいたのを覚えています。クラスが離れても、ずっと好きでした。

今泉:クラスが離れ離れになってもずっと好きなのは、すごいことですね。その頃って、次に好きな人ができるまでは、ずっと同じ人を好きでいるような気がします。

深川:私も、どうしてずっと好きでいられたのか理由はわからないです。バレンタインに彼が好きな手作りのチーズケーキを渡す程度で、告白もせずに終わりましたし、彼も私が好意を寄せていたことは知らないと思います。でも、中学校がバラバラになってしまって、不思議なことにふと気持ちがなくなっていきましたね。監督はどんな初恋でしたか?

映画『パンとバスと2度目のハツコイ』で主人公ふみを演じた深川麻衣 © 2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会

今泉:なにを初恋とするか、という議論もありますけど、きちんと「好きになった」という意味では小学校3年生から6年生までの3年間、片思いをしていた女の子がいます。クラスのノリのいい奴らの道連れで、卒業式で強制的に告白させられましたよ。

じゃんけんで負けた人から告白したんですけど、僕は勝って最後になってしまって。みんなが緊張して全然告白しないから、結局卒業式終わりの帰り際に、言い逃げするみたいに告白をしました。

深川:返事も聞かずにですか?

今泉:どうせダメなことはわかっていたので、返事は聞かなかったですね。彼女とは中学校が一緒で1年間くらい変な距離感になってしまったんですけど、2年生のときに、彼女はバスケ部だったのに、辞めて急に僕がいた卓球部に入ってきたんですよ。「なんで?」って気持ちで、ずっと彼女には翻弄されていたように思います(笑)。

深川:でも、たしかに監督が言うように初恋ってどこからなんだろう? と思います。

今泉:僕は幼稚園でも、小学校入学当初にも、なんとなく好きな子はいたので純粋に数えればいま話した子は3人目。でも、きちんと「好きになった」と言えるのは彼女がはじめてなので、それが初恋なのかなと。

—いま思い返すと、「初恋」とはどういうものですか?

深川:なんでしょう、懐かしいですね。

今泉:お互いにいまなにをしているか知っているんですか?

深川:知っていますけど、再会しても映画のようにもう一度恋に落ちることはないと思います。私の初恋は「いい思い出」として記憶されてしまっているので。

今泉:でも、初恋の人にいま会うと、不思議な感じになりますよね。僕もその人の現在を知っているんですけど、いま会っても「ああ、この人を好きになってよかったな」と思います。むちゃくちゃな人になっていないし、いまも変わらず素敵な方で、僕は見る目があったなって(笑)。

深川:その気持ち、わかります(笑)。私の好きだった人も、いまもいい人そうでよかったです。

—そもそも「好き」がわからないから好きな人ができない、という人が最近多いですよね。

深川:多いですね。取材で聞いてびっくりしたのが、すごく好きだったのに、振り向かれると冷めてしまうって人が多いことです。それって不思議だなあって。

今泉:その設定は、僕の映画でよく描かれることですね。僕もずっと理想を追っていたい。「好きな人=理想像」だから崇め続けていたいのに、両思いになってしまうと僕と同じラインまで降りてきてしまう感覚があって、冷めてしまうんですね。

深川:監督は人を好きになりやすいですか?

今泉:昔のほうが、順序立てて時間をかけて、きちんと人を好きになっていたように思います。いまは、簡単に人を好きになっちゃいますね(笑)。

深川:えー(笑)。どうして、簡単に人を好きになれるんですか?

左から:伊藤沙莉、深川麻衣 © 2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会

今泉:惚れっぽいんだと思います。結婚していなかったら、未だに告白して振られる、を繰り返していたかもしれない。

深川:きっと、監督は人の長所や魅力的なポイントをすぐに見つけられるのかもしれませんね。だから、すぐに人を好きになってしまうのかも。

今泉:いいように言っていただいて、ありがとうございます(笑)。深川さんは、人をすぐに好きにならないですか?

深川:人をすぐに好きになることはないですね。一目惚れも経験ないです。見た目の好みはあると思いますが、「かっこいいな」と一瞬思ったとしても、保守的な性格なので、内面を知ってからでないと好きには踏み込めない。怖いのだと思います。

今泉:たしかに見た目だけで判断することは怖いですけど、時間をかけなくても少し話すだけでどんな人かわかるものだと思っています。でも、究極「好き」って人それぞれ。恋愛相談を一度受けたことがあるのですが、曖昧な答えしか返せなかったです。

過ぎてみないと、その時間の大切さはわからないですよね。(深川)

—『パンバス』は深川さんにとって初主演映画でした。舞台挨拶で深川さんがおっしゃっていたように、「はじめて」は2度とありませんし、それがいい思い出でも苦い思い出でも、大事なものになるんだろうなと思います。漠然とした問いですが、どうして「はじめて」は人にとって大切なものになるんでしょうか?

深川:こうやって話している間にも時間は過ぎますし、もう戻ってこないと思うと切ないですよね。学校生活だって、友だちとふざけ合っていたなんでもない時間も、苦手だった勉強の時間も、もう戻ってこない。そう思うと、もっとふざけ合えばよかったし、勉強すればよかったなって。過ぎてみないと、その時間の大切さはわからないですよね。

一生に一度しかない、と思うと「はじめて」はとても特別で、忘れたくない時間だし経験だなと思います。次第に薄れていってしまうけれど、その中で経験した辛かったことやうれしかったことはずっと忘れたくないです。

今泉:『パンバス』の撮影のことも結構覚えていますか?

深川:鮮明に覚えていますね。普段、私は言われてうれしかった言葉や、本や雑誌で目にとまった好きな言葉を手帳に忘れないようにメモするようにしています。撮影期間はすべてがはじめてでバタバタしていたので、その作業がおざなりになっていましたが、たとえメモしていなくても、撮影のことはすごく記憶に残っています。

「主演」という全体をまとめていかなければいけない立場なのに頼りなくて、悔しいことも多々ありました。でも、監督が「みんなで作ろう」という空気感で撮影を進めてくださったので、私と山下さんが悩んでいたラストシーンもじっくり相談をする時間を作ってくださって。演出ひとつ、セリフひとつとっても、いままでの自分にはない感情の引き出しを開けられるようになったと思います。

今泉:ありがとうございます。深川さんの話を聞くと、僕は人に比べて「はじめて」への意識が低いのかもしれないです。どこかさらさらしているというか……たとえば、卒業式って泣く人が多いですよね。

深川:私も中学校、高校と泣きましたね。

今泉:僕はいままで泣いたことがないんです。卒業式だってこれまでと同じ普通の日なのに、なにがそんなに悲しいんだろうと思ってしまう。

深川:おもしろい感覚ですね(笑)。「会えなくなってしまう」とは思いませんか?

今泉:たとえ離れても会えるだろう、と思うんですよね。泣いている人が変だとは思いませんけど、自分に関することになると、少し冷めた目で見てしまうのかもしれないです。自分のことではない、甲子園や映画ではすぐに泣くんですよ。甲子園なんて、毎試合泣きそうになる。でも、自分のことになると冷静になりますね。

左から:深川麻衣、山下健二郎 © 2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会

「はじめて」が怖くても、乗り越えたら自分自身がひとつレベルアップする気がします。(深川)

—初監督作品は特別だったと思うのですが、どのような気持ちでしたか?

今泉:『たまの映画』(2010年)というドキュメンタリー作品が初の商業映画という特殊なデビューだったんです。だから、デビューよりも短編映画ではじめて『水戸短編映画祭』でグランプリをいただいたときのほうがうれしくて。思わず親に電話しましたね。

深川:おおー! それはうれしかったでしょうね。

今泉:その日になにをしていて、どんな風に受賞して、親に連絡をしたのか全部鮮明に覚えていますから本当にうれしかったんだと思います。でも、そのときに味わった感覚も、いまはなくなっていますね。小さな頃から「はじめて」に対して特別な感情を持っていなかったけれど、ちょっとこのままではマズイ(笑)。

深川:監督は責任感が強いから、手放しでは喜べない方なのだと思います。ほかの人のことに関しては涙を流しても、自分のこととなると責任が伴いますもんね。

今泉:気にしいではあるんですよね。撮影やセリフ、小さなことでも引っかかってしまうと、ずっと考え込んでしまうんです。役者さんとはじめて会うときも、どう思われているんだろうと気にして緊張しますし、自分の中で納得できなかったことがあると悲しい気持ちになって、帰り道も「できなかったな」と思いながらトボトボ帰る。できたことへの喜びよりも、できなかったことの悔しさを引きずってしまうんですよね。

—あたらしいことに挑戦することに対して、恐怖心のようなものはありませんか?

深川:挑戦するものによるのですが、私自身はいろんなことに興味があるので、やらずに後悔するよりは「やりたい」という気持ちが勝りますね。

今泉:僕も同じです。何度経験しても、クランクインの日はどんな作品になっていくのか見えないので、お互いに探り探りで、うまくいくのかなとはよく考えます。でも、その緊張感も含めて乗り越えようと。

深川:昔、バラエティー番組で半ば強制的に富士急ハイランドのFUJIYAMAに乗ったことがあって。絶叫系が大の苦手で、本格的なジェットコースターに乗るのははじめてなのに、いきなり最高レベルに挑戦することになってしまいました。怖くて、ずーっと泣き叫んでしまったんですよ。でも、いきなり最高レベルを乗り越えられたので、それ以降はほかの絶叫系も楽しめるようになりましたね。

どんなことでも、そういうことってあると思います。できないと思っていたけれど、いざやってみたら意外とできてしまう。「はじめて」が怖くても、乗り越えたら自分自身がひとつレベルアップする気がします。

今泉:とても大事な経験ですね、大切なことだと思います。

1回目の「はじめて」がうまくいっていなかったら2回目はないでしょう。(今泉)

—『パンバス』はロングヒットし、深川さんは『第10回TAMA映画祭』でご自身としてはじめての大きな賞、「最優秀新進女優賞」を受賞されますね。『TAMA映画祭』の授賞式前ですが、どのような気持ちですか?

深川:緊張しています。受賞者の中で、最初に舞台に上がらなければいけなくて。でも、憧れだった映画の世界で、この作品で賞をいただけるのはうれしいですね。

—多くの人に『パンバス』が愛された要因について、監督はどんな風に考えられていますか?

今泉:最初は深川さんや山下健二郎さんのファンが映画館に来てくださっていた印象があります。おそらくシネコン作品をよく観られていて、僕が作るミニシアター系映画は新鮮だったのかもしれません。

繰り返し観てくださったことで口コミが広がって、僕の作品を普段から見てくださっているミニシアター作品を好む方々以外にも届いたのだと思います。普段のイメージと乖離することもあったでしょうけれど、お互いにいい作用がありましたよね。

深川:同じ仕事をしている人や、友人からも「観たよ」と言ってくれる声が多くて、ファンのみなさんも熱い感想をくださって、いろんな方面から反響をいただけたことがうれしかったですね。

左から:山下健二郎、深川麻衣 © 2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会

—テーマは「初恋」という普遍的なものでありながら、セリフや表情でいろんな可能性を感じ、観終えたあとに「恋愛にはいろんな価値観があっていいんだ」と思えました。設定は「バスを見ながらパンを食べるのが好きな女の子」という際どい主人公ですが(笑)。

今泉:そうですよね(笑)。僕の家の近所にバスの停車場があったんです。さまざまな映画に出てくる洗車シーンはとても魅力的で興味があったのですが、バスの洗車シーンというのは見たことがない。いつか使いたいなと、思っていたんです。深川さんもひとりでいることが好きな女の子だと伺ったので、あてがきをさせてもらえたのもよかったですね。

—深川さんは、最初に読んだ脚本から印象が変わることはありましたか?

深川:監督が私のキャラクターに近づけて役柄を書いてくださっていたので、共感できる部分はたくさんありました。ただ、恋愛観は違いますし、「普段の私ならこういった考えはしない」と演じながら改めて思いましたね。撮影自体は、監督が丁寧に日常を切り取ってくださって、その空気感がとても好きで撮影が楽しかったです。

—はじめてを経て、今泉監督の新作『愛がなんだ』では、2度目の共演をされています。2度目、というのはどんな心境ですか?

深川:『パンバス』は自分と役柄が近かったのですが、『愛がなんだ』の役は自分自身とかけ離れていて、特に仕草や物言いなどは挑戦させてもらっている役柄なので、どちらかというと『パンバス』よりも「演じる」ということを意識したかもしれません。

今泉:でも、『パンバス』と『愛がなんだ』どちらも観られた方から『愛がなんだ』の深川さんのほうがリラックスしていると言われたことがありますよ。僕からすればどちらも充分リラックスしていたと思ったのですけど、たしかにビジュアルコメンタリーで久々に見返したら、少しだけいまより硬かったかな、と。

—はじめてに向き合うときに、事前にされる準備などはありますか?

深川:「よし!」と気合いを入れる……くらいですね(笑)

今泉:意外と精神論なんですね(笑)。ゲン担ぎもありませんか?

深川:いまのところありませんね。本番の前日はきちんと早めに寝て、次の日「よし!」と気合いを入れて起きます。緊張してしまうときこそ、一段階ギアを上げるために気合いを入れる感じです。『愛がなんだ』は結構ギアを上げていったので、見ていただいた方にリラックスしているように見えたのならよかったです。

今泉:キャスティング時に、ほかのスタッフから「この役だけ深川さんと役柄に乖離がないか」という意見があがったんです。でも、僕は深川さんが吉沢亮さんと出演されているCMを見ていて、「できる」と確信していました。

深川:この短期間で、2本もご一緒させていただけてうれしかったです。

今泉:1回目の「はじめて」がうまくいっていなかったら2回目はないでしょうし、お互いにやりにくいと思うんですよね。「はじめて」を大切にできると、2回目や3回目が生まれるのかもしれないですね。撮影もバッチリで、さすがでした。2度目の出演というのはそう多くないことですし、特別でしたね。

リリース情報
『パンとバスと2度目のハツコイ』初回生産限定盤(Blu-ray)

2018年11月21日(水)発売
価格:7,992円(税込)

『パンとバスと2度目のハツコイ』通常盤(Blu-ray)

2018年11月21日(水)発売
価格:5,184円(税込)

『パンとバスと2度目のハツコイ』通常盤(DVD)

2018年11月21日(水)発売
価格:4,104円(税込)

プロフィール
今泉力哉 (いまいずみ りきや)

1981年福島県生まれ。映画監督。2010年『たまの映画』で商業監督デビュー。2013年『こっぴどい猫』がトランシルヴァニア国際映画祭最優秀監督賞受賞。『サッドティー』『知らない、ふたり』『パンとバスと2度目のハツコイ』など、独自の恋愛映画をつくり続ける。映画以外にも乃木坂46の特典映像なども手がける。最新作は角田光代原作『愛がなんだ』(第31回東京国際映画祭コンペティション部門)。また公開待機作に伊坂幸太郎原作『アイネクライネナハトムジーク』がある。

深川麻衣 (ふかがわ まい)

1991年3月29日生まれ、静岡県出身。乃木坂46の1期生として2011年8月に加入。2016年3月発売14thシングル「ハルジオンが咲く頃」で”センター”を務める。同年6月、グループを卒業。2017年は、舞台「スキップ」や、ドラマ「世にも奇妙な物語‘17秋の特別編ポニーテール」(2017年/CX)での主演など女優としての活動で注目を集め、『パンとバスと2度目のハツコイ』で映画初出演にして初主演。出演作『愛がなんだ』の公開が控えている。



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