MOROHAの優しき変化。孤高への憧れをかなぐり捨てて

「伝説を作るんだーー野音に限らず、そう思っていつもステージに飛び出した。だけどいつも、自分の書いた歌詞に気づかされた。俺は伝説を作れるような人間じゃない。これは、どこにでもある平凡な人生の歌だ。こんなもん、全然伝説じゃない」。

7月13日に行われた日比谷野音でのライブ、アフロはそう叫んだ。これまで、認められない悔しさや拭えぬ寂しさ、報われなかった努力、言い訳を探してしまう弱さを吐き出すようにラップを叩きつけてきたアフロ。UKのギターが感情の機微を彩り豊かに描き出すようにスケールを増していく中でも、その歌自体は常に自己葛藤を己の体に刻みつけるようにしてきた。

しかし『MOROHA IV』というアルバムの素晴らしさは、「自分は弱い」という叫び以上に、「幸せになりたい」という願いそのものを描くようになった部分に宿っていた。聴く人の人生により近いところで鳴り響くようになった歌は、ありのままの自分を受け入れることにも直結したのだろう。冒頭のアフロの言葉にも表れている通り、大げさなドラマがなくとも、日々を必死に生きること自体がとんでもない強さなのだと。「本気の綺麗事」を叫ぶライブへと変貌した。

そんなライブを見て、今のMOROHAをそのまま語り尽くそうとオファーしたのが下記のインタビューだ。唯一無二の編成、強烈なキャラクター、声のインパクト。そんな数々のフックを超えるだけの歌の強度と優しさを手に入れるための、大事なステップに2人はいる。

自分自身を「孤高」みたいに勘違いしてた部分があった。でも今は、「俺なんかしょうもねえな」って思う。(アフロ)

―『MOROHA IV』のツアー真っ最中だと思うんですが、初日の日比谷野音を拝見して、MOROHAのライブが大きく変化していると感じたんですね。

SpotifyでMOROHA『MOROHA IV』を聴く(Apple Musicはこちら

アフロ:今回のワンマンツアーは、『MOROHA IV』に収録した曲を全部セットリストに入れつつ、その日に感じたことをMCで話したりしながらライブをしてるわけだけど……そういう「今」と、これまで書いてきた歌がリンクする瞬間があると、やっぱりアガるんだよね。で、そういう瞬間が多いツアーになってる気がしていて。

MOROHA(もろは)
左から:アフロ(Rap)、UK(Gt)
2008年結成。アコースティックギター・UKとMC・アフロからなる2人組。楽曲、ライブともに最小編成で臨み、「対ジャンル」ではなく「対人間」を題目に活動。2018年に『MOROHA BEST~十年再録~』でメジャー進出。2019年5月にはアルバム『MOROHA IV』をリリースし、現在ロングツアーを開催中。11月8日にZepp Tokyoにてツアーファイナルを迎える。ライブハウス、ホール、フェス、場所を問わず聴き手の人生へと踏み込む楽曲を生み出し続けている。

―『MOROHA IV』という最新の自分たちに、過去の歌・言葉がリンクしている。言い換えてみると自分たちの変わらない本質を改めて理解できるっていうことでもあるんですか。

アフロ:ずっと現実と地続きでありたいと思ってる。それと、お客に言葉を吐きながら、自分に言い聞かせてる感覚もある。たとえば“ストロンガー”をやれば自分にも切迫感がやってきて、そういう時に、まだ満たされない自分を確認できるわけじゃん。もちろんお客さんが夢を見に来てる気持ちもわかるけど、そういうフロアに対して迎合せず、自分を貫くのも大事なことだと思うんだよね。

―「夢を見に来ているお客さん」と言われましたけど、新しいお客さんも増えてきてる実感もあるんですか。

UK:そうだね。メジャーに来てからの2年で、「ライブハウスに初めて来ます」っていうお客さんも増えてきて。これまでのMOROHAを知らない「初めまして」のお客さんが増えたからこそ、自分たちがどれだけの緊張感を持ってライブをしているかを最初に伝えるのは必要な気はしてるし、それが、本当に自分たちを好きでいてくれるお客さんと出会っていくために大事なことだと思っていて。

―振り返ると、“ストロンガー”はメジャーレーベルに移籍してから関わる人が増えて、その中でまだまだ自分たちがナメられていることを実感したからこそ牙を剥いた曲でもありましたよね。そういう意味で、MOROHAのガソリンは今も変わっていないと印象付ける曲でもあったわけで。

UK:もちろん、お客さんが自分で選んでエンターテインメントを買いに来てるのはわかってるし、楽しみ方はそれぞれなんだけどね。ただ、楽しさに振り切るとか、優しい言葉だけをかけるとか、僕らの音楽はそういうものじゃなくて、自分の情けなさとか弱さをエグるような、耳を塞ぎたくなるような歌がたくさんある。そういうMOROHAの核はブレないから、あとはそれを好きに見てくれればいい思う。ステージとフロアに一線を引く、ある種の非現実的なもの、圧倒的なものを見せることが、見る側の夢になっていったりすると思うから。

―初めましてのお客さんは増えているし、実際に『MOROHA IV』の楽曲がいろんなところで流れたり、2人それぞれソロの活動も増えていて、MOROHAの名前はちゃんと広がっている。その中で、何か意識の変化はあったんですか。

アフロ:そうだなぁ……。まぁ、広がったのが要因なのかはわからないんだけど、「俺なんか大した人間じゃねえぞ」って思うことが多くなったよ。

UKが言った「ステージとフロアに一線を引く」っていう意識が、俺個人の場合は逆になってきてて。……正直言うとさ、やればやるほど結果も出るし、自分自身を「孤高」みたいに勘違いしてた部分があったんだよ。これを言うのは恥ずかしいんだけど。

―それは最近のことなんですか。

アフロ:いや、きっと積み重なってきたものなんだと思う。1stアルバムを出したと頃からちょっとずつ、贅肉みたいについてきたもの。で、それを自覚したのが今回の作品のタイミングだった気がして。たとえば……メジャーにきていわゆる「音楽の世界」を見てきた中で、俺が憧れてた人たちも結局は「エンタメ」としてお化粧してたんだなって感じてしまったんだよね。

2018年12月に行われた中野サンプラザでの無観客ライブより

カッコつけたり、自分を立派に見せたりすることが、すごく狭い世界で自分の首を絞めてるっていうかさ。(UK)

―ご自身もその「お化粧」をしないとこの世界で闘っていけないんじゃないかと思った、そういう当事者としての感覚を話してもらってるんですよね?

アフロ:そうそう。俺が憧れてきた人たちは「お化粧なんてファックだ」「生身の勝負だ」って言ってたし、そこに「こんな俺でも何者かになれるのかもしれない」って憧れてきたんだけど……その人たちなりのお化粧があったんだって思ったときに、そうして飾った部分を隠さずに勝負するのは俺には無理だと思ったんだよ。これは、エンタメとして飾る部分があるのが悪だって話じゃないし、それによって夢が生まれたりもすることはわかっていて。

でも俺自身は、演出するのがどうしても無理だと思ったの。化粧が下手くそ。だからこそ改めて、自分の音楽は「自分はどれだけ浅ましいのか」「自分がどれだけ情けないのか」を曝け出してナンボだって実感したし、なんとなく孤高ぶってた自分にも気づけたっていうか……。

俺は人より若干語彙力があるから比喩を使ったり気の利いた歌い回しができたりするかもしれないけど、必死にありのままで生きている人の日常のほうがよっぽど本物だなぁ、とも思って。

―それは、今回のツアー初日だった日比谷野音のステージでも言ってましたよね。

アフロ:そう。だから自分の言葉を「深いんだぞ」みたいな表現にするのは違うなって改めて思ったし、自分を特別扱いするのはしょうもねえなって、より一層思うようになった。

7月13日に行われた日比谷野外音楽堂公演より

―それは『MOROHA IV』の歌にも直結する話ですよね。カッコつけたり取り繕ったりしながらも、弱さを乗り越えようと魂を削ってきた自分に「もっと素直でいい」と語りかける優しさと温かさに満ちた歌が多くなった。理想との乖離も受け入れる強さが曲になっていたと思うし、“うぬぼれ”という曲は、まさにそういう曲だったと思うし。

アフロ:そうだな……確かに、前回の取材でも「自分を救いたかったんだと思う」って話したよね(関連記事:MOROHAは人の孤独と汚さに語りかける。お前の真実を見せろ)。ここ最近は大きなステージに立つことも増えたけどさ、夢に見ていた場所に立つほど、「あぁ、そういう感じなんだ」ってわかっちゃう部分もあったりしてさ。妄信的に信じてた場所も結局はお化粧の世界かって実感したときに、ちょっと馬鹿らしくなっちゃったところはあるし、それによって「じゃあ自分はどうなんだ?」って鏡を見たというか。

―どうだったんですか。

アフロ:自分が書いた歌に対して「素敵だな」と思うより先に、「ちょっと待て」と思うことが増えた。俺なんて、もっとみっともないはずだよなって。

―そうなった時に、自分の今のガソリンはどういうものに変化したんですか。

アフロ:うーん……どんな自分になりたいか、どんなものをガソリンにしてるかって言われたら、それは今もわからない。ただ、外面を気にしてカリスマみたいな顔しようとしてた自分に指を指したい時期なのは確かだね。恥を知れ。みたいな。それを曲にしたいんだろうね。

やっぱり、「立派になりたい」「孤高でありたい」って思うこと自体が、今の自分を不幸だと思ってるように感じて。一生懸命生きて、幸せになりたい自分がいて、そこに向かって行く姿を「立派だね」って言われたら素敵なことだし、そうありたいと思うようになった。

だからライブも変わってきたのかもしれないね。UKは横で見てるので、俺のこと見て「カッコつけてんなぁ」と思ったことあるんじゃないですかね。

UK:あるけど、でもカッコつけるのが仕事なところもあるじゃん。ただ、「カッコよさ」って言ってもさ、凛としていてちゃんとしていて、っていうことだけじゃないよね。そういう意味では、アフロにはカッコいいところがいっぱいあると思うよ。どこまでも泥臭いし、とにかくガッツがあるし。

アフロ:そうか……俺が本当になりたかったのは、やっぱり完璧でクールで非の打ち所のないカリスマだったんだけど。根本からないものねだりだったなぁ。俺はおっちょこちょいだから、どうしたってボロが出る。憧れたあの人にも、あの人にもなれない。

UK:そもそも持ってる楽器も、選んだ音楽のスタイルも違う。だとしたら自分にしかないものを模索しないといけないし、そもそも人って、「カッコよくなるためにカッコつける大変さ」に気づいていくものなんだと思う。カッコつけたり、自分を立派に見せたりすることが、すごく狭い世界で自分の首を絞めてるっていうかさ。

アフロ:そうそう。そこから脱する為に優しくなっていくんだと思うのよ。幅広い人間性を許容するというか。自分を自分で孤高だと思い込むようになっていくと、どんどん本来の自分の姿と乖離していって、「自分はこうだ」っていうのがただの幻覚になるじゃん。そうなると、それ以外のものを受け付けなくなって心がささくれてしまうよね。

自分は自分だっていう自信を持てれば、人は人に優しくできると思うから。(アフロ)

―そうですね。ガワだけ固めて自分の見え方だけを維持することが目的になると、他のものをはねつけるようになる。

UK:そう、そんなことになったら息苦しいだけじゃん。何と闘ってるの? っていうことになってくる。

アフロ:俺が俺さえも耳を塞ぎたくなるような弱さに向けて作った歌の行く先は、本当の自分の形を知って、本当の人の形を知って、優しくなるためだと思う。自分は自分だっていう自信を持てれば、人は人に優しくできると思うから。やっぱり……生きてるなら歓迎されたいし、愛されたいじゃん。で、今思えば、俺はいろんな言葉で「愛される自分になりたい」っていう歌を歌い続けてきた気もするんだよ。

アフロ:そう考えると、やっぱり孤高ぶった自分にはリアルなことなんて何もないんだよね。そこが、今のライブの変化なのかもしれない。本当の自分で愛されなきゃ意味がないし、そのために弱さや情けなさを晒け出すのは変わらないと思うんだけど。

―それが、MOROHAの歌の本質だと思います。それに、その変化こそが、今MOROHAの歌がより一層心に響くようになった理由なんだと思います。

アフロ:“うぬぼれ”もさ、ライブでは「これは闘いの曲だ。ラブソングなんかじゃない、お前の、あんたらの曲だ」って言ってから演奏してるんだけど……そうやって、あの曲で歌っている<「ありがとう」くれて「ありがとう」><「ごめんね」なんて言わせて「ごめんね」>ってことを改めて考えるわけよ。

人に嫌な思いをさせないために、自分は悪くないのに反射的に謝ったり、ありがとうって心から伝えたいのに上手く言えなかったりーー決して孤高じゃなく人との関わりの中で歯痒さを感じてるし、みんな、逐一心の中で「本当の自分はどうなんだ」って闘ってると思うんだよ。それは一見無駄なことに思われるかもしれないけど、自分がしんどかったとしても、その時に自分の思った「優しい行動」に実際に救われている人はきっといるから。

―それは、アフロくん自身の話でもありますよね。

アフロ:そうなんだろうね。……「俺と同じように、本当の自分とはなんだっていう葛藤と闘い続けてる人たちがいる」って思わないとキツかったし、それくらい俺も、自分を取り繕うことですり減ってた。それも一度肯定しないと、何より自分がしんどかったんだと思う。

だからこそ、そういう気持ちをキメ台詞めいた言葉じゃなく、世間話の延長みたいに伝えられるライブにしたいと思って今ツアーを回ってるのよ。もちろん、ある程度の緊張感がないとヌルくなるけど、その緊張感ってなんなのか、俺らが歌う闘いってなんなのかをちゃんと紐解いていくようにやれたらいいなと思ってる。そういう意味で、俺はもう孤高になろうと思わない。

―野音のライブでも、「伝説を作ろうと思ってたけど、こんなの全然伝説じゃねぇ。毎日を必死に生きているあなたのほうがよっぽど伝説だ」という旨の言葉を叫んでいたじゃないですか。今のお話にも通ずる言葉だと思ったし、これまでMOROHAが歌ってきたことにも通底する言葉だと思ったんですね。結局は、自分の人生に対する言い訳を殺して、自分は自分だと胸を張るための自問自答が歌になる。それで言うと、改めてご自身では今の歌のエネルギーはどういうものだと思われてますか。

アフロ:……やっぱり、「ずっと寂しいから歌ってる」っていうのはより一層ハッキリしたところはある。寂しいというか、人と関わりたいから歌ってる。だから噛み付くし、愛されたいっていうことを歌にする。きっとそれは、ライブに来るお客さんだって一緒だと思うんだよね。お互い別のところで仕事をしてるけど、やっぱり愛されたいし人に歓迎される自分になりたいじゃん。……これ、文字にしたら面白くない話だと思うけどね?

―そんなことない。それをハッキリ言えるようになったアフロくんの変化が伝わります。

アフロ:ああ、それはそうだね。ハッキリ言えるようになったね。……ほら、孤高の人は絶対に「寂しいから歌ってる」とか言わないからね。

―いや、カリスマだって周囲の人に勝手に仕立て上げられていることも多いし、そういう意味では孤独を抱えてることだってある。そういう発想もあると思わないですか。

アフロ:ああ……そっかそっか。そうだね。そういう意味じゃ、誰もが寂しいし孤独を抱えてるっていうのが最終的な真実なんだろうな。どんなに歌って人とわかり合えた気がしても、寂しさは消えないんだなって思うし……それはなぜかって考えたら、人って生きれば生きるほど我が身が大きくなっていくからだと思うんだよ。

―体が大きくなる?

アフロ:たとえば昔は自分が傷つけられた時しか痛くなかったのに、恋人ができたら恋人が傷つけられた時にも痛いと感じるようになったりするじゃん。それって、相手を取り込んでどんどん自分の体がでかくなっていく感覚に近いと思うの。だから彼女が刺されたら自分も痛い。子供ができたら自分のいない未来も気になると思うし。世界の痛ましい事故とかに対しても、自分ごとのように辛い気持ちになったりとか、我がことが増えていく。だから世界平和に着地するのは理屈として納得する。

UKがずっと孤高でいてくれないと、俺がUKに対して下から反骨心を燃やすシステムがなくなるからね(笑)。(アフロ)

―それと同じような感覚が自分にもあるっていうことですか。

アフロ:そういう感覚も、ちょっとは生まれてきたんだろうね。ただ、それと同時に、「俺は俺が可愛いだけなんだ」って思うこともあってさ。寂しい、愛されたい、幸せになりたい……そうやって自分が可愛いだけじゃダメかな? 独りよがりじゃダメかな? って問いかけをライブでやってるのかもしれないよね。

―それで言うと、『MOROHA IV』は独りよがりな歌じゃなくなったから素晴らしかったと思うんですよ。<俺は俺を幸せにしたい>と歌えた“五文銭”をはじめとして、まだまだ幸せじゃない自分や寂しい自分を「可哀想な自分」としては歌ってないですよね。仮想敵を作ることもなく、孤独に酔うこともなく、ただただ幸せになりたい自分だけを歌えた作品。ざっくり言うと、何かに負けてるっていう言い訳がないんですよね。そこが気持ちいいし、決して独りよがりじゃないと思います。

アフロ:そうかあ……そうやって思うとそうだね。すごい。素晴らしいね。

―いや、素晴らしいのは2人の曲です。

アフロ:いや、言ってもらって気づけることってあるよね。たとえばちょっと違う話になるかもしれないんだけど……俺がヘコんで誰かにLINEした時に、俺の悩みに対して俺の歌詞でアンサーしてくるヤツがいるのよ。「これは自分の言葉でしょ」「自分で自分に聞いてみな」って言われて、最初は「お前の言葉を聞かせろよ」ってちょっと頭にくるんだけど。でも、よく考えてみれば、俺の歌と言葉をちゃんと自分の礎として解釈してくれているから、間髪入れず俺の歌を俺へのアンサーとして返してくれてるわけでしょ。

ってことはもう、俺の気持ちを書いただけのものだったはずが、俺の歌がその人のものにもなってるわけじゃない。だからやっぱり、「聴き手と一緒に作ってる」っていう感覚は増えてるんだろうな。今言ってくれたのって、そういうところなんだろうね。

―それはライブでもちゃんと表現できていることだと思います。それに、2人の関係性や役割は変わらないまま、曲のスケールとしなやかさが増していることも素晴らしいことだと思うし。

アフロ:俺はね、昔からずっとUKのことを孤高だと思ってんのよ。初めてライブハウスに行ったのも、UKのやってたコピーバンドを見に行った時だった。その時にギターを弾くUKがとにかくカッコよくて。俺のヒーローはずっとUKなのよ。

―そのリスペクトがこの2人の関係性ですよね。

アフロ:むしろUKがずっと孤高でいてくれないと、俺がUKに対して下から反骨心を燃やすっていうシステムがなくなるからね(笑)。それとは違う新しい角度で言えば、そんな俺の横でギター弾いてるUKの気持ちを曲にできたらいいよね。今度UKの想いを作文で書いてよ。包み隠さず。

UK:え、俺が? ………俺さあ、歌詞書く人に対して、「よくそんなに思うことがあるね」っていっつも思っちゃうんだよね。

アフロ:はははははは!

UK:日々思うことがたくさんあってもさ、書き記しておきたいと思うほどの強い気持ちは俺にはないんだよね。逆に言えば、吐き出さなくても大丈夫なタフさがあるっていうことなのかもしれないけど。でも、たとえばそのタフさを凌駕する強烈な出来事が起こったとしても、それを他所に伝えること自体が、自分に対しての侮辱だと思っていて。

アフロ:自分が自分のことを一番リスペクトしてるってこと?

UK:そうそう。他人に決められたくないっていうのが根本にあるから、自分で解決しちゃう。だからこそ葛藤を歌にできることへのリスペクトもあるんだろうし。葛藤も、自己完結で終わっちゃうからさ。自分で答えを出しちゃう。

アフロ:自分の中でMOROHAをもうやってるんだ。

UK:そう、自分の心の中のステージで。そういう意味では、ギターを使って表現することが天職なんだなって思う。たとえばMOROHAをやっててMOROHAにおいて嫌なことがあったら、2人とも同じだけ嫌な気持ちがあるはずじゃん。でもその消化の仕方がお互いに違うから、言葉になって、メロディが生まれて、曲になるんだと思う。

SpotifyでMOROHA『MOROHA BEST~十年再録~』を聴く(Apple Musicはこちら

アフロ:なるほどなあ(笑)。じゃあ、これからもまだまだ曲作れるってことだよね。いや、今日は自分でも気づけることがたくさんあったわ。だし、今回のツアーもまだまだ続く中でどういう発見があるだろうって、改めて自分でも楽しみになった。

―ツアーファイナルのZepp DiverCity Tokyoが終わっても、区切ることもなく今度は対バンツアーも待ってますね。孤高への理想を脱いだ素っ裸のライブ、楽しみにしてます。

アフロ:ありがとう。……でもまぁ、今もどこかで孤高になりたいって思ってるけどね。

UK:はははははは! どっちなんだよ!

アフロ:いや、いいんだよ、それで(笑)。いろんな感情で揺れてるから楽にはなれないし、だから歌が生まれるの。「自分は自分だ」って思ったとしても、また自分の惨めさやかっこ悪さを掘っていく葛藤は消えないんだよね。だからこそ、俺たちはまだまだ転がっていけるんだと思ってる。

リリース情報
MOROHA
『MOROHA IV』通常盤(CD)

2019年5月29日(水)発売
価格:3,024円(税込)
UMCK-1620

1. ストロンガー
2. 上京タワー
3. 遠郷タワー
4. 米
5. 拝啓、MC アフロ様
6. スタミナ太郎
7. 夜に数えて
8. いくつものいつもの
9. うぬぼれ
10. 五文銭

イベント情報
『MOROHA lV RELEASE TOUR「単独」』

2019年10月14日(月・祝)
会場:山形県 酒田hope

2019年10月19日(土)
会場:大分県 club SPOT

2019年10月20日(日)
会場:鹿児島県 SR Hall

2019年10月26日(土)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1

2019年10月27日(日)
会場:長野県 LIVE HOUSE J

2019年10月31日(木)
会場:沖縄県 G-shelter

2019年11月8日(金)
会場:東京都 Zepp DiverCity Tokyo

『MOROHA IV』RELEASE TOUR “対”

2019年11月10日(日)
会場:青森県 八戸 FOR ME
出演:
MOROHA
ATATA

2019年11月17日(日)
会場:大阪府 味園ユニバース
出演:
MOROHA
マキシマム ザ ホルモン

2019年11月22日(金)
会場:北海道 札幌 ペニーレーン24
出演:
MOROHA
岡崎体育

2019年11月23日(土・祝)
会場:愛知県 名古屋 ReNY Limited
出演:
MOROHA
立川吉笑

2019年11月27日(水)
会場:香川県 高松 TOONICE
出演:
MOROHA
THA BLUE HERB

2019年11月28日(木)
会場:愛媛県 松山 Double-u studio
出演:
MOROHA
THA BLUE HERB

2019年11月30日(土)
会場:高知県 高松 CARAVAN SARY
出演:
MOROHA
THA BLUE HERB

2019年12月1日(日)
会場:徳島県 club GRINDHOUSE
出演:
MOROHA
THA BLUE HERB

2019年12月6日(金)
会場:宮城県 仙台 Rensa
出演:
MOROHA
クラムボン

2019年12月8日(日)
会場:福岡県 天神 イムズホール
出演:
MOROHA
スガシカオ

2019年12月10日(火)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO
出演:
MOROHA
SiM

プロフィール
MOROHA (もろは)

2008年結成。アコースティックギター・UKとMC・アフロからなる二人組。楽曲、ライブともに最小編成で臨み、「対ジャンル」ではなく「対人間」を題目に活動。2018年に『MOROHA BEST~十年再録~』でメジャー進出。2019年5月にはアルバム『MOROHA IV』をリリースし、現在ロングツアーを開催中。11月8日にZepp Tokyoにてツアーファイナルを迎える。ライブハウス、ホール、フェス、場所を問わず聴き手の人生へと踏み込む楽曲を生み出し続けている。

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