ゴキ帝・白幡いちほ×プー・ルイ セルフ運営ってぶっちゃけどう?

2020年1月、BiSの元リーダーであるプー・ルイが、所属していた「WACK」の代表・渡辺淳之介から出資を受け、株式会社プープーランドを設立。社長および同社に所属する新グループ「アイドル研究所(仮)」のプロデューサーとメンバーを兼任することが発表された。つまり、自身が所属するグループの社長となり、セルフ運営でアイドル活動を行うのだ。

アイドルとして10年目を迎えたプー・ルイは、なぜセルフ運営という道を選んだのか。そのセルフ運営アイドルの先輩とも言えるのが、自ら立ち上げた劇場版ゴキゲン帝国Ωのリーダーを務め、2018年9月より同グループが所属する株式会社GOKIGEN JAPANの社長を務める白幡いちほ。プライベートでも親交があるという二人に、アイドルとして、経営者として、セルフ運営を行うことの是非について語ってもらった。

社長同士、名刺交換をする白幡いちほ(株式会社GOKIGEN JAPAN、劇場版ゴキゲン帝国Ω)、プー・ルイ(株式会社プープーランド)

なぜセルフ運営なのか? 二人が事務所を立ち上げた理由

―お二人とも現役アイドルにして、自分が所属する事務所の社長でもあるわけですけど、どういう経緯で会社を作ったんですか?

白幡:私、もともと芸人として事務所に所属していたんですけど、それからフリーランスになって、ゴキ帝(劇場版ゴキゲン帝国Ω)もフリーランスの状態で立ち上げたんです。そのときから、稼げるようになったら会社にしないといけなくなるだろうなとは思っていて。ずっと経理とかの準備はしていて、実際に会社にしたのが2018年9月でした。

―どこかの事務所に入るという発想はなかったんですか?

白幡:曲とか名前とか、コンテンツの権利を自分で持っていたかったんです。そうしないと「もう終わり」っていうスイッチを他人に持たせることになるじゃないですか。それが怖かったので、会社にしようと思ったんです。

白幡いちほ(しらはた いちほ)
セルフ運営アイドル集団・劇場版ゴキゲン帝国Ωのリーダー、株式会社GOKIGEN JAPANの代表取締役。元お笑い芸人という経歴を活かしイベントMC、バラエティなどでも活躍中。出演番組は、日本テレビ『芸人報道』『幸せ!ボンビーガール』『あのニュースで得する人損する人』、テレビ東京『サキよみ!ジャン BANG』『ほぼほぼ~真夜中のツギクルもの探し~』『家ついて行っていいですか?』、テレビ朝日『お願いランキング』など。『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』スクフェス感謝祭のMCも務める。

プー・ルイ:私は真逆ですね。10年くらい事務所に入ってアイドルをやってきて、いろいろグループは変わりつつ、去年解散したBILLIE IDLE®は、初めて自分の意図しない解散だったんです。それで「どうしよう!?」ってなったときに、渡辺淳之介さん(プー・ルイが所属していたWACK代表)に相談して。

―今後の身の振り方を。

プー・ルイ:そうですね。人生相談という感じで、何度かご飯に行って。最初はバンドやろうかなとか、いろいろ考えたんですけど、なかなかうまくいかなくて。

それで一人は嫌だとか、やっぱり歌いたいとか、でもしゃべりも好きとか、そういうのをポツポツと話してたら、「じゃあ、プロデューサー兼メンバーでやれば?」って言われたんです。最初はめんどくさいし嫌だったんですけど(笑)、流れに身を任せてたらBILLIE IDOL®は解散したし、もうやるしかなくなっちゃって。

―解散がスイッチになったんですね。

プー・ルイ:それ以外に道がなくなって。WACKからは「いらない」って言われたから(笑)。それで渡辺さんから「金は出すから外でやって」っていう。

―どこかが雇ってくれたなら、そのほうがよかった?

プー・ルイ:よかったですよ! スターダストとかアミューズとかに入れるものなら入りたい(笑)。でも、そんな大手が雇ってくれるはずないし、どこかに入ったとしても解散したら怖いし、そう考えたら自分でやるのがいちばんいいのかなって。

プー・ルイ
2009年デビュー。アイドルグループBiSの第1期オリジナルメンバー、音楽グループLUI FRONTiC 赤羽JAPAN(2017年解散)の元ボーカル、BILLIE IDLE®(2019年末解散)元メンバー、YouTuber、フェルト作家。2020年1月6日、「このたび(株)WACKの渡辺社長出資のもと会社を立ち上げ、わたしが社長兼プロデューサー兼メンバーという形で新グループを結成することとなりました」と発表。グループ名は「アイドル研究所(仮)」。

―白幡さんとは成り立ちが全然違うんですね。

白幡:私も大手に入れるなら入りたいと思ってますよ(笑)。

プー・ルイ:ブランド力、大事だよね。

白幡:ブランド力も大事だし、ゴキ帝は常に人員不足なんですよ。スタッフもメンバーも。

プー・ルイ:うちもいまはスタッフ一人もいないもん。

―全部一人でやってるんですか?

プー・ルイ:はい。渡辺さんが最初は全部一人でやった人で、「俺ができたんだからお前も一人でできるだろ」みたいな感じなんですよ。それを望まれてるし、できるところまでやらなきゃなって思ってます。

―プレイヤーか経営者か、お二人ともどっちかに専念しようとは思わなかったんですか?

プー・ルイ:私はプレイヤーに専念したかったけど、プレイヤーを続けるためには、自分で自分を雇う会社を作るしかなくて。だから自分の意思じゃない(笑)。もう年齢も30近いので、結果的にはよかったのかなと思います。

白幡:私もプーちゃんと近いところはあって。プレイヤーをやりたかったけど、プロデュースしてくれる人もいなかったし、後々の権利とかのことも考えて、自分でやったほうがいいなと。だから、やっぱりやるしかなかったんですよね。いまは逆にプロデュースに専念したい気持ちもありますけど(笑)。

―実際、そうやって裏方にまわっていく人もいますよね。

白幡:でも、そうするとプレイヤーとコミュニケーションを取って、自分の考えていることを表現してもらわないといけないじゃないですか。それが自分でプロデューサーもプレイヤーもやっていると、誤差が生じないんですよ。そこはすごくやりやすい部分だなと思っていて。自分というプレイヤーをコマとして考えているんです。

二人がアイドルであり続ける理由。アイドル界の異端児として、ポリシーを語る

―お二人ともアイドルであること自体にはこだわりがあるんですか?

白幡:別にこだわってはないです。

プー・ルイ:私もアイドルをやりたいというよりは、自分のやりたいことをできるのがアイドルっていう感じです。アイドルは何でもやっていいというか。バンドとかになると、バラエティー番組に出るだけで「お前はタレントか?」とか言われるじゃないですか。

白幡:チェキもできなかったり。

プー・ルイ:私はチェキも好きだし、番組に出るのも好きだから。演技は苦手だけど、演技をしているアイドルもたくさんいるし。歌って、演技して、しゃべっても許される存在って、アイドルくらいだと思うんです。

―とはいえ、二人とも世間一般がイメージするアイドルと比べると、かなり異端なことをやってきましたよね。アイドルとしての境界線については、どう考えているんですか?

プー・ルイ:犯罪しちゃダメくらいじゃないですか?

白幡:犯罪は絶対によくない。もともと私は芸人だったので、ゴキ帝はお笑いの延長みたいな感じなんです。お笑いの養成所に通っていたときに、「これをやったら誰かが傷つく」「これは誰かの泣き顔の上に成り立っている笑顔だからよくない」とか、授業で教えてもらったんですよ。

アイドルの線引きとは違うかもしれないけど、それは基準になっているかもしれない。BiSも過激なことをやってたけど、そのへんのジャッジがうまかったんじゃないかな。

プー・ルイ:たまに炎上してましたけど(笑)。

―でも結果を残してますからね。

白幡:セルフプロデュースだからといって、何をしてもいいわけではないと思うので、そこは勘違いしないように気をつけたいですね。オタクが引いちゃうこととか、両親が泣いちゃうこととか。まぁ、すでに私の親は泣いてるかもしれないですけど(笑)。

―法に触れたり、誰かを悲しませたりしなければ。

プー・ルイ:それはアイドルというよりは人としてですけど(笑)。

―最終的には見てくれる人を笑顔にしたい。

白幡:そうですね。根本はめちゃくちゃアイドルだと思うんです(笑)。人を傷つけずに笑顔にしたい。

プー・ルイ:めっちゃアイドル! 私は傷とともにみたいなところがあるというか。泣いてる姿でも何でもいいけど、私たちのことを見て、なんか俺もがんばろうみたいな感じになったらいいなって。

ゴキ帝のビジネスモデルは? チェキというアイドルの特権を活かしつつ、YouTubeに力を入れる理由

―いまのアイドルはライブ後の特典会が売上の中心になっていることが多いと思うんですけど、そこは経営者としてどう考えているんですか?

白幡:やっぱりチェキは発明ですね。あんなに原価率のいい商品はないので。

―極端な話、カメラとフィルムとメンバーがいれば成り立ちますしね。

白幡:私としては、ディズニーランドでミッキーとグリーティングするような感覚に近くて。ファンが入れ込みすぎちゃって、本当に付き合いたいみたいな感じでチェキをいっぱい撮るのは不健全だなと思うので、そこに頼りたくはないんですけど、そのマネタイズのしやすさはアイドルのフィールドで活動するひとつの理由でもありますね。

ただ、1時間で撮れる枚数は限られているから、頭打ちになっちゃうし、ファンの人のお財布からお金をもらってるわけだから、それだけだと難しくなっていくことは想定しています。だからこそ、YouTubeで売上を立てることを考えているんです。

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白幡:あとは企業案件でも稼げるように、もっとメンバー個人をタレント化したい。YouTubeをやっているのは、バラエティーとかに出たときにしゃべれるようにするトレーニングの意味もあるんです。

―チェキだけに頼ると長続きしないから、他の収入源の必要性も感じていると。プー・ルイさんはいまの話を聞いてどうですか?

プー・ルイ:私はCDの特典としてチェキをつけていたので、チェキだけを売ったことがなくて。今後もやらないつもりではいるんですけど、CDを売る時代でもなくなってるじゃないですか。

白幡:そうだよね。

プー・ルイ:でも、逆に言えばオリコンTOP10にも入りやすい状況だから、メジャーに行きやすいのかもなとも思うし。何が正解かわからないけど、とりあえずはいままでWACKでやってきた流れに倣って、ライブをたくさんしていこうかなと思ってます。

「握手券やチェキ券をつければ売れるんでしょと思って、クオリティーを下げてるようなところは、バレてると思います」(白幡)

―「CDを売る時代」ではないという認識はお二人とも一致しているようですが、具体的に音楽の位置づけはどのように考えているんですか?

白幡:CDを売ることは、ほぼ考えてないです。配信で曲を売ることはできるかもしれないけど、CDという「物」を買ったり、CDショップに行ったりする文化がどんどん薄れてきていると感じるので、曲とかCDとかは自分たちを売るためのプロモーションだと考えています。

曲がよかったらグループに注目してくれて、YouTubeを見て人を好きになってくれて、そうするとグッズが売れるから、そこで収益が上げられる。

―グッズを売るためなら、曲はタダで聴かせてもいい。

白幡:そのくらいの気持ちでいますね。でも、当然曲は大事だし、好きです。だから、作詞だけは全部自分でやると決めています。

アイドルだから曲調とかも自由じゃないですか。自分たちで歌詞を書くという統一性を出せれば、どんな曲調でもいいかなと思っていて、そこは遊びたいです。いろんな界隈からお客さんを取れるようにするためのひとつの武器だとも考えてますね。

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―CDがお金にならないなら、そこにはお金や手間をかけない選択肢もあると思うんです。

白幡:握手券やチェキ券をつければ売れるんでしょと思って、曲のクオリティーを下げてるようなところは、バレてると思います。ファンの人にも。

プー・ルイ:曲がよくないアイドルは売れてないよね。

白幡:うん。社長だけでやっていたら、利益だけを考えるかもしれないけど、プレイヤーもやっていると、そこに自分の感情が入ってくるんですよ。そもそも、これを表現したいからステージに立っているっていう部分があるから、そうすると手を抜く理由がない。自分がダサく見えるものはやりたくないですから。そこはお客さんも安心できるポイントになるのかなって。

―赤字になっちゃうけど、もう少しクオリティーを上げるためにお金かけよう、みたいなこともある?

白幡:全然あります。高いけど衣装は絶対これがいいとかもあるし、絶対この人に曲を頼みたいとかもあるし。アルバム制作期間中は、月に何十万っていうレッスン費をかけてボイトレもやってますから。

プレイヤー兼経営者の目線で語り合う、プー・ルイのこれからの活動プラン

―具体的な活動について二人で話されたりするんですか?

プー・ルイ:いや、全然。一度ご飯に行っただけで(笑)。

白幡:そのときに「会社やるんだけど、どうしようと思ってて」みたいなことは言われました。

プー・ルイ:「スタッフはどうしてるの?」とか、「どうやって曲の発注してるの?」とか。曲の発注の仕方も、いま私が考えていることと、いちほちゃんのやり方は違ってて。私は、軸になる人を一人立ててその人と心中するくらいの感じで考えているので。

白幡:もう見つかったの?

プー・ルイ:うん。友達の友達とかまで当たって、めっちゃ探して。その人に「一緒に死のう」ってお願いしました(笑)。

白幡:うちはいろんな作曲家さんにお願いしているので、全然違いますね。

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プー・ルイ:たぶん一人ではまわらなくなるので、他にもいい人を探すつもりですけど、その人の曲調をメインにして、あんまりブレないようにしたいなって。

―BiSに松隈ケンタさんがいるように。

プー・ルイ:そのやり方がいいなって、近くで見て思ったので。私がやりたいことは結局、仲間で一緒に上を目指して、達成して泣くっていうことなんですよ。

白幡:あー、気持ちいいやつね(笑)。

プー・ルイ:BILLIE IDLE®の解散が決まってから、自分のやりたいことを考えたときに、ただそれだけだったんだなと思って。そのメインに音楽があったらいいなと思っているんですけど、それをやるには一人の作曲家さんと密に連絡を取り合って、チームになって売っていこうぜみたいな。

白幡:自分で歌詞書くの?

プー・ルイ:自分でも書くつもりだけど、メンバーにも書いてほしいのでコンペにします。

―そういうプランは固まりつつあるんですね。

プー・ルイ:そうですね。基本、渡辺さんを見てきたので、いいなと思ったところは真似して。真似していいよとも言われてるから。

―そこで加えたい自分のオリジナリティーも?

プー・ルイ:それがYouTubeですね。WACKがやってないところのひとつでもあるし、自分がやってよかったなと思ったし、1年やって編集もできるようになったので。

白幡:編集もやってるんだね。

プー・ルイ:うん。でも、メンバーにもやらせようと思ってて。

白幡:そうしたほうがいいよ。まわらなくなるから。

プー・ルイ:自分で編集してると、他のYouTuberさんとコラボしたときに、相手の反応が全然違うんですよ。最初はしてないと思われてるから、「自分で編集してるんです」って話したらめっちゃ株が上がって。

―YouTuberは自分で編集が基本みたいな風潮がありますよね。

プー・ルイ:有名になると編集スタッフを雇うみたいですけど、最初はみんな自分でやってますよね。「Final Cut(編集ソフト)でやってて」とか、ちょっと専門的なことを話すだけで「マジか!」ってなるんですよ。

だからメンバーにも、最初は自分で編集させて、苦労させないと。微妙とはいえ私に知名度があるゆえに、最初からそれなりにお客さんが来てしまうと思うし、新しく入ってくるメンバーは勘違いしやすいと思うんです。

白幡:自分の力だって思っちゃうかもしれないもんね。

プレイヤー兼プロデューサーだからこその説得力がある。一方、運営上の難しさも

―いままでやってきたグループでも、そういう経験が?

プー・ルイ:よく怒られてましたね。初期メンバーですら、動員が増えると、ちょっと調子に乗っちゃうんですよ。調子に乗ってないつもりでも、まわりからは乗ってるように見えちゃうし。そこは人間だから避けられないのかもしれないけど、厳しくしたほうがいいなと思ってます。

自分でも裏方の業務をやったことで、なんであんなに言われてたのか、すごくわかりました。まわりががんばってくれてるから、うまく運営できてたんだなって。だからやっぱり、メンバーの教育は難しいなぁと思いますね。イエスマンになってほしいわけではないんですけど。

―メンバーの教育に関しては、白幡さんはどう考えていますか?

白幡:私も言い方を間違えて失敗したなと思うときもあるんですけど、セルフプロデュースだから、自己責任で判断してほしいんですよね。表に出たものは自分が納得してやってるということになるから、メンバーにも自分が思っていることを発信してほしいなと考えています。

「嫌だけどやった」って言っちゃうと、「何のためにやってるんだろう?」ってなっちゃうじゃないですか。それは自分のやりたくない仕事をやって生きながらえるのと同じだから。嫌なときは嫌だと言っていいけど、売れるかもしれないからやるという決断をしたなら、ちゃんと全力でやろうみたいなことは思いますね。

―BiSはそういう感じでしたよね。嫌かもしれないけど、やると決めたら全力でやる。

プー・ルイ:でも、当時は嫌の境界線がぶっ壊れてたから(笑)。

白幡:そういう意味ではプレイヤー兼プロデューサーだと、説得力はありますよね。やらせるだけじゃなくて、本人も実際にやらなきゃいけないから。

でも一方で、自分がプレイヤーじゃなかったら、そこでブレーキをかけなくてもいいじゃないですか。自分がプレイヤーだと、ファンからの運営に対する不満=メンバーに対する不満になってしまうけど、自分がプレイヤーじゃなければ解決する。だから裏方にまわったほうが円滑に進むんじゃないかなっていうのは、いまも考えていることですね。「私がすべてのヘイトを受け止めるから、君たちは自由にやってくれ」って。渡辺さんはそういう方だよね。

プー・ルイ:受け止めてるのかな? Twitterで反撃とかしてるけど(笑)。

―でも、憎まれ役を引き受けてるわけですから。

プー・ルイ:確かに。あえてやってる部分もあると思うので。

白幡:やっぱり憎まれ役がいるといいなと思うときもあります。

プー・ルイ:どうしよう。私、これから憎まれるのか。

―そうならざるをえないときがくるかもしれないですよね。自分が代表のグループなんだから、うまくいかなかったら自分のせいだし。

プー・ルイ:そうなんですよね。でも楽しみです。私、ドMなんで(笑)。

―なんなら叩いてくださいみたいな(笑)。

プー・ルイ:でも人に叩かれるのは嫌です。自分で追い込みたい(笑)。

SNSやセルフプロデュース文化が普及した先で。アイドルの戦い方、求められる能力や意識は、もう10年前とは全く違う

―セルフプロデュースのアイドルも増えつつありますが、お二人のようにプレイヤー兼プロデューサーとしてアイドル自身が運営をやっていることは時代の流れも感じるところもあるのでしょうか?

白幡:それはありますね。それこそ、よしもとの芸人さんとかも自分で会社を作るようになってきてますし、これだけYouTuberがいっぱいいるのもそう。私たちもセルフプロデュースと言ってはいるけど、プロデュースされてるアイドルさんとか、大手に入ってる人とかも、突き詰めたら結局みんなセルフプロデュースじゃないですか。その意識がないと、どこに行ってもできないと思います。

プー・ルイ:そういう時代だよね。

白幡:これだけSNSが盛んになってるんだから、事務所とかに広めてもらうんじゃなくて、個人の力でバズらせて広告するところまでできないと無理ですね。生き残っていけない。

プー・ルイ:ZOCが売れてるのとかも、時代の象徴っていう感じがする。

白幡:みんなうまいもんね。それも込みで能力だなと思います。

―誰でもアイドルできるわけじゃない。

白幡:ほんとそうですね。SNSが発達して、誰でもできるようになったと見せかけて。

プー・ルイ:競争率が上がっちゃった。実際、いまアイドルとして生きていくのってめちゃめちゃ大変だなと思います。既存の芸能人とは違う能力を求められる感じになってる。10年前はこんなんじゃなかったもん。まず事務所に入るのが第一段階。事務所に入らなきゃ無理みたいな。

白幡:プロのプロデューサーがいて、プロの広報の人がいてっていう時代じゃないのかなと思います。ただ、それを専門にやっている人の力は絶対にあるはずで。

セルフプロデュースだと他のアイドルや芸能人だけじゃなくて、プロのプロデューサーや広報とも戦っていかなきゃいけないんですよ。それには相当な覚悟が必要だと思う。セルフプロデュースだから多少ゆるくてもいいよねっていうのは甘え。じゃあ、やるなよっていう話だから。

―厳しい(苦笑)。では、この先アイドルとファンの関係性は、どう変化していくと思いますか?

白幡:基本的には同じだと思いますけど、SNSを中心にプロモーションしていくと、必然的に距離が近くなると思うので、そうなったときのアイドル側のホステス力というか、スナックのママ力みたいなものが求められるんだろうなと。

プー・ルイ:いい距離感を築かないと。下手な子は下手だよね。

白幡:そうそう。入れ込ませすぎちゃう対応をしたり、逆に言い返して嫌われちゃったり。

プー・ルイ:夢見てもらいつつ現実も見せるっていう。そのうまいバランスが。

白幡:そこはセルフプロデュースするにあたって、必要なアイドルの能力なんじゃないかなって。

プー・ルイ:地でいける子といけない子がいるよね。

中国進出を狙うプー・ルイ。その真意は?

―プー・ルイさんの今後の戦略は?

プー・ルイ:もう戦略も何も、まずは基盤を作ることですね。あとは1年目で潰れないこと(笑)。

―いまのアイドル業界において、どういうポジションを目指したいとかは考えてますか?

プー・ルイ:こういうポジションっていうよりは、そもそも次のグループは中国でアイドルをやることを目指していたんですよ。

―どういうことですか?

プー・ルイ:私のことを誰も知らない土地に行ってしまいたかったんです。バンドの話がポシャって、何やっていいかわからなくなったときに、最初のBiSが私の人生のなかでいちばん楽しかったから、あれがやりたいけど日本じゃ無理だなと思ったんです。ゼロからイチにはならないじゃないですか。

白幡:もう実績があるもんね。

プー・ルイ:だから中国に単身で行って、ゼロからやろうと思ったんですけど、「早まるな」と言われて(笑)。でも最終的には中国でやりたいと思っています。

WACKのアイドルをはじめとする変なアイドルグループが日本にはいて、アイドルはかわいいだけじゃなくて、かっこいいものなんだよっていうのを世界に広めたい。そういうコンセプトがあるんですよね。

プー・ルイ:本当は言葉もしゃべれない知らない土地に行って、泣いたりしたかったんです。でも、いきなり中国に行っても騙されて帰ってきちゃうから、一度日本で基盤を作ってから持っていきなさいって。

白幡:絶対いいと思う、中国進出。

アイドル、YouTuberの次は飲食店の経営。白幡とゴキ帝の今後のプラン

―白幡さんは今後の戦略はどう考えていますか?

白幡:いちばんはYouTubeを伸ばしたいです。収益化できたら最高ですけど、まずはYouTubeを見て知ってくれた人が、ライブに流れてくるようにしたい。

ライブをいっぱいやるのって大変で。狂ったようにライブをしてるアイドルもいますけど、それには限界があるから。ライブがない日でもYouTubeとか発信されているコンテンツがあると、ファンが離れていかないなっていうのは感じてて。だから、2020年は改めてYouTubeに数字をつけたいと思ってます。そうすると企業案件もつきやすくなるだろうし。

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―YouTubeをうまく活用することで、ファンが離れないし、企業案件も増えるし、いいことがたくさんある。

白幡:タレント力も上がりますしね。まぁ、歌やダンスをがんばるのは当たり前のことなので、それをわざわざ言う必要はないかなと。あとは3月21日にワンマンライブがあるんですけど、いま新メンバーのオーディションをしていて、そこでお披露目できたらいいなと思ってて。そのチケットを完売させることと、いいライブをすること。それが当たり前の目標です(笑)。

―ちなみに経営者としての野望もあるんですか?

白幡:実は飲食店を始めるんですよ。3月頭にオープン予定で。もう物件も押さえているんです。高円寺駅から徒歩4分のところで。

プー・ルイ:タピオカ?

白幡:いやいや(笑)。アイドルの話ができる飲み屋を作りたくて。店員さんもアイドル好きの女の子を雇うつもりですけど、コンカフェ(コンセプトカフェ)というよりは、アイドルファン同士の交流や情報交換ができる場にしたいなと思っています。

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白幡:やっぱりオタクがライブ後に飲み行ったりしてるのって、楽しそうだなと思うんですよ。ライブない日でも、ここに来たらアイドルオタクが飲んでて、店員さんもアイドル好きで、アイドルの話ができて、アイドル文化に触れられるお店を作りたいです。

プー・ルイ:すご~い。経営者だ。

白幡:オタクの人たちって、曲の解釈とかを勝手に作り上げて盛り上がってくれるじゃないですか。彼らも立派なクリエイターだなと思うんですよ。みんな一人ひとりがクリエイティブで、しかも昼間は普通に働いてて。もうスーパークリエイターじゃんと思って。

プー・ルイ:頭おかしいよね。

―褒め言葉として(笑)。

白幡:そういう人たちが本当に素晴らしいなと思ったので、飲食店に関してはゴキ帝のファンに向けてじゃなくて、アイドル文化が好きなクリエイターに向けた飲み屋にしたいなと考えています。そこで何かが生まれたら、アイドル文化全体にも貢献できるかなと思うし。

プー・ルイ:そこで話題になったグループは売れるみたいな。

白幡:そうなったらいいなって思いますね。

プー・ルイ:早めにフライヤー置きに行こう(笑)。

対談後に行われたアフタートークはこちら(YouTubeを開く

劇場版ゴキゲン帝国Ω『インディーズベストベスト』を聴く(Apple Musicはこちら
リリース情報
劇場版ゴキゲン帝国Ω
『インディーズベストベスト』

2020年1月29日(水)配信

1. 人の金で焼肉食べたい
2. GGT-ROCK
3. 大切なお知らせ
4. カミサマ
5. vs.MAD
6. Nice to meetune
7. すごいすごい優勝のうた
8. I NEET YOU
9. 深夜のラーメン最高
10. ガチ恋sorry

プー・ルイ
『みんなのプー・ルイII』(CD)

2020年3月11日(水)発売
価格:3,300円(税込)
DDCZ-2253

[DISC1]
1. I'm in love
2. zuruzuru
3. 普通の恋愛
4. GiRLS WAR
5. いりーがる
6. スレチガイ
7. KEY ASK
8. NONONO

[DISC2]
1. I'm coming!!
2. You too
3. Story
4. れーぞんでーとる
5. Give me pain
6. WHY?
7. 限られた時間の中で☆
8. One day

イベント情報
『劇場版ゴキゲン帝国Ω 1st ONEMAN LIVE 逆襲のSHOW』

2020年3月21日(土)
会場:東京都 渋谷WWWX

『プー・ルイ LAST DANCE II』

2020年3月13日(金)
会場:東京都 渋谷 Star lounge

プロフィール
劇場版ゴキゲン帝国Ω
劇場版ゴキゲン帝国Ω (げきじょうばんごきげんていこくおめが)

『理不尽と戦え』をキャッチコピーにストレス社会と戦うセルフ運営アイドル集団。通称「ゴキ帝Ω」。2018年9月3日に音楽ブロダクションである株式会社GOKIGEN JAPANを設立。リーダーの白幡いちほが「代表取締役 兼 ブレイヤー」に就任し、グルーブの運営から、楽曲のブロデュース、作詞、振付、経理、確定申告もすべて自分たちで行っている。「2021年に日本武道館公演」という目標の実現に向け、日々奮闘中。

プー・ルイ

2009年デビュー。アイドルグループBiSの第1期オリジナルメンバー、音楽グループLUI FRONTiC 赤羽JAPAN(2017年解散)の元ボーカル、BILLIE IDLE®(2019年末解散)元メンバー、YouTuber、フェルト作家。2020年1月6日、「このたび(株)WACKの渡辺社長出資のもと会社を立ち上げ、わたしが社長兼プロデューサー兼メンバーという形で新グループを結成することとなりました」と発表。グループ名は「アイドル研究所(仮)」。



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