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フレデリックのイマジネーションを、アートワークやMVから考える

フレデリックのイマジネーションを、アートワークやMVから考える

フレデリック『TOGENKYO』
テキスト
金子厚武
編集:矢島由佳子、川浦慧

「フェスで盛り上がれるダンスロック」以上のポテンシャルを持っている

テレビアニメ『恋と嘘』のオープニングテーマに起用された“かなしいうれしい”も話題を呼んだフレデリックが、ミニアルバム『TOGENKYO』を10月18日に発表した。今から3年前、YouTubeで驚異の2600万再生(2017年10月現在)を記録している“オドループ”によって、一躍「フェスで盛り上がれるダンスロックバンド」の最前線に躍り出たわけだが、その後はメンバーチェンジを経て(2017年5月にサポートドラムとして活動していた高橋武が加入)、自分たちのオリジナルなグルーヴを再構築。

もともと直線的なビートだけが売りのバンドではなく(デビュー作のプロデューサーはFishmans / Polarisの柏原譲だった)、三原康司のベースはファンクネスを兼ね備えていたが、高橋のビートと組み合わせることで、『TOGENKYO』ではそのポテンシャルが如何なく発揮されるようになったと言えよう。

左から:赤頭隆児(Gt)、三原康司(Ba)、三原健司(Vo,Gt)、高橋武(Dr)
左から:赤頭隆児(Gt)、三原康司(Ba)、三原健司(Vo,Gt)、高橋武(Dr)

ユーモラスで印象的なアートワークから見えるこだわり

そんな彼らの飛躍作である『TOGENKYO』のアートワークを担当しているのが、デザインユニットNNNNYのいすたえこと、萩原慶。そして、リードトラック“TOGENKYO”のミュージックビデオ(以下、MV)を手掛けているのが、フリッパーズ・ギター、ゆらゆら帝国、サカナクションからLILI LIMITまで、数多くのMVで監督を務めている山口保幸。それぞれがイメージする「TOGENKYO」を、イラストと蛍光管で見事作品に昇華している。

フレデリック『TOGENKYO』初回限定盤ジャケット
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フレデリック『TOGENKYO』通常盤ジャケット
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もともと初期の作品では三原康司がデザインやイラストに関わっていたように、フレデリックは楽曲以外のクリエイティブにも強いこだわりが感じられるバンドである。近年のコラボレーターとしてまず名前が挙がるのが、“オドループ”をはじめ、MVを多数手がけている映像作家のスミスで、毎回女性をアイコンとして置きつつ、“かなしいうれしい”では楽曲のテーマである二面性をユーモラスに表現していた。

また、『フレデリズム』(2016年10月発売、メジャー1stアルバム)と『かなしいうれしい』(2017年8月発売、メジャー2ndシングル)の2作は、ライブイベント『スペースシャワー列伝』のビジュアルなども手掛けるKnot for, Incの上杉滝がアートワークを担当。楽曲が持つループ感をミニマルにデザインした『フレデリズム』のジャケットは、特に印象的だった。

フレデリック『フレデリズム』ジャケット
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フレデリック『かなしいうれしい』ジャケット
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三原康司を「愛すべき空想家」と呼びたくなる理由

なぜ、フレデリックの作品はクリエイターとの好相性を見せるのだろうか? それは、メインソングライターである三原康司が「愛すべき空想家」であることが大きいように思う。

かつて彼が手掛けた奇妙なアートワーク、あるいは、フレデリックの「裏名曲」である“峠の幽霊”などに象徴されるように、三原康司という作家の最大の武器はその自由なイマジネーションであり、それが楽曲の中に落とし込まれているからこそ、フレデリックの作品はクリエイターを刺激するのだろう。

かつてCINRAで行った、バンドと柏原譲の対談の中で三原康司が口にしていた「見えないものを信じる」という台詞は、まさに彼自身のことをよく表している。(見えないものを信じる力 フレデリック×柏原譲対談

そう考えれば、自らがたどり着きたい場所を描く『TOGENKYO』という作品は、三原康司の真骨頂たる作品だと言えよう。そして、それがただのお花畑のような空想ではなく、現実の先で掴むことのできる理想だということもとても重要だ。<桃源郷 待って 待って>と繰り返す“TOGENKYO”は、桃源郷を必死で追い求める歌であり、監督の山口はMVに関して、「コンセプトは『TOGENKYO』を求めて蛍光管で作られた世界を出演者が彷徨うというものです。その過程で生まれる焦燥感や高揚感みたいなものを描きたいと思いました」とコメントしている。

むしろ、曲調的に「桃源郷」を感じさせるのは、<始まるのさ 君も知らない 君の向こう側>と歌うラストナンバー“RAINY CHINA GIRL”で、長尺のアウトロは物語のエンドロールのよう。桃源郷とは、雨の後に浮かび上がる虹のようなもの。“RAINY CHINA GIRL”というタイトルは、そんな三原康司のロマンチックな空想の表れなのかもしれない。

アルバムの発売を2日後に控えた10月16日には、初となるアリーナでのワンマンライブ『FREDERHYTHM ARENA 2018 ~KOKYOのTOGENKYO~』を、2018年4月30日に兵庫・ワールド記念ホールにて開催することを発表。かねてより目標に掲げていた地元の大舞台で、彼らがどんな景色を描き、それをオーディエンスとどう共有するのか。今からとても楽しみだ。

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リリース情報

FAKY『Unwrapped』
フレデリック
『TOGENKYO』初回限定盤(CD+DVD)

2017年10月18日(水)発売
価格:2,916円(税込)
AZZS-69

[CD]
1. TOGENKYO
2. スローリーダンス
3. かなしいうれしい
4. たりないeye
5. ミッドナイトグライダー
6. パラレルロール
7. RAINY CHINA GIRL

[DVD]
アコースティックスタタジオライブ「FAB!! ~Frederic Acoustic Band~」

FAKY『Unwrapped』
フレデリック
『TOGENKYO』通常盤

2017年10月18日(水)発売
価格:2,376円(税込)
AZCS-1067

1. TOGENKYO
2. スローリーダンス
3. かなしいうれしい
4. たりないeye
5. ミッドナイトグライダー
6. パラレルロール
7. RAINY CHINA GIRL

イベント情報

『フレデリズムツアー2017 ~ぼくらのTOGENKYO~』

2017年11月11日(土)
会場:岡山県 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM

2017年11月12日(日)
会場:香川県 高松 festhalle

2017年11月19日(日)
会場:北海道 札幌 FACTORY HALL

2017年11月25日(土)
会場:石川県 金沢 EIGHT HALL

2017年11月26日(日)
会場:長野県 松本 Alecx

2017年12月2日(土)
会場:福岡県 福岡 DRUM LOGOS

2017年12月3日(日)
会場:広島県 広島 CLUB QUATTRO

2017年12月8日(金)
会場:宮城県 仙台 RENSA

2017年12月9日(土)
会場:新潟県 新潟 NEXS NIIGATA

2017年12月16日(土)
会場:大阪府 大阪 Zepp Osaka Bayside

2017年12月17日(日)
会場:愛知県 名古屋 Zepp Nagoya

2017年12月21日(木)
会場:東京都 東京Zepp Tokyo

『フレデリズムツアー リリリピート公演~みんなのTOGENKYO~』
2018年1月13日(土)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST

2018年1月14日(日)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST

『FREDERHYTHM ARENA 2018 ~KOKYOのTOGENKYO~』
2018年4月30日(月・祝)
会場:兵庫県 ワールド記念ホール

プロフィール

フレデリック
フレデリック(ふれでりっく)

三原健司(Vo./Gt.)、三原康司(Ba.)の双子の兄弟と、赤頭隆児(Gt.)、高橋武(Dr.)で編成されるロックバンド。ユーモアに富んだ歌詞と中毒性の高い楽曲が話題となる中、MASH A&Rオーディション初年度の特別賞を受賞。昨年2016、メジャー1stフルアルバム「フレデリズム」をリリースし、どのシーンにも属さない「オンリーワン」の楽曲とそのスタンスに注目が高まっている。

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