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フラメンコ界の異端児イスラエル・ガルバンが魂の叫びを訴える

フラメンコ界の異端児イスラエル・ガルバンが魂の叫びを訴える

『黄金時代』
インタビュー・テキスト
東敬子
編集:川浦慧

「破天荒」「アバンギャルド」「稀代の天才」なイスラエルが見せる、ダンスという概念さえ超えた大宇宙

21世紀も20年を過ぎようという現代も、フラメンコは他文化、他ジャンルとの交流を通して進化し続けている。

近年のダンス界では、コンテンポラリーにヒップホップを混ぜたり、ボールルームダンスにアクロバットの要素をふんだんに取り入れたりと、クロスオーバーなスタイルが盛んだが、フラメンコダンスにその波が来たのは早く、1990年代後半の事。そしてその波を大きく動かしたのが当時まだ20代半ばのイスラエル・ガルバンだった。

Photo: Félix Vázquez
Photo: Félix Vázquez
Photo: Félix Vázquez
Photo: Félix Vázquez

フラメンコ界において彼の名が意味するものは「破天荒」「アバンギャルド」そして「稀代の天才」。スペインを代表する印象派の画家ピカソさながらに、支離滅裂の様で、魂の叫びの一言一句を逃さず訴えるイスラエルのステージには、すでにダンスという概念さえ超えた大宇宙が広がる。

イスラエルは1973年スペイン南部の町セビリアで、両親共に舞踊家の家に生まれ、子供の頃からフラメンコの伝統を叩き込まれて育った。21歳の時、20世紀を代表するフラメンコ舞踊家マリオ・マジャと出会い、彼の自由な発想、人としての生き様に触れ、後にフラメンコ識者ペドロ・G・ロメロが参謀となり、彼はフラメンコの常識をくつがえす新しい世界へと旅立っていく。そして1998年25歳の時に発表した処女作『ミラ! / ロス・サパトス・ロホス』で、観客はそれを目の当たりにする。

伝統派は最初、顔をしかめたが、旅立ちから6年後の2004年、闘牛を描いた『アレナ』で数々の賞に輝き、イスラエルは第一線に躍り出た。そして今回の来日で公演される2005年に初演され、今もなお人々に愛され続けている『黄金時代』では、伝統と革新という偉大なるミスマッチで、大きなセンセーションをまき起こした。

Photo: Félix Vázquez
Photo: Félix Vázquez
Photo: Félix Vázquez
Photo: Félix Vázquez

カンテ(歌)、バイレ(踊り)、ギターのたった3人で生み出す、飾りを捨て去った言わば裸のフラメンコは、今では少なくなった、ほぼ即興で演じられるフリースタイル・フラメンコのライブ感を復活させ、何が飛び出すか分からないドキドキ感で観客を熱狂させる。今や紛れもなくフラメンコの歴史の1ページを飾る巨匠となった彼は、フラメンコを超えた、21世紀のスペインを代表するアーティストの1人である。

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イベント情報

『黄金時代』

演出・振付:イスラエル・ガルバン
出演:イスラエル・ガルバン
ダビ・ラゴス(カンテ)
アルフレド・ラゴス(ギター)

埼玉公演
2018年10月27日(土)、28日(日)
会場:埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
料金:一般S席6,000円(税込) A席4,000円(税込)
U-25 S席3,000円(税込) A席2,000円(税込)
※当日券は各席種ともに+500円

愛知公演
2018年11 月2日(金)、3日(土・祝)
会場:愛知県 名古屋市芸術創造センター
料金:一般7,000円(税込) U-25 3,500円(税込)

プロフィール

イスラエル・ガルバン

スペイン・セビリア生まれ。複雑でスピーディなフットワーク、卓越したリズム感、フラメンコの新たな世界を切り拓く創造性で知られる。1994年マリオ・マジャ率いるアンダルシア舞踊団に入団。98年には自身のカンパニーを創設。以来、カフカの『変身』を題材とした『ラ・メタモルフォシス』(2000年)をはじめ、既成概念を覆す革新的な作品を次々発表。「天才」「革命児」「アバンギャルド」等の称賛を欲しいままにする。05年『アレナ』でのナショナル・ダンス賞をはじめ、12年『黄金時代』でベッシー賞(NY)、16年 第16回英国ナショナル・ダンス・アワードの特別賞など数々の賞を受賞。パリ市立劇場アソシエイト・アーティスト。近年日本では、『SOLO』『FLA. CO. MEN』をあいちトリエンナーレ2016で上演し話題となった。

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