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意外と身近にある みんなのメディア芸術 Vol.2 アート系ミュージックビデオの奥深さ 関和亮×カジヒデキ対談

意外と身近にある みんなのメディア芸術 Vol.2 アート系ミュージックビデオの奥深さ 関和亮×カジヒデキ対談

タナカヒロシ
撮影:小林宏彰

誰でもクリエイターになれる時代に、大きな刺激になる文化庁メディア芸術祭

―最近はレコード会社がYouTubeの公式チャンネルを作ることもありますね。テレビで一瞬映るのと、ウェブでじっくり見るのとでは違いがあると思うんですが、そのあたりはどう考えていますか?

カジ:YouTubeが発達して、これまで普通は見られなかったような、遠くの小さなライブハウスの映像が見られることはすごいと思います。ただ大きなスクリーンで見せられるほうが、作品から受ける驚きは大きいのかなと。そういう世代なのかもしれないですけどね。

:僕は、年齢的にカジさんの世代といまの若い子との間だと思います。若い頃は、いろんなものを見たり聞いたりしたくても、長野の田舎で育ったために情報もないしレコード屋もない。昔、東京にわざわざ行って、渋谷のノアという店で海賊版のVHSをよく買ってたんですよ。

カジ:僕もそこで買ってましたよ(笑)。すっごくブレた映像のライブビデオなんかがありましたよね。

カジヒデキ

:そうなんです!(笑)。映像を見られることがすごくうれしかったんですよね。いまはそれがYouTubeで見られるじゃないですか。僕は作り手であることとは関係なく「こんなの見れる!」っていう感覚は好きなんですよね。

カジ:YouTubeでおもしろいなと思うのは、MVでもライブでもなく、普通の部屋で撮影したような映像でも、すごくいいものがあるじゃないですか。あれはすごいなと思いますね。

―それこそiPhoneで撮った動画が、意外にいい味を出したりしますからね。もしかしたら、そういう作品が文化庁メディア芸術祭で賞を獲る日が来るかもしれないですね。文化庁メディア芸術祭は、出演するアーティストだけではなく制作者側にも注目が集まる良いチャンスだと思うんですが、作り手側としてはMVのどういうところに注目して見てほしいですか?

:何も考えないで作っているものではないので、この曲を僕はこのように解釈して映像にしました、という意図が伝わるといいですね。もちろん音楽の捉え方は、聴く人や場所によっても絶対に違うので、ひとつに決めつけてしまうことはできませんけど、僕の解釈を楽しんでもらえたら嬉しいです。

カジ:確かにいろんな捉え方もありますが、ありすぎて散漫になってしまう場合もあると思うんです。それが映像になることによりポイントが絞られ、ばっちりハマるとものすごく強い表現になりますよね。その相乗効果って、何百倍も何千倍にもなるようなものだと思うので、すごく大切だなといつも思うんです。

―文化庁メディア芸術祭というイベントについては、どう捉えられていますか? 関さんは実際に受賞もされていらっしゃいますが。

関和亮

:文化庁メディア芸術祭をきっかけに作品を知っていただいたことが多く、自分にとっても非常に大きな経験になっています。僕自身が他の人の作品を見る機会にもなり、「こんなに様々な人がいるんだ!」って驚きました。昔、ICCというメディアアートを展示している施設があって、よく行っていたんです。実際中に入ると、電子音がふぁ〜んと鳴っているだけとか、取っ付きにくいイメージがあったんですよね(笑)。でも最近はゲーム感覚のものがあったりと、メディア芸術が生活に入り込んできている。それこそAR(拡張現実)とかWiiとか、本当に身近になっていますよね。

―では最後に、文化庁メディア芸術祭を楽しみにしている人にメッセージをいただけますか?

:普段はあまりメディア芸術に関わらない人も多いと思うんですが、実は生活に密着しているものがたくさんあるので、あんまり難しく捉えずに見るとおもしろいんじゃないかと思います。

―小難しく考えず、遊園地に遊びに行くような感覚で見てほしいですよね。

カジ:いまは誰でもクリエーターになれる時代だと思うので、こういう作品を見たら自分も始めたいって思ったりするんじゃないでしょうか。すごくいろんなジャンルの作品があるので、興味を持ちやすいと思いますよ。本当に質の高い作品ばかりなので、既に何かを作っている人も、上を目指したい気持ちがより強くなるんじゃないかと思いますね。

information

『第15回文化庁メディア芸術祭』受賞作品展

2012年2月22日(水)〜3月4日(日)
会場:東京都 国立新美術館
文化庁メディア芸術プラザ

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