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NAOITOインタビュー

NAOITOインタビュー

インタビュー・テキスト
小宮川りょう
撮影:柏井万作
2010/03/18

「東京生まれの純日本人」だというその歌い手の歌声が醸す強烈な異国情緒に驚かされた。19歳で渡米して以降、ジャマイカ、ネパール、ブラジルなど世界各国を旅し、各地の音楽ヴァイヴスを吸収し、オリジナルのサウンドに消化しているミュージシャン、NAOITO(ナオイート)。ギター、ヴォーカル、コンガを手がける彼は、家内制手工業式ジプシーキャラバンとして全国各地で活動しているという。エキゾ、チル・アウト、サーフ・ロックそして民族音楽とポップミュージック。さまざまな音楽ジャンルを自在に横断する現代のボヘミアン、NAOITOに話を聞いた。

(インタビュー・テキスト:小宮川りょう 撮影:柏井万作)

町で浮浪者を見て「俺もああなりたい!」って言ったら親に引っぱたかれた(笑)

―19歳で渡米されたそうですね。きっかけは?

NAOITO:高校生のとき、グランドキャニオンを見に行く機会があったんです。地球がむき出しになっている様子を見て、そのデカさにやられちゃって。旅の面白さを感じましたね。それで、アメリカに行こうという気持ちになって渡米しました。最初はカリフォルニアのロサンジェルス、そこからジャマイカに行きました。

―東京を出たいと思ったのは、なぜです?

NAOITOインタビュー

NAOITO:何かがおかしいなと思う部分があったんでしょうね。「本当の自分でいれていない感覚」というか。自分のアクを抑えながら生きているという意識がありました。お受験世代だったので、自分の意思とは無関係に親に中学受験をさせられたわけですよ。当時、町で浮浪者を見て「俺もああなりたい!」って言って憧れてみせたら、親に引っぱたかれたんですけど、結局は見事にドロップアウトしましたね(笑)。

―実際に東京の外に出てみていかがでしたか?

NAOITO:自分があまりに東京以外の世界のことを見知らないという現実に衝撃を受けましたね。ボブ・マーリーが好きで、ジャマイカに渡ったんですが、音楽と信仰と暮らしが一緒になっている様子を見て感銘を受けました。東京では漂白されてしまっている部分ですよね。日本だと宗教はオカルトになってしまうんだけど、ジャマイカでは宗教と暮らしが自然な形で密接にかかわりあっているんですね。知らなかった世界に触れて、ショックを受けました。

―ジャマイカで一番影響を受けたものは?

NAOITO:ナイヤビンギ(ラスタファリアンの宗教的な集会、またはその集会で演奏される音楽のこと)ですね。ダンスホールレゲエのショウ的な派手な部分より、やはり、宗教儀礼的なものに惹かれました。ラスタファリズムという信仰があって、人々が自分の信じているスピリッツに向かってまっすぐに集まっているんです。それまで宗教にネガティヴなイメージしかなかったから、そういう音楽があるということ自体が衝撃でした。崇高で綺麗なだけじゃない、おどろおどろしいドロドロした土着的なもの……都市生活者は持っていないものですね。僕はその時に嗅いだフルーツと生モノの腐敗臭と、排気ガスと潮風がミックスした匂いは常に鼻の奥にあるんですよ。それを感じると色んなシーンがフラッシュバックします。今も空港に行くと、そういう匂いを感じて落ち着くんですよね。あれは暮らしの匂いなんでしょうかね。僕はそういう肉感的で立体的な匂いに興奮します。そういうものって汚いもの臭いものって分類されるのかもしれないけど、そこに人が生きているっていう力を感じるものだったら、俺にとってはキレイなものになるんです。

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リリース情報

『雑食familia』
『雑食familia』

2010年3月3日発売
価格:2,500円(税込)
PCD-18616 / felicity cap-98

1. INTRO あらんらんDUB
2. HAZE BLUE
3. ミコラソン
4. ぱ〜らっぽん
5. あらんらん
6. WHISPERS IN THE WIND
7. Zinboo Zin

プロフィール

NAOITO

HIFANA や鎮座ドープネスの総合プロデュース・チーム (音楽、映像、グラフィック)、GROUNDRIDDIM とFelicity がタッグを組み、送り出したシンガーソングライター。19歳で渡米し、ジャマイカ、ネパール、ブラジルを旅する“生涯旅人”。ガーナのマスタードラマーAja Addyに手ほどきを受けパーカッションプレイヤーとして活動。2006年に結成したアフロビートバンド、KINGDOM☆AFROCKSのVo & Perとしても話題を集める。独学のギターで作曲をはじめ、ソロ弾き語り活動を開始し、現在に至る。

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