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『picnic album 1』コトリンゴインタビュー

『picnic album 1』コトリンゴインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2010/09/22

カバー・アルバムを制作する背景には、色々な理由があるだろう。例えば、今日本で一番有名なカバー・アルバムである徳永英明の『VOCALIST』だったら、歌い手としての自分を見つめ直すという意味があったし、他には創作活動のリフレッシュ的な意味合いがあったり、素晴らしい曲を世に広めたいという目的意識があったり、もちろん、コマーシャルな理由があることもあるだろう。坂本龍一のお墨付きでデビューした、バークリー音楽院出身の才女であるコトリンゴの邦楽カバー・アルバム『picnic album 1』も、当然彼女なりの理由があり、葛藤もあったという。しかし、完成したアルバムは、コトリンゴらしい繊細さと大胆さを併せ持った素晴らしいカバーの数々と、原曲への変わらぬ愛情に溢れた、素晴らしい作品だった。

(インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:柏井万作)

前向きになる曲が多いのはいいことですけど、目を避けたくなるような部分も、その横にいつもあるんだってことを見せられたらいいなって。

―まずは、カバー・アルバムをリリースすることになった経緯から教えてください。

コトリンゴ:ええと、正直に言っちゃいますと、(スタッフから)そういう提案がありまして。最初はカバーってすごく苦手だと思っていたし、恐怖感もあったので、「オリジナルでいいんじゃない?」っていうのがすごくあって。自分の曲をやってれば自分が一番偉いので何でもできるし(笑)。でも、プラスに考えて、好きな曲とちゃんと向き合って、そのままやるんじゃなくて、ちゃんと考えてやれるんだったらやろうと思って。

―「恐怖感」っていうのは?

コトリンゴ:やり始めたらコードとか色々変えちゃうかもしれないので、それが結果的にオリジナルの方の気持ちを害さないかとか、自分の技術的な未熟さで色んなことがカバーしきれないんじゃないかとか。

『picnic album 1』コトリンゴインタビュー

―でも、結果的には素晴らしいアルバムになっていると思います。原曲のよさとコトリさんらしさがいいバランスで共存していて。実際やってみていかがでしたか?

コトリンゴ:すごく楽しかったです。好きな曲をもう一回ちゃんと「何で好きなんだろう?」っていうところから考えて、その好きな部分をちゃんと残したまま、周りの部分を変えるにはどうしたらいいのかすごく考えたし、あとは自分の書けない歌詞のものもたくさんあるので、すごく勉強になりました。

―歌詞は面白いのが多いですよね。特に“AXIA〜かなしいことり〜”(斉藤由貴)とか“う、ふ、ふ、ふ、”(EPO)みたいな80年代の歌謡曲の歌詞ってすごくて、“AXIA〜かなしいことり〜”なんて、要は二股ですもんね(笑)。

コトリンゴ:よからぬことをしてるんだけど、斉藤由貴さんの歌を聴いてたら、悪いって言えない感じがすごいあって。人間いいことばかりやってるわけじゃないじゃないですか? だから、そういう暗い部分も忌み嫌うんじゃなくて、愛してあげたいなっていうのもあって。今特に景気的にも良くないし、悪い話も多いから、前向きになる曲が多いのはいいことですけど、目を避けたくなるような部分も、その横にいつもあるんだってことを見せられたらいいなって。

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イベント情報

『コトリンゴ〜picnic album 1 release party〜』

【200名限定ライブ】
2010年11月19日(金) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 原宿VACANT
出演:コトリンゴ
料金:3,500円(ドリンク別・全自由席)
※3才以上は入場料必要
問い合わせ&チケット:

リリース情報

コトリンゴ<br />
『picnic album 1』
コトリンゴ
『picnic album 1』

2010年9月22日発売
価格:2,000円(税込)
commmons / RZCM-46608

1. 恋とマシンガン(フリッパーズ・ギター)
2. 渚(スピッツ)
3. シカゴ(クラムボン)
4. AXIA〜かなしいことり〜(斉藤由貴)
5. 悲しくてやりきれない(ザ・フォーク・クルセダーズ)
6. 以心電信(YMO)
7. う・ふ・ふ・ふ(EPO)
※カッコ内はオリジナルアーティスト

プロフィール

コトリンゴ

5歳よりピアノを始め、7歳で初めての作曲をする。その後ボストンのバークリー音楽院に留学、ジャズ作・編曲/ピアノパフォーマンス科卒。2006年坂本龍一プロデュースでデビュー。翌年日本に住まいを移してからは国内でのライヴ活動も開始、高評価を得ている。卓越したピアノ演奏と柔らかな歌声で浮遊感に満ちたポップ・ワールドを描きだす女性シンガー・ソングライターとして現在各方面から注目を浴びている。

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