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「愛と平和」を歌うワケ 藤井フミヤインタビュー

「愛と平和」を歌うワケ 藤井フミヤインタビュー

インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:柏井万作
2010/09/29

(奥田)民生君とか、せっちゃん(斉藤和義)とか、「なんでそんなにいろんな楽器ができるの!?」って。

―フミヤさんはもともとプロのミュージシャンを目指していたわけじゃなかったとか。

藤井:もともとはね。

―当時はわりとつっぱっていたほうだと思うんですけど。

藤井:つっぱってたね、完全に。

「愛と平和」を歌うワケ 藤井フミヤインタビュー

―何か目指していたものとかあったんですか?

藤井:いや、なんも考えてなかったんだろうね。まず音楽で食っていけるなんてことは、本当に思ってなくて。東京に出てきてデビューしてからも、こんなものは長く続くもんじゃないと思ってたし。なんか職を探さなきゃと思ってたくらいだから。

―就職しようと?

藤井:うん。だから売れてるうちに友達を増やさなきゃと思ってた。でも、ずーっとクリエイターにはなりたかったんだよね。撮影があったときも、カメラマンの行動とか、スタイリストの行動とかばかり見てたし。遊ぶ人たちも、そこら辺の人たちが多かったね。

―でも、日頃からそういう観察をしていたことが、音楽活動にも役立ってたんでしょうね。

藤井:結果的にいろいろやりたがって、いろんなことやったけどね。でも最終的には歌以外で他の人に勝てるものがあるのかってことになってくると、ない。やっぱり本気でそれを考えてるスペシャリストには勝てないんだよ。それでだんだんミュージシャンになってきたんだよね。ただ、本当に音楽しかやってこなかった人に対しての憧れもあって。(奥田)民生君とか、せっちゃん(斉藤和義)とか、「なんでそんなにいろんな楽器ができるの!?」って。すっごいうらやましいもんね。俺はギターが弾けるくらいで、一体いままで何をやってたんだろうと思った。

日本の芸能界って、ド真ん中にいちばんデカい歌謡曲っていうポップスがあったんだけど、それがいまなくなっちゃったのよ。

―でも、ずっと音楽だけをやってたら、燃え尽きちゃったりとか、飽きてきちゃったりとか、モチベーションが下がったりもすると思うんです。

藤井:あー、俺はミュージシャンとして音楽をやっていきたいし、歌を歌っていきたいし、曲も作っていきたいんだけど、芸能界っていうひと括りのなかで考えると、モチベーションが下がることがあるんだよね。例えば深夜のランキング番組とか見ると、「うわっ、このなかで俺は戦っていくの!?」みたいな。「えっ、俺はいいやもう」っていうのとか、本当にそういうのはすごく感じてる。

―えっ!? それはどういう部分で感じるんですか?

藤井:「俺はこのなかに入れてもらわなくて結構です」みたいな。あと、本屋に行ったときに、ニコッと笑った芸能人が表紙になってる雑誌がダーッと並んでるのを見るとやっぱり、「俺はこのなかに入らなくてもいいや」とか思っちゃって。めげてくるところはあるね。

―それはものすごく意外です。だってフミヤさんって、ずっとポップ・ミュージシャンとしてド真ん中を歩んできたわけじゃないですか。そういうなかでやっている人が、テレビとか雑誌を見て、ここには入らないでいいと思うのが不思議なんですよね。

藤井:ところが日本の芸能界って、ド真ん中にいちばんデカい歌謡曲っていうポップスがあったんだけど、それがいまなくなっちゃったのよ。モノのようにどこかに行っちゃったの。

―そう言われると歌謡曲の定義もよくわからないですよね。

藤井:ないんだよ。Perfumeみたいなものかと思ったら、次世代のYMOみたいに言われちゃってるわけだし。じゃあアキバ系なのかと思ったら、今度は少女時代とか韓国系が攻めてくるわけじゃん。だから、結局はジャンル分けされてるだけであって、歌謡曲というものは、いまはもうないんだよね。

自分の歌いたいものというのは、10年前に出しても、10年後に出しても、どっちでもよかったんじゃない? っていう曲で。

―なるほど。僕が勝手に考える歌謡曲って、歌詞のなかに流行語が入ってるとか、そういうことなのかなと思ったりするんです。

藤井:流行語って例えば?

―ひと昔前だと、歌詞に「ポケベル」って入ってたりとか。いまだと「ケータイ」だったりとか。

藤井:あー。ケータイはいま、入ってきちゃうよね。だって、ケータイがないと恋愛できないんだもん。ということは、ケータイがないとポップスというか、恋愛の曲が成立しない。

―それで逆に思ったのが、フミヤさんの歌詞って、そういう流行語みたいなものがほとんど出てこないですよね。そこは意識されてる部分なのかなと。

藤井:意識してるね。基本的なポリシーというか、自分の歌いたいものというのは、10年前に出しても、10年後に出しても、どっちでもよかったんじゃない? っていう曲で。それで「いい曲」と言われるものを作りたいんだよね。ただ、いかんせん人間の感情がその時代のものに左右されてるから、出さざるをえないときはある。特にケータイは。待ち合わせをしてる歌とか、君の声が聞きたくなったっていうことになると、出てきちゃうんだよ。これはどうしようもないよね。結局は「詞」だから。音楽作るのって、メロディーも大切なんだろうけど、8割くらい詞に力を入れてると思う。

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イベント情報

FUMIYA FUJII CONCERT TOUR 2010
『Sweet Groove』

2010年11月13日(土)
会場:千葉県 市川市文化会館 大ホール

2010年11月14日(日)
会場:千葉県 市川市文化会館 大ホール

2010年11月20日(土)
会場:滋賀県 びわ湖ホール 大ホール

2010年11月21日(日)
会場:香川県 サンポートホール高松 大ホール

2010年11月23日(火・祝)
会場:愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール

2010年11月27日(土)
会場:広島県 広島ALSOKホール

2010年11月28日(日)
会場:福岡県 福岡サンパレス

2010年12月4日(土)
会場:大阪府 大阪国際会議場 グランキューブ大阪メインホール

2010年12月9日(木)
会場:栃木県 足利市民会館大ホール

2010年12月11日(土)
会場:長野県 東御市文化会館サンテラスホール

2010年12月12日(日)
会場:岐阜県 多治見市文化会館

2010年12月17日(金)
会場:東京都 アミューたちかわ大ホール(立川市民会館)

2010年12月18日(土)
会場:兵庫県 神戸国際会館こくさいホール

2010年12月25日(土)
会場:新潟県 新潟県民会館 大ホール

2011年1月16日(日)
会場:福島県 福島県文化センター 大ホール

2011年1月22日(土)
会場:大阪府 大阪国際会議場グランキューブ大阪メインホール

2011年1月23日(日)
会場:大阪府 大阪国際会議場グランキューブ大阪メインホール

2011年1月29日(土)
会場:埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール

2011年1月30日(日)
会場:埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール

2011年2月10日(木)
会場:埼玉県 サンシティ越谷市民ホール 大ホール

2011年2月11日(金・祝)
会場:東京都 東京エレクトロンホール宮城

2011年2月18日(金)
会場:兵庫県 尼崎アルカイックホール

2011年2月19日(土)
会場:京都府 京都会館第一ホール

2011年2月26日(土)
会場:東京都 東京国際フォーラム・ホールA

料金:6,800円(指定)※未就学児童入場不可

リリース情報

藤井フミヤ<br>
『今、君に言っておこう』初回生産限定盤(CD+DVD)
藤井フミヤ
『今、君に言っておこう』初回生産限定盤(CD+DVD)

2010年9月22日発売
価格:1,500円(税込)
AICL-2175〜2176

1. 今、君に言っておこう
2. ひとみ
3. 今、君に言っておこう(Acoustic Version)
[DVD収録内容]
1. 今、君に言っておこう (MUSIC VIDEO)-「おにいちゃんのハナビ」Spin Off Version-
2. 今、君に言っておこう (MUSIC VIDEO)-Fumiya Only Version-

作詞・作曲:藤井フミヤ
スーパーバイザー:小田和正

藤井フミヤ<br>
『今、君に言っておこう』通常盤
藤井フミヤ
『今、君に言っておこう』通常盤

2010年9月22日発売
価格:1,223円(税込)
AICL-2177

1. 今、君に言っておこう
2. ひとみ
3. 今、君に言っておこう(Acoustic Version)

作詞・作曲:藤井フミヤ
スーパーバイザー:小田和正

プロフィール

藤井フミヤ

1962年7月11日、福岡県生まれ。83年、「チェッカーズ」としてデビュー。93年以降、ソロアーティストとして活躍。『TRUE LOVE』や『Another Orion』等ミリオンヒットを世に送り出し、あらゆる世代から支持を得る。2008年、デビュー25周年を迎え、翌年にかけて2枚のコラボアルバムを発表。2010年9月には、映画『おにいちゃんのハナビ』主題歌となる3年半ぶりのニューシングル『今、君に言っておこう』をリリース、11月からは全国ツアー『Sweet Groove』開催。

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