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毒があるのもうなづける、suzumokuの初期衝動

毒があるのもうなづける、suzumokuの初期衝動

インタビュー
タナカヒロシ
テキスト・撮影:柏井万作
2010/12/10

歌に風景描写を入れることで、主人公の気持ちがより伝わるんじゃないかと思って。

―“フォーカス”というタイトルもそうですけど、曲ができるきっかけになったカメラについての部分も残ってますよね。

suzumoku:普段見ている世界も、ファインダーから覗いたり、限られたなかで見てみると、意外と気付けなかったことが見つかるんです。そういう「いまを切り取る」っていうことを考えたときに、カメラっていうテーマはすごく良いなって。いまを大事にしていこうって。

― suzumokuさんの歌って、歌詞にすごく風景描写みたいなものが入ってると思うんですけど、カメラ好きということが影響してるんですかね?

suzumoku:そうかもしれませんね。思い出とかもそうですけど、楽しかったとか辛かったとか、いろんな気持ちっていうのは、そのときの情景とセットで覚えていたりしますよね。だから歌にも、そういう描写を入れることで、主人公の気持ちがより伝わるんじゃないかと思って。

“モダンタイムス”は、バラエティ番組を見てるときに、くっだらねーなと思いながら作りましたね

―だからsuzumokuさんの歌って、すごい映像が浮かんでくるんですね。情景が具体的に出てくるじゃないですか。今回は歌詞カードがフォトブック仕様になっていて、suzumokuさんが撮った写真がたくさん載ってますね。これ、世界観のあるすごく良いパッケージでした。

suzumoku:このフォトブックをつけるっていうのも、聴いてくれる人の想像力を固定しちゃうんじゃないかなと思ったんですけど、写真と音楽と絵(ジャケットもsuzumoku自身が書き下ろしている)と、全部一緒にしたものを出してみたいなって。実際に曲のことを考えながら、改めて写真を撮ったものがこうして形になると、ものすごい愛着も湧きますし。写真には手書きの歌詞が入っているんですけど、すっごい印象が強くなりますね。

毒があるのもうなづける、suzumokuの初期衝動

―ちなみにこの写真は曲ができてから撮ったんですか?

suzumoku:ほぼそうですね。歌詞がほとんど仕上がったうえで、この歌の主人公は、どういう部屋から出て、2人でどこに行くのか。それで、最後は夕日を見てっていう写真の順番もストーリー性を考えて。人があまり写ってないんですけど、その主人公たちの目線を大事にしたいなと思ったんですよね。

―なるほど。こういう情景を浮かべながら曲を書いたりするんですか?

suzumoku:街を歩いているときに印象的なシーンに出会うと、曲を作りたくなったりしますね。みんな会社が終わって、下を向いて、すごい群れをなして帰ってるシーンで、ああいう曲が流れたらいいだろうなとか。新宿の大ガードをくぐってる最中に、ゴリッとした曲がほしいなとか。終電待ちのホームとか。曲を作りたいときは、そのときに自分が聴きたい曲っていうのをすごく意識するので。

―1月に出すアルバムに入っている曲では、そういうシチュエーションはあったんですか?

suzumoku:飲み会とかに行くと「俺ってすげーんだぜ」みたいな人がいるじゃないですか?(笑) そういうシチュエーションのあの感じを人に聴かせたいと思って作ったのが“身から出せ錆”って曲です。“放課後スリーフィンガー”は、僕が学生の頃にギターを弾いてたシチュエーションを思い出して。いま中学高校でギターを始めた子って、どういうシチュエーションで弾いてるのかなと想像しながら書いてみました。“モダンタイムス”は、夜9時から11時くらいにかけてのバラエティ番組を見てるときに、くっだらねーなと思いながら作りましたね(笑)。でも、そう思いながらも見てる自分に、ムダな時間を過ごしたなっていう戒めも込めて。

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リリース情報

suzumoku<br>
『フォーカス』
suzumoku
『フォーカス』

2010年12月1日発売
価格:1,260円(税込)
apart.RCORDS / APPR-1202

1. フォーカス
2. フォーカス(Instrumental)

リリース情報

suzumoku<br>
『ベランダの煙草』
suzumoku
『ベランダの煙草』

2011年1月12日発売
価格:2,100円(税込)
apart.RCORDS / APPR-2007

プロフィール

suzumoku

中学2年でギターを持ち、同時に作詞・作曲も始め、地元静岡のストリートで歌い始める。様々なジャンルの音楽を聞き漁り、音楽性を模索する日々。高校卒業後、楽器製作の専門学校に入学し、ギターやベースの製作に明け暮れる。音楽は完全に趣味にしようと決め、岐阜にある国産手工ギター工場に就職。音楽活動を一旦休止するも再開。ギター職人の道とミュージシャンの道、どちらが本当に進むべき道なのか真剣に考え、06年夏、プロミュージシャンになることを決意。07年1月に上京し、10月にアルバム『コンセント』でデビュー。都内を中心にライブ活動を続ける中、08年からインスト・ジャズ・バンド"PE'Z"との合体ユニットpe'zmokuを結成。ギター&ヴォーカル担当として大抜擢。多くの経験を積み重ね、2010年ソロ活動を本格的に始動し、3月にアルバム『素晴らしい世界』を発表した他、3枚のシングルをリリース。2011年はニューアルバム『ベランダの煙草』と同アルバムを携え、初の全国ツアーをスタートさせる。

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