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なぜSpangle call Lilli lineはここまで自由に活動できるのか

なぜSpangle call Lilli lineはここまで自由に活動できるのか

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作

普通に言えば「Old」なんですけど、スパングル的には「New」なんですよね。

笹原:僕の1番のトピックは、ギターソロ的なフレーズがあることです(笑)。そうは言っても、やってることはオーソドックスなことなので、普通に言えば「Old」なんですけど、スパングル的には「New」なんですよね。

なぜSpangle call Lilli lineはここまで自由に活動できるのか
笹原清明

―『New Season』というタイトルに関していうと、文字通りスパングルがバンドとして新しい季節に入ったという感触があるのでしょうか?

藤枝:大坪さんとの距離的な事情もあって、リキッドのライブでバンドとしては1回休止するしかなかったんですよね。だからそこから1年ぐらいはホントに何も活動してなくて、と言っても普段もそんな感じですが(笑)、「New Season」と言えるような、やりたいことがあれば始めてもいいかなって思ってました。その時に、たまたま共通の知人の結婚パーティで久しぶりに笹原くんと話して、スタジオでギターを爆音で鳴らしたいね、という話しになって。今まであえてやらなかったことをやってるって意味では「New Season」だし、でもこれを12曲並べてアルバムを作るわけじゃなくて、この先にもっと色々考えることがあるっていう感じですね。

―でも、例えば00年代中頃のスパングルだったら、こういう2分程度の曲が並んでる作品っていうのは絶対出してないですよね。

藤枝:やっぱり歳を取ったんだと思いますよ。

笹原:もう長いのができない(笑)。

―体力的な問題ですか(笑)。

藤枝:でもサウンド自体はフレッシュになってるっていう、幼児化現象が(笑)。

―変なこだわりがなくなってきたっていうことでもあるんでしょうか?

藤枝:こだわりはね、あるんだけどなくなってきてるというか…。今は自分の中で「この感じじゃん?」って思いついたものをパッと出すような事がやりたい。それがfelicityだったらできるっていうのもあって。

―そういうテンポの良さ、スピードの速さっていうのは今の時代感にもマッチしてますよね。

藤枝:そうなんですよね。だから配信とかでもいいんだけど、僕は基本的にジャケットが作りたいので、やっぱりモノがいい(笑)。

歌詞って意外と荒らされてない領域っていうか、新しい表現がまだまだある気がするんです。

―でもこれだけサウンドが違っても、「スパングルだな」って思えるのがまたすごいところで。そのひとつの要因として、大坪さんの歌声であり歌詞の記名性っていうのはやっぱり強いと思いました。歌詞を書く上で意識してきた部分を改めて話していただけますか?

なぜSpangle call Lilli lineはここまで自由に活動できるのか
大坪加奈

大坪:先に歌詞ができることはまずないんで、曲ありきなんですよね。詰め込み過ぎても苦しいし、伸びすぎても間が空いちゃって嫌だし、いかにバックの音と共存できるかを考えて出てくる言葉だったりするんで…変な言葉になっちゃう(笑)。

―(笑)。いや、ものすごくオリジナリティのある歌詞だと思います。

大坪:ただ、歌詞に関しては、今までほぼスタイルが変わってないところがあるので、メンバーから「ちょっとずつ変えていかない?」って打診を受けてます。今後どうなっていくかはまだ模索中なんですけど。

藤枝:変化というか、今までのスタイルを十何年続けてきて、ひとつのオリジナルな形になってきてるので、これをさらにアップデートさせて、もうちょっと違う見せ方とか聴こえ方にする方法があるんじゃないかと思って。歌詞って意外と荒らされてない領域っていうか、新しい表現がまだまだある気がするんです。

―ああ、それは確かに。サウンドと比べて歌詞はフォーマットが決まっちゃってる感じはありますね。

藤枝:言葉って並ぶだけで勝手にイメージがわいちゃうじゃないですか? ありえない言葉同士が並んでても、強引に意味がねつ造できちゃうっていうか。そういう意味で言葉ってすごくタフだし、これまでの日本語の歌詞と全然違うやり方で、ぐっと来たりとか、悲しくなったりとか、そういうことができる気がして。

―今話を聞いてて思い出したのは、スーパーカー後期のいしわたりさんの歌詞とか。

藤枝:ああ、そうですね。でも、自分達にも言えることですが、もっとその先が見たいですよね。あとは、□□□がブックレットのレイアウトで遊んだり、ああいうのもひとつの回答だと思うし。ダウンロードで音だけ聴いてもわからなくて、歌詞カードまで読まないと作品のホントのとこがわからないとか、そういうのはまだまだ可能性あるかなって。

―ダウンロードが主流になって歌詞カードを見ない時代だからこそ、逆にそういうことをやるっていう。

藤枝:すくなくとも、ダウンロードだけで聴いてる人は、スパングルに関しては損してると思う。もうひとつ上のレイヤーからの景色を感じられるのに、って。そこには、より難解な迷宮が待ってるわけですが(笑)。

3/4ページ:バンドって続けば続くほどホントは楽になっていくはずなんです。

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リリース情報

Spangle call Lilli line『New Season』
Spangle call Lilli line
『New Season』

2011年9月7日発売
定価1,600円(税込)
felicity / PECF-1030 cap-126

1. seventeen
2. for rio
3. summer's end
4. utashiro ~instead of song~
5. cast a spell on her (Seiichi Nagai remix)
6. dreamer (YAKENOHARA DUB)
7. roam in octave (shinjuku june 2011 version)

Spangle call Lilli line『Piano Lesson』
Spangle call Lilli line
『Piano Lesson』

2011年10月5日発売
価格:2,300円(税込)
felicity / PECF-1033

1. an
2. "telephone"
3. cast a spell on her
4. inc.
5. limi side schedule
6. nano
7. soto
8. sugar

プロフィール

Spangle Call Lilli Line

1998年結成。メンバーは大坪加奈、藤枝憲、笹原清明の3人。 今までに10枚のオリジナルアルバムなど数々の作品をリリース。様々なコンピレーションアルバムなどにも参加。大坪による「NINI TOUNUMA」名義ソロ作品や、藤枝&笹原による「点と線」名義でのリリース、国内外のアーティストの作品への参加など、サイドプロジェクト等も活動中。

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