特集 PR

苦しみの先にあった言葉 NIKIIEインタビュー

苦しみの先にあった言葉 NIKIIEインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2012/04/10

昨年発表された初のフルアルバム『*(NOTES)』は、それまでのNIKIIEがノートにびっしりと綴ってきた変身願望を基にした、まさに彼女の原点というべき作品だった。今の季節にピッタリのサニーサイドポップから、美しいバラードまでを収録した新作『hachimitsu e.p.』は、いわば新しいノートを手に再出発を果たした、その最初の一歩である。もちろん、そのノートにはまだ余白がたくさんあるのだが、今のNIKIIEはその余白部分に秘められた可能性に対し、迷い悩みながらも、楽しんでいるように感じられる。おそらく、これからこの余白も徐々に埋められていくことだろう。しかし、『*(NOTES)』と大きく違うのは、そこにはNIKIIE自身のことだけでなく、彼女にとっての大切な誰かや何かも綴られていくであろうということだ。そうやって、彼女の世界は今まさに外へ外へと開かれていっている。

余白があるというか、そんなに全部詰め込まなくても、芯がちゃんとぶれずにあれば、そのまま伝わるんだなって。

―1stアルバム『*(NOTES)』は自らの原点とも言うべき作品だったと思うのですが、それをリリースしたことで、何かNIKIIEさんの中で変わったことはありますか?

NIKIIE:いい意味で、曲に対して向き合う時間が短くなりましたね。以前は少しでも疑問に思ったら、何十回もその曲を聴いたりしてたんですけど、今はナチュラルにいられるようになりました。そのお陰で、その場で自分が思ったことを楽しみながら試せるようになったりとか、ポジティブに変わった感じがあります。

―肩の力が抜けて、リラックスして音楽と向き合えるようになったんですね。

NIKIIE:あと去年は誰にとってもものすごい激動の1年だったじゃないですか? そういう中で、自分をコントロールできなくなっちゃったというか、ひたすら「自分のやれることを」ってがむしゃらだったんです。そういう中でもアルバムを出してツアーをやって、一段落したときに改めてそこでできた隙間と向き合って、その隙間を表現するために、映画やライブを見に行ったりする時間をわりとたっぷり作りました。それを自分の表現の糧として、『hachimitsu e.p.』に向かった感じでしたね。

―そうやってインプットしていく中で、特に影響を受けたものを挙げるとしたら?

NIKIIE:一番大きかったのは、ジェーン・バーキンの来日ライブに行ったことですね。喜びは喜びのまま、悲しみは悲しみのままに表現していて、その姿を見たときに、自分もありのままでいいんだなって感じたんです。歌詞はフランス語なので何を言ってるかは分からないんですけど(笑)、でも歌から来る気持ちにすごく動かされたんです。余白があるというか、そんなに全部詰め込まなくても、芯がちゃんとぶれずにあれば、そのまま伝わるんだなって。彼女の姿を通じてそれを感じて、そうありたいなってすごく思いました。

―それって自分のツアーから得た自信とかも影響してるんじゃないですか?

NIKIIE:ツアーは…すごい葛藤の連続でしたね。ステージに立ってるときはとにかくやり切ることに集中してるんですけど、ステージを降りてからは常に自問自答していました。今まではわりと閉ざしたライブをしていて、自分から(お客さんに)歩み寄るというよりは、壁を作ってライブをしてたんです。でも、今回は自分から歩み寄ってみたいという気持ちがあって。その扉を開くのはすごく怖かったんですけど、そこに嘘をつかずにやり切りたいと思って。

NIKIIE

―やっぱり『*(NOTES)』っていう作品は基本的に「私」を表現した作品で、それを作ったことによって、今度は「伝える」「届ける」っていう方向に目が向いたんでしょうね。『hachimitsu e.p.』は間違いなくそういう作品になってると思うし。

NIKIIE:やっぱり曲を書くときはどうしても自分1人しかいないし、1人の世界の中だけで完結した歌だったりとかして、それをどう伝えていくかっていう課題は、今後もずっと続いていくんだろうなって思いました。でも、きっと毎回迷うけど、迷うことによってまた違った自分が見えたり、違う形で表現できたりすると思うんで、迷い続けて…いきたくはないんですけどね(笑)。

2/3ページ:「苦しい」「せつない」って思ってたんですけど、言葉にするとすごく温かいものだった。

Page 1
次へ

リリース情報

NIKIIE『hachimitsu e.p.』
NIKIIE
『hachimitsu e.p.』

2012年4月11日発売
価格:1,890円(税込)
COCP-37254

1. カナリア
2. Say you love me
3. 涙星
4. ito.
5. 3sec.
6. good night my sweet home

イベント情報

『NIKIIE LIVE TOUR 2012「hachimitsu」』

2012年6月17日(日)
会場:福岡県 福岡 ROOMS

2012年6月23日(土)
会場:大阪府 大阪umeda AKASO

2012年6月24日(日)
会場:愛知県 名古屋 BOTTOM LINE

2012年6月29日(金)
会場:東京都 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE

プロフィール

NIKIIE

1987年、茨城県出身。4歳からピアノ教室へ。周りと馴染めない混沌とした日々の中、ピアノと音楽に癒され育つ。16歳より作詞・作曲、オーストラリアホームステイ時の経験がその後の音楽活動に影響を与える。高校卒業後上京、ライブを中心に都内で活動。2010年12月1日、シングル「春夏秋冬」でデビュー。同曲は12月度FMパワープレイを42局獲得、歴代女性アーティストとしての史上最多獲得記録を更新した。独特の詩世界と、声、ライヴパフォーマンスが注目を集める。2ndSingle「HIDE&SEEK」は代々木ゼミナールCMソングに抜擢され話題に。2011年7月13日に1stアルバム「*(NOTES)」をリリース。そして、新しく発表された楽曲「涙星」がテレビ朝日系木曜ミステリー『科捜研の女』の主題歌に大抜擢される。その「涙星」を含む待望のミニアルバム『hachimitsu e.p.』を4月11日にリリースする。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

yahyel“TAO”

音楽と映像、そしてその相互作用によって完成するyahyelの芸術表現が完全に別次元に突入したことを証明するミュージックビデオ。クライムムービーとそのサントラのような緊迫感に終始ゾクゾクする。一体いつ寝てるんですかと聞きたくなるが、監督はもちろん山田健人。「崇高」という言葉を使いたくなるほどの表現としての気高さに痺れる。(山元)

  1. 安室奈美恵の引退日に1回限りのCM放送 安室の「笑顔」集めた60秒映像 1

    安室奈美恵の引退日に1回限りのCM放送 安室の「笑顔」集めた60秒映像

  2. 大野智がNHK『LIFE!』でダンス披露 『嵐にしやがれ』とのコラボ企画 2

    大野智がNHK『LIFE!』でダンス披露 『嵐にしやがれ』とのコラボ企画

  3. 三島由紀夫作の舞台『熱帯樹』に林遣都、岡本玲ら 演出は小川絵梨子 3

    三島由紀夫作の舞台『熱帯樹』に林遣都、岡本玲ら 演出は小川絵梨子

  4. TOSHI-LOWとフェス。アーティスト兼主催者目線で、現状を語る 4

    TOSHI-LOWとフェス。アーティスト兼主催者目線で、現状を語る

  5. 『ULTRA JAPAN 2018』開催。日本におけるEDM人気の立役者が5周年 5

    『ULTRA JAPAN 2018』開催。日本におけるEDM人気の立役者が5周年

  6. 渡辺あや脚本『ワンダーウォール』、静かに話題呼ぶ京都発ドラマ地上波再放送 6

    渡辺あや脚本『ワンダーウォール』、静かに話題呼ぶ京都発ドラマ地上波再放送

  7. 安室奈美恵の1994年からの歴代CM45本を一挙公開 AbemaTVの生放送特番 7

    安室奈美恵の1994年からの歴代CM45本を一挙公開 AbemaTVの生放送特番

  8. 平手友梨奈の「予測不可能」な生き様。初主演映画『響 -HIBIKI-』が公開 8

    平手友梨奈の「予測不可能」な生き様。初主演映画『響 -HIBIKI-』が公開

  9. 崎山蒼志が戸惑い混じりに語る、『日村がゆく』以降の喧騒の日々 9

    崎山蒼志が戸惑い混じりに語る、『日村がゆく』以降の喧騒の日々

  10. Amazon.co.jpが音楽イベントのストリーミング配信を開始。その狙いを訊く 10

    Amazon.co.jpが音楽イベントのストリーミング配信を開始。その狙いを訊く