特集 PR

あくまでポップミュージック EAインタビュー

あくまでポップミュージック EAインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎, 撮影協力:Five G
2012/05/01

男女のポップデュオと言うと、女性シンガーと、作編曲などをこなす男性プレイヤーという組み合わせが多いように思うが、ラテン語で「彼女」を意味するEAを名乗るこの2人組は、その一般的な例からはやや外れたところにいる。ビンテージのシンセサイザーやTENORI-ONなどを駆使し、作詞作曲からプログラミングまでをこなすMaika Leboutetを中心に、ギタリストのShinya Saitoがサポートをするという、ちょっと珍しい組み合わせなのだ。デビュー作『METEO』は、ドラマーのあらきゆうこをゲストに迎え、打ち込みと生楽器の融合にチャレンジしつつも、80年代への愛情を基にした「あくまでポップミュージック」という彼女たちの心意気がはっきりと伝わる好盤。結成の経緯から機材に対する偏愛のルーツ、作品作りに対する姿勢の変化まで、2人にじっくりと語ってもらった。

最初は見た目が可愛くて安いっていう理由でシンセサイザーを買ったんですけど、それにはまってからは…1年で10台ぐらい買ったかな。(Maika)

―EAの結成は2009年とのことですが、どのように始まったのですか?

Shinya:バイト先にMaikaが後輩として入ってきたんです。僕は前にやってたバンドを辞めてフラフラしてたときで、「音楽をやってる子が入ってきた」っていうから話してみたら、話が合って。

Maika:私はずっと曲を作りためてたんですけど、ライブをやったことはなくて、「歌手になってデビューしたい」みたいな欲望はあんまりなかったんです。どっちかって言うと、作るのに没頭し続けてて。ただ、せっかく作ったんだから、ライブをして誰かに聴いてもらいたいと思い始めてたときに、バイトの先輩にギタリストがいるということを聞いて、「じゃあ、お願いしようかな」っていう。

左から:Maika Leboutet、Shinya Saito
左から:Maika Leboutet、Shinya Saito

Shinya:80年代っぽいのがやりたいなって、ずっと…20年ぐらい思ってて(笑)、聴かせてもらった音源にはシンセの音がたくさん入ってたんで、「これはいいのが作れそうだな」って思ったんですよね。

Maika:ただ、出会った当初は音楽の趣味とか結構違ってたんです。私はそれまで80sとかあんまり知らなかったんですけど、iTunesの中身を見せ合ったり、「これいいよ」って知らないアーティストを勧め合ったりして、段々やりたいことが一致していって、今の形になったっていう感じです。

―じゃあ、EA以前のお2人のバックグラウンドも聞かせてください。Maikaさんはお父さんがフランス人、お母さんが日本人で、フランスに住んでいたこともあるんですよね?

Maika:はい、結構小さい頃に2〜3年いて、その後日本に帰って、また中学のときに行ってっていうのを繰り返してたんですけど、トータルでは日本の方が長くて、母国語は日本語、フランス語はどっちかっていうと外国語というか。今回“Red block on the hill”をフランス語で歌ってるんですけど、それは坂本龍一さんに曲のデモを聴いていただく機会があって、「これフランス語で歌ってみたら?」って言ってくださって、教授に言われたらやるしかないと(笑)。言語っていうのはひとつの切り口として、いろんな人に聴いてもらうきっけになればと思ってます。

Shinya:日本人以外にも聴いてほしいっていうのはありますね。(フランス語は)ひとつの武器というか特徴だし、シンセの音ともよく合う気がするんですよね。

Shinya SaitoとMaika Leboutet

―音楽を作るようになったきっかけは?

Maika:元々お父さんがクラシック好きで、私も5歳くらいからピアノをやってたんです。でも、中学のときに反抗期で「もうやめる!」ってなったときに、お母さんが「こういうの聴いてみれば?」ってTHE BEATLESのベストを聴かせてくれて、それにすっごいはまって。もう手放せなくなっちゃって、どこに行くにも聴いてて、それが「自分でも作りたい」と思ったきっかけですね。多重録音みたいな機能が付いたキーボードを買って、それを使って作曲っぽいことをやり始めました。

―機材好きもその頃から?

Maika:近所にハードオフがあったのが大きくて(笑)、最初は見た目が可愛くて安いっていう理由でシンセサイザーを買ったんですけど、それにはまってからは…1年で10台ぐらい買ったかな。

―Shinyaさんもギターのエフェクターにはこだわりがある?

Shinya:好きなんですけど、金銭的な問題もあって…それこそハードオフで(笑)。

Maika:でも、オークションとかでも、身を削って買ってるよね? 食費を削ってエフェクター買ったりとかしてますよ(笑)。

2/3ページ:ホントのことを言って真実を作るよりは、上手いこと嘘ついて、そこに乗っかって、膨らませていきたい。(Maika)

Page 1
次へ

リリース情報

EA『METEO』
EA
『METEO』

2012年5月9日発売
価格:1,500円(税込)
UXCL-48

1. Red block on the hill
2. Pitcha pitcha
3. UCHU
4. ミミズのダンス
5. ひので
6. Red block on the hill(French version)

イベント情報

2012年5月3日(木・祝)
会場:東京都 渋谷O-nest
出演:
おはようメルシー
中田真由美
原名蕗子
163(g)
dulce aereo(空気飴)
今宿えみこ
矢野あいみ
恋のパイナップル
MiyuMiyu
樋口舞
halnote
EA

2012年5月16日(水)OPEN 18:00 / START 18:45
会場:東京都 渋谷Star Lounge
出演:
SPANOVA
EA
nego
センカヲス
ZeZeZaZa
ふくろ

レムチャップMini Albumレコ発企画
『めくる境界線』東京編
2012年5月27日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:東京都 下北沢 BASEMENT BAR
出演:
レムチャップ
ベルボーイ
the モラトリアムスパゲッチーズ
EA

LACHIC presents
『SAKAE SP-RING 2012』
2012年6月2日(土)、6月3日(日)OPEN 11:30 / START 12:00
会場:
愛知県(以下同)名古屋CLUB QUATTRO、OZON、HOLIDAY NAGOYA、CLUB Zion、NAGOYA Blue Note、TIGHTROPE、and more
※EAは6月2日(土)に出演

プロフィール

EA

2009年結成、日仏ハーフのMaika Leboutet(マイカ・ルブテ: 全作詞・作曲、programming、Vocal、Synthesyzer、テノリオン、ほか)と、技巧派・音響派ギタリストShinya Saito(シンヤ・サイトウ)による、2人組POP/ELECTRONICA/ALTERNATIVE ユニット。結成以来、ゆったりしたペースながらも、女王蜂、撃鉄、The SALOVERS、住所不定無職、ヘンリーヘンリーズ、THE ラブ人間ら今の時代をリードする新世代アーティストと対バンを重ねる一方、mi-gu(あらきゆうこ+清水“Shimmy”ひろたか)、小山田圭吾、salyu×salyu、高野寛、 Chocolat&Akitoらともステージを共にし、注目を集めていく。2012年5月9日には、遂にEAにとって初の全国流通盤である1st mini album『METEO』がリリースされる。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

Elephant Gym“Moonset- Live at Underwater World Tour In Japan”

一聴・一見すると繊細に織られたアンサンブルに柔和な印象を抱く。が、極太のベースがリズムとメロディの両方を引っ張っていく様は超アグレッシヴでもある。観客も含めて会場に漂う空気は一貫して緩やかなものでありながら、なによりも3音の鋭い合気道を存分に楽しめるライブ映像だ。ビルドアップした低音に歌心を置くスタイルはまさに今だし、音の余白も心地いい。ポップとエッジィの両極をあくまで愛嬌たっぷりに鳴らす台湾出身の3ピースバンド、その魅力を1カット1カットが十二分に伝えている。(矢島大地)

  1. BTSは愛と自信を原動力に前進する。新章『MAP OF THE SOUL: PERSONA』 1

    BTSは愛と自信を原動力に前進する。新章『MAP OF THE SOUL: PERSONA』

  2. 高畑充希×前田敦子×池松壮亮『Q10』組登場 『町田くんの世界』場面写真 2

    高畑充希×前田敦子×池松壮亮『Q10』組登場 『町田くんの世界』場面写真

  3. 長澤まさみ&夏帆がLOWRYS FARM夏ビジュアルに ディレクションは吉田ユニ 3

    長澤まさみ&夏帆がLOWRYS FARM夏ビジュアルに ディレクションは吉田ユニ

  4. 女子大生が「殺される誕生日」を無限ループ 『ハッピー・デス・デイ』予告 4

    女子大生が「殺される誕生日」を無限ループ 『ハッピー・デス・デイ』予告

  5. スガシカオが語る、アルバム名に込めた真意「幸福感は十人十色」 5

    スガシカオが語る、アルバム名に込めた真意「幸福感は十人十色」

  6. 舞台『オリエント急行殺人事件』日本初演 小西遼生、室龍太ら出演 6

    舞台『オリエント急行殺人事件』日本初演 小西遼生、室龍太ら出演

  7. トム・サックスが茶の湯の世界に目を向ける展覧会 庭や茶室、池などで構成 7

    トム・サックスが茶の湯の世界に目を向ける展覧会 庭や茶室、池などで構成

  8. ピクサーアニメの制作工程を体験&学習、『PIXARのひみつ展』六本木で開幕 8

    ピクサーアニメの制作工程を体験&学習、『PIXARのひみつ展』六本木で開幕

  9. 21世紀のプリンスを再評価。配信やセクシャリティーの先駆者 9

    21世紀のプリンスを再評価。配信やセクシャリティーの先駆者

  10. カネコアヤノのお守りみたいな歌 不安を大丈夫に変える詩の秘密 10

    カネコアヤノのお守りみたいな歌 不安を大丈夫に変える詩の秘密